タイでビジネスをする際、知っておきたいこと4選

井 直大

監修

井直大

日本M&Aセンター 海外事業部 ASEAN推進課 シニアディールマネージャー/タイ王国駐在員事務所 所長(取材当時)

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タイのビジネスルールイメージ
当然のことながら、国が違えば文化も商習慣も異なります。
今回はこれからタイの会社と取引を行う際に、知っておくと役に立つ4つのポイントをご紹介します。

ビジネスでの呼び名は〇〇〇〇〇⁉

井: 今回のテーマ、細かいことを含めると4選どころではなくたくさんあるのですが・・(笑)
まずお伝えしておきたいのは名前問題ですね。
タイの人は、名前が長くて複雑な場合が多いため、日常生活はもちろんビジネスでもニックネームが使われます。たとえば名刺やメールアドレスにもニックネームが見られることが多いです。
何度もやりとりをしている人でも、本名を知らない人はたくさんいます(笑)。

ニックネームは、本名と関連するのか?いいえ、まったくそうでもありません。
短くて、言いやすい名前が多い印象です。
たとえばタイ語で雨は「フォン」と言うのですが、その人が生まれた日に雨が降ってたから「フォン」さん、とか。言いやすく覚えやすい、という点で、特定のニックネームが多く選ばれるので、ビジネスの現場でも同じ名前の人が多いこともしばしばあります。最初は戸惑われると思いますが、間違えないように覚えるには、慣れとコツがいるかもしれませんね。

色が持つ意味を知っておく

タイ国旗
井: タイは色に意味を持つ国です。
タイの国旗は三色旗ですが、赤は国家と国民を、白は建国神話に登場する白象に由来し、仏教への信仰心、青はタイ王室の色とされています。
また、月曜は黄色、など曜日ごとにも色があり、タイでは自分が生まれた日の曜日と色を皆さん知っています。そして時には政治的側面で色が用いられる場合もあります。普段は私自身も特に気をつける場面はないのですが、政治的緊張状態にあるときなど、ネクタイなど身に着けるものの色は、その時々の状況に応じて注意しましょう。贈り物をする際も、現地の事情に詳しい人へ事前に確認するほうがベターです。

会食では禁酒日に用心

井: 人口の約9割が仏教を信仰しているといわれています。
なので、日常生活の中に仏教の影響が非常によくみられます。
たとえば街のいたるところに参拝場所である祠があり、道行く人は伝統的な「ワイ」という挨拶を行っています。
また、仏教関係の休日や選挙など政治的イベントの際は「禁酒日」が設けられているのもタイの特徴の一つでもあります。アルコールの販売や提供が禁止になるため、タイの飲食店で会食をするときは前もって調べておくことをおすすめします。一部、常時提供している場所もあるようですが、ルールを守ることがトラブルを未然に防ぐことにつながります。

移動は余裕を持って

タイ渋滞イメージ

井: 特に首都バンコクは基本的に車社会で、人口の過密化により世界的にも交通渋滞が激しいことで有名です。信号の数自体が少なかったり、道路の整備など交通インフラが万全ではないことも渋滞を引き起こす要因と考えられています。あと雨季はスコールが続き、道路状況が悪くなるので、私も何度か洪水でアポイントメントがキャンセルになったことがあります(笑)。電車など他の交通手段も増えてきてはいるので、使い分けることも解決策の一つではないでしょうか。タイの歩道はタイル貼りが多いので、あわてて走って転倒する人や、タイルの間から水がピュッと飛び出してきて汚れてしまった人を何人も見てきました。とにかく日本にいる時よりも余裕をもって、移動することが大切ですね。

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監修

井 直大

直大なおひろ

日本M&Aセンター 海外事業部 ASEAN推進課 シニアディールマネージャー/タイ王国駐在員事務所 所長(取材当時)

2018年にシンガポールに赴任し、現地の会計事務所ネットワークを構築。タイの中堅・中小企業と日本企業の海外M&A支援を担当。バンコクで海外拠点開設の準備に従事。

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