[M&A事例]Vol.140 医薬品×食品、異色のM&A。120年以上の歴史にカイゼンの風を吹き込む
ジェネリック医薬品の卸売業を営む八戸東和薬品は、異業種のきちみ製麺を譲受けました。約2年経った現在話を伺いました。
譲渡企業情報
譲受企業情報
※M&A実行当時の情報
2011年9月、当社がお手伝いしてM&Aを実行された2社、雅洞の柿沼様とばんどう太郎グループの青谷様をお迎えし、M&Aを決意された理由や当時の心境などをお聞きしました。
柿沼様: 株式会社雅洞は、宇都宮市で和菓子の製造販売を行っています。約40年前に私が創業した会社で、徹底した手作り製法と原材料にこだわってきました。都内の有名百貨店でも販売しており、中には宮内庁御用達のお菓子もあります。
創業者である私のモットーは、「生涯現役」です。しかし76歳を迎えた数年前、生涯現役を経営者として貫くのは、やはり体力的に無理があるのかもしれない、と思うようになりました。 後継者として考えられるのが子供ですが、私の2人の娘のうち長女は歯学部に進み、歯科医師としての道を歩んでいます。そのため二女に託すことを前提に準備を始めましたが、娘婿の仕事の関係で経営に従事することが難しくなりました。
こうした子供たちの状況もあって逡巡していたところ、日本M&Aセンターの仲介で後継者問題を解決した経営者仲間からM&Aで引き継いでもらうという方法を聞きました。そして一度話を聞いてみようと日本M&Aセンターの中川さんに相談することになったのです。
青谷様: ばんどう太郎グループは、茨城県を中心とした北関東で和食レストランを展開する企業です。そば・うどん・寿司レストランの「ばんどう太郎」をはじめとして、とんかつの「かつ太郎」、和食の「ひな野」、焼肉の「百萬」など、それぞれのブランドでも展開しています。
当社の経営理念は”人間大好き・親孝行”です。和食は幅広い世代に受け入れられるため、親子2世代、3世代が一緒に集いやすい飲食店といえます。家族の交流を図っていただくため、また各ご家庭における節目のイベントに使っていただけるよう、個室を多く設置しているのも特徴です。
創業以来、多くのお客様に家族団らんの機会を持っていただけることを願い、店舗数拡大にまい進してきました。おかげさまで、現在の店舗数は北関東で約70を数えるまでになりました。
店舗数拡大の一方で、数年前からデザートへの取組みを強化したいと考えていました。家族団らんの機会を多くご提供するためにも、気軽に立ち寄っていただける和菓子デザートの充実は急務と考えていたからです。また前述のように家族のイベントとして使っていただくことも多く、特にお祝い事などの場合にニーズの多い、高品質の和菓子をご提供できる体制を構築することが必要であると感じていました。
そんな折、日本M&Aセンターさんから雅洞さんの紹介を受け、ぜひ譲受けを検討したいとお伝えしました。
柿沼様: トップ面談で青谷社長にお会いして、同じ創業者として経営理念に共感できたからです。創業以来育ててきた会社と社員を、この人なら大事に引き継いでくれるだろうと感じました。同じ「和」をテーマとする食に関連する事業で、和菓子にも力を入れたいと考えているとお聞きし、当社の技術やブランドがお手伝いできることがあるのではないかと思いました。
柿沼様: 長年背負ってきた個人保証も解除され、新たなスタートを切りました。現在、会長として引継ぎを行っています。経営からは一歩退きましたが、変わらず和菓子製造販売の現場に関わっております。今後も変わらず雅洞の味を守りながら、私のモットーである「生涯現役」を貫きたいと思っています。
青谷様: 現在、ばんどう太郎グループの各店舗に和菓子コーナーを特設し、雅洞さんの和菓子を販売しています。売上は好調で、各店舗における売上のベースアップに貢献してくれています。また早速デザートメニューに和菓子を取り入れ、和風パフェなど新メニューも登場しています。
今後も、当社の和菓子提供におけるサービス強化の柱となっていただけると思います。雅洞さんのこだわりの和菓子製造技術・ノウハウを守りながら、シナジーが最大化できるようにこれからも一緒にさらに発展させていきたいと考えています。
M&A成功インタビューは、 日本M&Aセンター広報誌「M&A vol.30」にも掲載されています。
ジェネリック医薬品の卸売業を営む八戸東和薬品は、異業種のきちみ製麺を譲受けました。約2年経った現在話を伺いました。
120年以上温麺の製造を行う「きちみ製麺」が譲渡先に選んだのは、ジェネリック医薬品の卸売業の会社でした。成約から約2年経った現在について伺いました。
有名アイスクリームの製造を手掛ける竹下製菓は、アイス製造会社やパン製造会社を譲受けを行っています。同社に積極的に資本提携を進める理由を伺いました。
まずは無料で
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「自分でもできる?」「従業員にどう言えば?」 そんな不安があるのは当たり前です。お気軽にご相談ください。
中川 健太郎
柿沼様の事業に対する「想い」をしっかりと受けとめ、譲受け企業担当者にきちんと橋渡しすることに努めました。結果、「良縁」を戦略的に創出することができ、ひいては銘菓の存続と発展に携わることができたことを誇りに思っています。
公認会計士 長坂 晃義
会社の背景や歴史は個別に異なるため、当然M&Aにおいて各ペアで異なる論点が出てきます。当社では各事例について公認会計士・税理士・弁護士などの専門家がサポートし、きめ細かなサービス提供に努めています