法務のプロフェッショナルたちが、中小企業M&Aに関する全ナレッジを結集!
⽬次
- 1. M&Aの現場の感覚や雰囲気を伝えたかった
- 2. 法務室の全ナレッジを結集
- 3. 可能な限り分かりやすく
- 3-1. 著者
「株券を紛失してしまった」「実は未払い残業代がある」… 会社の規模の大小にかかわらず、M&Aには複雑な手続きが必要です。M&Aの過程では中小企業ならではのトラブルも起きるので、知識がないととまどってしまいます。 年間約700件のM&A成約を支援する日本M&Aセンターでは、弁護士・司法書士といった法務のプロフェッショナルたちが7名在籍し、当社所属のコンサルタントに対してきめ細かくスピーディーなサポートを行います。 そんな日本M&Aセンター法務室のノウハウを結集した書籍「買い手の視点からみた 中小企業M&AマニュアルQ&A」が、2019年2月に中央経済社より発刊されました。法務室長・弁護士の横井伸に、本書について聞きました。
M&Aの現場の感覚や雰囲気を伝えたかった
本書は「買い手の視点からみた」と銘打っている通り、買い手(上場企業やファンドなど比較的規模が大きい企業)が初めて中堅中小企業のM&Aに乗り出す際の、法務系の「マニュアル」「道標」となるようなものを目指して執筆しました。 従来のM&Aのマニュアル本では、大企業同士のM&Aや規模の大きな会社に対するM&Aを想定していることが多く、「株主名簿」や「株券」などの基本的な資料は全て揃っていることが前提のような書きぶりになっていることが大半です。 ところがこれは、実際の中小企業M&Aの現場とはかなり大きな感覚の“ズレ”があるのです。 当社が売り手となる中小企業からM&Aのお相手探しを依頼される際には、株主名簿や株券などの基本的資料が紛失していたり、そもそも存在しないということが日常的に起きます。 その結果、買い手サイドからM&Aの検討を断られてしまったり、売り手サイドが買収監査で要請された資料を提出できずに破談になってしまうということが現実に起きていて、私たちは歯がゆい思いをしてきました。
法務室の全ナレッジを結集
当社法務室は、年間700件前後の当社案件の大半に関与しており、日本では圧倒的な中小企業M&A関与実績と経験の蓄積があります。件数が多いだけではなく、当社所属のコンサルタントに対してそれぞれの案件で可能な限り丁寧かつ専門的に助言を行っております。 当社法務室の場合は、外部専門家が関与する買収監査等に至るかなり前のM&A検討段階から関与しているのが特徴です。 M&A検討初期の受託段階におけるリスクの精査(いわゆる、当社が受託する上でのプレ監査)や適切な受託スキームの提案、法的に適切なスケジューリング管理、契約草案への迅速な対応、様々な社内からの問い合わせに対するリサーチ・回答などを、当社所属のコンサルタントに対してタイムリーに行っており、蓄積されたナレッジやノウハウは圧倒的とも言えます。 こうしたナレッジやノウハウを、全て結集して書籍化しました。
可能な限り分かりやすく
こうしたナレッジやノウハウを可能な限り分かりやすく伝えるために、よくあるケースを架空のストーリーにして5章に分割し、それぞれにQ&Aを設けました。 類似の当社のM&A案件では買い手と売り手に弁護士などの専門家がつき、当社はアドバイザー又は仲介者として案件に関与することが多いので、本書のストーリーもそのような流れになっています。 その上で、実務上よくある法務の問題点について、法務室の各メンバーが自らの知見と経験に基づいて一般的な回答を行っております。 買い手が初めて中堅中小企業のM&Aに乗り出す際の「道標」を目指した本書は、事例を交え、“分かりやすさ”をテーマに執筆しています。 M&A担当者はもちろん、M&A実務に携わる専門家の方、M&Aコンサルタントを目指す方にもお役立ていただけると思います。