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中国(岡山・広島・島根・鳥取・山口)地方のM&A案件の特徴
山陽地域を中心にM&Aが行われる
中国・四国地方の9県では、主要都市である広島市(人口約120万人)、岡山市(人口約70万人)など経済活動の中心は、日本海と反対側のJR山陽新幹線沿いに位置します。したがってM&Aも広島県、岡山県を中心に行われています。地理的には瀬戸内海を挟みながら、瀬戸大橋など陸路が発達している為、「広島県⇔愛媛県」「岡山県⇔香川県」「徳島県⇔近畿地方」といった地域間は移動しやすく経済交流も盛んです。一方、「山陽地方⇔山陰地方」のように地理上の直線距離は近くとも移動に時間を要する地域間もあります。移動時間はM&Aの検討において重要な要素であり、近隣地域の企業を買収するというのは地続きだけでなく、アクセスが良ければ海をまたぐケースも頻繁に見られます。
工業・製造業が盛んな瀬戸内工業地域
地理的な特徴として、瀬戸内海は内海のため波が穏やかであり、水運が便利なこと、沿岸の埋立てにより工業用地が得られることから、石油化学コンビナートや製鉄所などの重化学工業が発達してきました。倉敷、水島、福島などは特に有名です。広島県には世界の“マツダ”の本社があり、自動車産業も有名です。“マツダ”を中心に、各自動車部品メーカーや、その下請けの製造業が集まっています。また伝統的な産業としては、造船業や繊維工業があります。関連する船舶部品や機械の会社も多くあります。鳥取県、島根県などの山陰地方では、情報通信機械や電子部品・デバイスが盛んであり、四国地方は海運や水、木材の確保などの立地特性から、紙パルプも有力な産業のひとつです。
このように工業地域に属した製造業がM&A事例にも多く見られます。自動車関連部品の製造、造船業、船舶用の部品がよく見られるのはこの地域の特徴でしょう。また、全国的に見られる傾向でもありますが建設業のM&Aも豊富です。建設業全体では高齢化や後継者不在が他の業種よりも著しく、また国の基幹産業であり就業人口も多いです。ゼネコン、サブコン問わず、幅広い建設業関係者によるM&Aは活発に行われています。
これからM&Aが加速していくエリア
日本M&Aセンターでは2018年4月に広島営業所を開設し、地域密着のM&Aを提供し続けております。開設前と比べて、当社にご依頼いただく売り手企業の数は2倍以上に増えました。中国・四国地方におけるM&Aの件数は、過去3年間(2018年~2020年)の都道府県ランキングで見ると広島県が15位前後に入っているほか、全国的にはまだ活発な地域ではありません。しかし、これから正にM&Aが活況になっていくだろうと予測される地域でもあります。