日本M&Aセンター初の"売らなかった経営者”が語るオンラインセミナー
⽬次
- 1. 築地の印刷会社の事業承継問題
- 2. 経営者が抱える孤独な悩み
- 3. 期待を上回る企業評価額
- 4. M&Aを検討する意義とは
- 4-1. 著者
創業以来、セミナーを企業文化としてきた日本М&Aセンターで史上初めてとなる、M&Aを検討しながら譲渡しなかった経営者が体験談を語るウェビナー「成長戦略セミナー 私が会社を売らなかった理由」が2021年8月25日に開催されました。逆説的でありますが、М&A仲介のリーディングカンパニーだからこそできる話題のセミナーとなりました。結果的に当社をM&A仲介ではなく“経営コンサル”としてご活用した経験談となりましたが、経営者は「M&Aを検討してよかった」と振り返ります。M&Aを検討する意義をご紹介するセミナーを詳報します。
築地の印刷会社の事業承継問題
東京・築地で2001年に印刷業「ユニオンネットワーク」を創業した松原丈志様にご登場いただき、営業活動からビジネスパートナーとしてお付き合いした日本M&Aセンター成長戦略部のコンサルタントとの対談形式で体験談を語りました。
経営者が抱える孤独な悩み
2016年に事業譲渡を検討され、当社との業務提携仲介契約を結んだ松原様。会社の舵取りを担う経営者の悩みを、「中小企業の経営者は常にヒト・モノ・カネのことで不安の中にいる」と話し、「身近に相談できる人がおらず、自分で解決するしかない」と経営者ならではの孤独感を説明します。
相談当時からご子息が会社で勤務していましたが、第三者への事業承継を考えるようになりました。
「うまく事業を譲渡して社員も喜んでくれると思った。経営者の悩みから抜け出したかった」と振り返ります。ただM&Aを実行するための基本的な指標となる第三者機関による企業評価で、大きく考えが変わったそうです。
期待を上回る企業評価額
「今まで赤字を出さない決算だけに夢中だった」と松原様。企業評価で自身の期待を超える株価評価が提示され、「会社の価値を考えたことがなかったので、高い価値をつけていただき、変な自信がついた」と笑顔で当時を振り返ります。
その後、譲受先候補となった同業と異業種の2社の経営者とのTOP面談を行い、同業の工場見学を迎えました。
松原様は「大変いい会社さんでしたが、企業風土の違いを感じた」と、自社の株価以上の買収額を提示した縁談を断念しました。何よりうれしい出来事も起こりました。工場見学後にご子息から初めて「俺が経営したい」と後継ぎ宣言がありました。
結果的に第三者への事業譲渡ではなく、自助努力による会社経営を決断することになりました。現在はご子息が二代目となって活躍され、松原様は取締役会長として経営を見守っています。
M&Aを検討する意義とは
M&Aをしないご決断をされましたが、検討したことによって適切な企業評価を受け、自社の強みや価値を認識する機会となりました。
コンサルタントと何度も膝を突き合わせた面談について「秘密を守ってくれる安心感の中、真剣に相談に乗ってもらえた」とも評価しました。
決してM&Aを押し売りのように迫ることなく、経営者ファーストで向き合う営業スタイルは日本M&Aセンターのサービス品質でもあります。
松原様は「M&Aの検討は良いきっかけづくりとなった。中小企業の経営者なら是非検討するべきで、冷静に企業の価値を知ることができる」と強調し、М&Aを検討する意義を語りました。