ビジネス環境ランキング第2位、シンガポールってどんな国?~駐在員だより~
⽬次
- 1. ビジネスのしやすさはアジアナンバーワン!
- 2. 日本と実は似ている?!
- 3. “会社は子供”の意識は共通
- 4. 国は違えど思いは一緒
- 4-1. 著者
マレー半島南端に位置するシンガポール共和国。 マーライオンや、近年は近代的な形が特徴のホテル・マリーナベイサンズで知っている方も多いのでは? 都市国家として成長を遂げる同国内に、当社シンガポール・オフィスが営業しています。日本M&Aセンター初の海外拠点であるシンガポールより、現地駐在員の井 直大(い なおひろ)が“今”のシンガポール情報をお届け!
ビジネスのしやすさはアジアナンバーワン!
シンガポールで特徴的なのが法人税です。地代家賃や人件費は諸外国に比べ高い水準ではありますが、法人税は最高17%と税制面で優遇されています。 また、法も整備され、言語も英語が通じ、煩雑な登記も不要という面でも、企業にとってビジネスがしやすい国であることは間違いありません。 世界の約190カ国についてビジネス活動における制度的環境を比較評価し、各国のビジネスのしやすさをランキング化した「Ease of doing business index」でもニュージーランドに次いで第2位を記録しています。
日本と実は似ている?!
シンガポールの面積は東京23区より少し広い程度の小さな島国です。マレーシアからの独立後急速に経済発展してきました。治安もよく街中にゴミひとつないのは有名な話ですが、東京と違うといえば渋滞が無いといったところでしょうか。 シンガポールは島内の自動車台数を総量規制しているので特別なことが無い限り渋滞に遭遇することはありません(シェアライドや格安な公共交通機関も発達しています)。 さて、もう一つ日本と似ている点があります。 それは“高齢化”です。 下の図は各国の高齢者(65歳以上)人口比率推移となっていますが、日本に次いでシンガポールが高い比率で上昇していくことがわかります。
資料:UN,World Population Prospects:The 2017 Revision
ただし日本は、2015年までは総務省「国勢調査」。
2020年以降は国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成29年推計)」の出生中位・死亡中位仮定による推計結果による。
2020年、シンガポールは高齢人口比率15%という高齢社会になると予想されています。日本と同じようにシンガポールも高齢化の一途を辿っているんですね。 そこで出てくるのが“後継者問題”です。 シンガポールでも日本同様、「息子は海外で働いていて継がせられない」「全く別の道を歩んでいる」という話を社長からよく聞きます。 日本と異なるのは、スピード感です。 こういった後継者問題について相談いただく社長は50歳代が一番多いです。 日本よりも若い世代の社長が事業承継プランについて考え始めているのがシンガポールなのです。
“会社は子供”の意識は共通
先日、シンガポール企業と日本企業のM&Aの成約式に出席しました。 シンガポール企業の創業者は女性オーナーでした。後継者不在のため、譲渡を決断したのです。 成約式の挨拶の際、彼女はこう言いました。 「私の娘(企業)を、どうぞよろしくお願いします」 国は違えど、会社を我が子のように思う社長の気持ちは一緒ですね。 この言葉を聞いて、M&Aは万国共通の後継者不在企業を救うひとつのやり方だと確信しました。 ほら、シンガポール企業が、身近に思えてきませんか?
国は違えど思いは一緒
当社シンガポール・オフィスでは、このようにシンガポールの後継者不在企業を対象にしたM&Aはもちろんのこと、成長のために海外進出を検討している日本企業へのM&A支援もしています。 今や日本人駐在員3名に加え、現地採用メンバーも増えました。 “M&Aで企業の存続と発展に寄与する” 想いをひとつに、今日も頑張ります!
シンガポール・オフィスメンバー