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日本M&Aセンターが新たにESGの構成銘柄入り

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企業の社会的責任がより求められるなか、ESGへの取り組みが世界的にも進展しています。機関投資家が投資先を選ぶ上で、企業の財務情報だけではなく、ESG(環境・社会・ガバナンス)への取り組みなど非財務情報の重要性が年々高まっています。ESGインテグレーション(統合型)投資がトレンドとなっている昨今、2021年6月、うれしいニュースが舞い込んできました。ESGのグローバル基準を満たす日本企業を対象にした株価指数「FTSE Blossom Japan Index」の構成銘柄に、日本M&Aセンターが初めて選定されました。ソフトバンクやヤクルト、京セラといった国内の名だたる大企業とともに選ばれました。 日本M&Aセンターでは2019年秋から構成銘柄入りを目指し、社長直轄のプロジェクトチームを発足させて、全社を挙げて会社機能の強化を含むESG課題対応と情報開示に取り組んできました。今回のESGプロジェクトの中核を担ったIR室のメンバーにお話を聞きました。

投資を呼び込むESG銘柄

日本M&Aセンターの株式はその約8割を機関投資家が保有し、しかも全体の半数以上は外国人投資家が占めています。年々、グローバルでESG投資額が大きくなっている状況で、新たな投資を呼び込むためにはESGの外部評価を上げる必要がありました。「FTSE Blossom Japan」はロンドン証券取引所が出資するグローバルインデックスプロバイダーのFTSE Russell社がESG面で優れた企業を選抜するために設計されたインデックスです。構成銘柄企業として選ばれることで拡大するESG投資資金を呼び込むことにつながります。

さまざまなESG課題への対応

プロジェクト発足時の日本M&Aセンターに対するESG評価スコア(総合点)は5点満点の1.8点。指数採用には3.4点以上が求められ、ESGのそれぞれの分野で評価向上のために改善に着手しました。業種がファイナンシャル・サービス業と見なされているため評価のポイントはGのガバナンスと、Sの社会的な取り組みが大きな比重を占めます。 ガバナンス強化では、取締役会の諮問機関である報酬委員会と指名委員会を設置。女性役員を登用するとともに海外からも取締役を招き、取締役会メンバーの多様性も実現しました。 社会的な取り組みでは、日本M&Aセンターにとって社員が最大の経営資産であり、社員なしに自社のサービス提供は不可能であることから、特に労働慣行とダイバーシティに関する取り組みについて他企業のベストプラクティスなども参考にしながら整理していきました。 さらに比重の小さい環境への取り組みについても調査と開示を行いました。温室効果ガス(GHG)排出量の国際的な算定・報告ガイドラインに基づき、電力の利用での間接的なGHG排出量や航空機利用の出張を対象範囲とした間接的なGHG排出量を算出し、環境面での負荷状況を調べたほか、気候変動に関わる日本M&Aセンターのリスクなども想定しました。

情報開示を強化

しかしながら社内でいかにESG課題への取り組みを進めても、その取り組みをうまく開示して外部に認識してもらえなければ評価スコアには反映されません。そのため、コーポレートサイト内に新たにサスティナビリティの枠を設けて、日本語と英語表記で開示しました。このようなさまざまな取り組みの成果と情報開示により、結果として評価スコアを3.8点にまで上げることができ、この度構成銘柄に採用されることができました。

さらなるインデックス銘柄採用に向けて

世界最大規模の年金基金である日本の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が国内株式のESG投資基準とするESGインデックスが3つあり、日本M&Aセンターは今回でうち2つのインデックスに選ばれたことになりました。残るMSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数にも選定されるように今後も取り組んでいきます。

宮崎洋一室長は「関係するスタッフ部門を中心に全社を挙げて取り組んだ成果が認められて、大変嬉しく思います。ESG投資はグローバルで年々増加しているので、さらなる投資を呼び込んでいくためにもESG課題への取り組みと情報開示を強化していきます」と語ります。

多賀菜摘さんは「IR室では今後も投資家とのコミュニケーションを重ね、情報開示の面でも当社の非財務情報の評価向上をサポートしていきます」と笑顔を見せました。

作山秀美さんは「今までの丁寧な取り組みを引き継ぎ、ESGの基盤をさらにつくっていきます」と話しました

日本M&AセンターIR情報

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M&A マガジン編集部

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