愛媛朝日テレビと事業承継セミナーを開催 地域の経営者に事業承継とM&Aを解説
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愛媛朝日テレビ(eat)は2022年7月6日、松山市内のANAクラウンプラザホテル松山で「愛媛県の経営者のための経営の打ち手カンファレンス」を開催しました。セミナーでは、地元企業の経営者にとって関心が高まる「事業承継」、「DX」、「生産性向上」などの経営課題について、各分野のリーディングカンパニーの担当者から最新事例とソリューションを企業経営者の皆様に解説しました。会場参加者とオンライン参加者約70人が集まり、次なる「経営の打ち手」を考えました。
「地元を愛す」をスローガンに情報発信をする地元テレビ局 愛媛朝日テレビ
セミナーの冒頭に、愛媛朝日テレビ 井上隆史社長が本セミナー開催の想いを話しました。1995年に愛媛エリアで4番目の放送局として開局し、「地元を愛す」をスローガンに愛媛県地域の皆様に資する情報を提供してきた愛媛朝日テレビ。1995年の開局当時の150万人から人口は130万人に減り、人口減少と高齢化によって優れた技術やおいしい商品を持つ企業が廃業を余儀なくされ、地域の技術や味が失われていってしまうことが危惧されています。井上社長は、「この負の連鎖を止めるために何か手を打たなくてはならないと考えています。廃業ではなく、経営のバトンを次の世代につなげられれば、雇用も維持され地元の生活圏で経済が回っていきます。そういったことから今回新たな取り組みとして、地域の経営者が直面する可能性のある課題を取り上げ、今後の経営の参考にしていただくためセミナーを主催しました。」と話しました。さらに、愛媛朝日テレビの役割として「テレビ番組を制作し、視聴者に提供することはもちろん重要ですが、地元の放送局として地元の企業同士を結び地元のいいものを積極的に紹介していきます。」と想いを伝えました。
様々な支援機関のハブ的な役割を担う「CONNECTえひめ」による愛媛県の地域の経営者支援
今回、「愛媛県の経営者のための経営の打ち手カンファレンス」を後援した愛媛県から経営支援課 地域産業係長 田窪直文氏から愛媛県内の企業の様々な課題と県の支援についてご紹介いただきました。
田窪氏は、経営者の高齢化、長引くコロナ禍や物価高騰による厳しい経営環境を乗り越えるための事業承継はますます重要性が増していることを説明し、「愛媛朝日テレビのような地域のテレビ局がこういったセミナーを開催することで、県内の事業者が事業承継をさらに身近に感じ、検討するきっかけになることをうれしく思う。」と今回愛媛県が後援した理由を紹介しました。
そして、愛媛県による地域の企業の支援策として、2022年5月に開設した総合支援拠点「CONNECTえひめ」を紹介しました。「CONNECTえひめ」は、公的支援機関や経済団体、さらに金融機関などの支援に加え、県内企業の多岐にわたる経営課題の総合相談窓口として、愛媛県が開設した総合支援拠点です。「CONNECTえひめ」は、ポストコロナに向けて、中小企業、事業者の経営課題は多岐に渡ってくることが考えられる中、公的支援機関や経済団体、さらに金融機関と連携するための一元的な支援拠点として、ハブ的な役割を担い、地域の経営者をサポートしていることを紹介。田窪氏は、「愛媛県の事業者の多岐にわたる経営課題に対し、関係機関と連携してフレキシブルで継続的な支援を行っていきたい。」と「CONNECTえひめ」の概要を説明しました。
CONNECTえひめHP(https://connect-ehime.com/)
小規模事業者の事業承継を促進するオンラインマッチングサービス「バトンズ」
セミナーのテーマである事業承継について、日本M&Aセンター 西日本ダイレクトマーケティング部 岡本昌大部長とグループ会社でM&Aのネットマッチングプラットフォームを運営するバトンズ 鈴木安夫取締役が事業承継を成功させるポイントについてそれぞれ講演しました。
岡本部長からは、愛媛県内の後継者不在率は62・4%で、四国では最も高く、全国平均を上回っていることを紹介。「深刻な事業承継問題の解決策として後継者不在問題の解決と共に、第三者との提携によって、事業の多角化や人材採用の強化が実現できるM&Aが地域の企業が抱える課題解決の一助となる。」と後継者不在問題の解決策だけでなく、成長戦略の一つとしてM&Aの重要性を伝えました。
バトンズ 鈴木取締役は、マッチングプラットフォーム「バトンズ」を紹介。小さな事業者でも企業のマッチングプラットフォーム「バトンズ」を活用すれば、承継相手をみつけることができることを解説しました。一方で、企業や事業者がM&Aの相手企業を探す際には地元の金融機関を頼る場合が圧倒的に高く、オンラインマッチングの活用は進んでいないという課題を説明。バトンズは、オンラインマッチングによるM&Aを促進のため、地域の金融機関や、自治体、士業、経済団体との連携を強化し、後継者不在の高齢の経営者にオンラインマッチングによるM&Aの可能性を啓発していることを紹介しました。
さらに、オンラインマッチングの利点として、「相手先の案件の豊富さ」と「多くの相手と交渉できること」、「成約までのスピードの早さ」、「低コスト」などを挙げました。その一方で注意点を、M&Aを検討するうえで重要な経営数字の粒度と信ぴょう性の低さを挙げ、トラブルを回避するため、専門家やアドバイザーへの相談やデューデリジェンス(買収監査)の重要性を説明しました。
講演の最後に「企業の規模に関わらず、会社はものではなく人であることは不変です。売り手も買い手も相手に対し、敬意を払って進める必要があります。M&Aは、人間同士の結婚と一緒なのです。」とM&Aの相手への敬意の重要性を強調しました。
地域密着メディアと連携することで、「M&Aによる事業承継」という選択肢の認知向上
日本M&Aセンターは、6月から7月にかけて、長崎文化放送(長崎県)、東日本放送(宮城県)、愛媛朝日テレビ(愛媛県)とタッグを組み、事業承継セミナーを開催し合計約600名の方々にお申し込みをいただきました。地域に密着したテレビ局を通して情報発信を行うことでより多くの地方企業や事業者の経営者の方々に「M&Aによる事業承継」などさらなる成長のために取り組むべき新たな経営の一手の情報を届けました。
コロナ禍や急激な円安、物価高など、経営を取り巻く環境は激変するなかで、日本M&Aセンターは今後も地域のメディアや自治体等と連携し、経営者の皆様にM&Aによる事業承継や成長戦略という経営の選択肢の情報を届けることで、地域の企業の成長戦略を支援し、地方創生の促進の一助となることを目指していきます。