今は「誰に継がせるか」を"選ぶ時代"
⽬次
- 1. 方法論ありきの提案に慣れた経営者は事業承継の本質を見失っていく
- 2. 事業承継の全体を俯瞰し、対話すること
- 2-1. 著者
事業承継の方法は、3つしかありません。 経営者の子供や親族に事業を承継する「親族内承継」、経営者と親族関係にない役員や従業員に事業を承継する「親族外承継」、そして、社外の第三者に事業を譲渡する「M&A」です。
以前は親族内承継が圧倒的多数だったのはみなさんの想像通りだと思います。中には、「父が創業者だったので自分が会社を継いだ」という2代目の方もいらっしゃるかもしれません。
20年以上前には親族内承継が85%、親族外承継は15%でした。しかし、最近では親族内承継が35%、親族外承継が65%とその割合は逆転しています。(「事業承継ガイドライン」より 参考記事は事業承継ガイドラインpickup)
今、事業承継は「誰に継がせるか」を“選ぶ時代”になってきているのです。
事業承継の3つの選択肢から、ベストな方法を選ぶには…?
方法論ありきの提案に慣れた経営者は事業承継の本質を見失っていく
経営者の皆様はいろんな社外の方から様々な提案を受けることが多いと思います。
・金融機関から、持株会社設立の提案
・会計事務所から、自社株評価引き下げの提案
・保険会社から、相続税納税資金の準備の提案
・不動産会社から、不動産活用の提案
等々
実は上記は全て“事業承継”に関連した提案です。すべて事業承継には必要なことです。実際はもっと多いかもしれません。
各項目についてバラバラに提案を受けていては、事業承継の全体像を描くことは難しいでしょう。専門家それぞれの提案を受けるたびに、「一体何から手を付けていいのか分からない」と思ったことはありませんか?
各専門家は、もちろんその道のプロですから、提案していることはその分野ではベストな方法かもしれません。
しかし、事業承継を全体で考えた時に、それが果たして必要なのか、適切な対応なのかは、全体像を把握しなければ判断できません。
事業承継を成功させるためには、全体を俯瞰することから始めてみましょう。
それが、経営者・その家族・従業員といった関係者全員が納得のできる事業承継の実現につながります。
事業承継の全体を俯瞰し、対話すること
会社の存続・成長、従業員や家族の幸せを実現するためには、事業承継の全体を俯瞰し、後継者候補の人物や家族と話し合うことが大切です。
「息子は会社を継ぐために大手企業に勤務させている」という方、
「社内ですでに息子は役職についているから大丈夫」という方、
実際にご子息の本音を聞いたことはありますか? “話すこと”はとても大切です。
しかし、家族であっても、なかなか真剣に事業承継について話すことは少ないと思います。
近い距離であればあるほど、「相手はこう思っているはず」という先入観が働き、事業承継のような重いテーマを話すことを後回しにしてしまうことは多々あります。
家族で考えるきっかけに「家族で話せる事業承継ブック」をご活用ください。
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