社長の殻を脱いでじっくり考えられる場所―『事業承継プロフェッショナルミーティング』レポート
⽬次
- 1. “隣にいる人に聞ける”距離感
- 2. 思いを言葉にする、できそうでできない一番のこと
- 3. あっという間で、学びの多い時間
- 3-1. 著者
「多段階の人生、まさにそれです」 秋雨が包み込む会議室は、季節と反対に温かい空気で満ちていました。会議室には6名、円座になって話しています。 「引退後、大学に通って学び直しましたね」 「わかります!学生時代は勉強が嫌なのに、いざ立場が遠くなると学び欲がでますよね」 和やかな会話が続いています。 ここは事業承継プロフェッショナルミーティング(以下、プロミ)の会場。とても今日が初対面とは思えない雰囲気で、各々が積極的に発言しています。
“隣にいる人に聞ける”距離感
プロミに参加しているメンバーをご紹介しましょう。
・M&Aで実際に会社を譲渡した元社長様
・事業承継ナビゲーター 長坂
・日本M&Aセンター コンサルタント 臼井
・青山財産ネットワークス 役員 島根
ここに、プロミお申込者の2名が加わった6名です。
「金庫株って実際どうですか?」
「MA後に辞めた従業員はいませんでしたか?」
リアルな疑問もどんどん飛び出します。それはきっと、このミーティングの距離感にあります。
プロミはこんなメンバーで構成されます
距離は人との関係を縮めます。 例えば、学校の教室で授業を受けていて聞き取りづらい点があっても、なかなかその場で「なんて言ったんですか?」と発言しづらいですよね。 でも、隣の人ならどうでしょう? 「もう一度お願いできますか?」 躊躇なく聞けると思います。 隣の人に聞ける距離感こそ、プロミが大事にしている空気感です。
思いを言葉にする、できそうでできない一番のこと
プロミではこのように誰もが発言しやすい雰囲気ですから、自然と皆様言葉が増えます。 「それってそんなにうまくいくの?うまくいかないときどうなるの?」 「うちの場合はその進め方は難しいかもしれない」 ふとついて出る言葉こそ、頭の中で考えていた悩みの種かもしれません。気持ちや考えは言語化しないとぼやけたままです。目標をみんなの前で宣言して実現させる人が多いように、言葉として外に出すことは非常に大切なことです。
あっという間で、学びの多い時間
2日間に渡るプロミ。 延べ8時間以上のミーティングを終えたオーナー様の顔は、活力に満ち溢れていました。 「こんなに学べると思わなかった!」 「業種は違うけど同じ悩みを持った経営者同士、こうして出会えたご縁に感謝です」 自分はどう会社を立ち去るべきか? 自分が去った後会社を成長させるためにどうしたはいいか? 全員が同じ目線で8時間話し合った後ですから、まるで1つの部活動が終わったような、そんな達成感があります。
“みんなで”、“集中して”、考えることで、頭と心がすっきり!
社長業をしていては、なかなか8時間も自分の引退について考える時間の確保も難しいでしょう。事業承継は、解決策が1つではありません。そして、そこから財産や家族やその後の自分の人生と、焦点は変わっていきます。8時間向き合うことで、“自分だけの”事業承継が見えてきたのではないでしょうか。 その後の打ち上げは大盛り上がりしたしないとか…。
プロミは、社長が社長の殻を脱いでじっくり考えられる場所なのかもしれません。