就活・キャリア向けの初のM&A業界本が完成
⽬次
- 1. 目次
- 2. 今なぜM&Aが注目されているか
- 3. M&A仲介の仕事とは
- 4. M&Aプレーヤーに求められる人物像
- 5. 著者紹介
M&A業界への入社を考えている就活生・転職希望者向けの初めての業界本が完成しました。1991年創業から累計7,500件超のM&A支援実績を持つ日本M&Aセンターが2022年4月、フォレスト出版から電子書籍『M&A業界で働く!』を発売しました。事業承継や成長戦略などのため日本企業のM&A件数は2021年には過去最多を更新し、M&A業界への注目度も高まっています。新卒から日本M&Aセンターに入社して多くの企業をマッチングしてきた渡部恒郎と中村健太人材戦略部部長が「M&Aプレーヤー」に求められる人物像や必要な業界知識を一冊にまとめました。M&A業界で活躍したい就活生や転職希望者に役立つ必読書です。コラムでは簡単に本書をご紹介します。
目次
はじめに M&Aの仕事をするということ
第1章 今なぜM&Aが注目されているのか
第2章 M&A業界の主要プレーヤー
第3章 M&A仲介の仕事とは
第4章 M&A業界で活躍するために必要なこと
第5章 M&A業界に未経験から挑戦するためには
あとがき
今なぜM&Aが注目されているか
少子高齢化により後継者不在の中小企業が増加し、多くの企業が黒字ながら廃業している社会課題があります。本書では、その課題解消のためM&Aによる事業承継が一般化している背景を説明しています。主に事業承継は親族承継、従業員承継、第三者承継に大きく分かれます。特に近年は第三者承継が増えています。少子化で親族承継が難しくなる一方で、従業員承継にも課題があります。オーナー企業が親族ではない従業員に承継させるためには、自社株の購入や借入金の連帯保証なども背負わなければなりません。そこで別の会社に事業譲渡する第三者承継が増加しています。
また後継者不在による事業承継のほかにも、自社よりも規模が大きい企業の傘下となって外部リソースを活用する成長戦略型のM&Aも、若い世代の経営者を中心に選択肢の一つとして認知されています。こうした背景からM&Aは企業の大小に関わらず経営手法として注目され、M&A件数の増加とともにM&A業界の市場も拡大しています。
M&A仲介の仕事とは
近年のM&A業界では日本M&Aセンターのような仲介会社が急増しています。M&Aのスタイルは主に仲介とFA(ファイナンシャル・アドバイザー)に大きく分かれており、仲介は日本発のビジネスモデルと言われます。上場企業同士のM&AではFAが一般的で両社が代理人を立てて交渉し、互いの利害を調整します。一方、中堅・中小企業のM&Aは基本的に仲介が普及しており、お互いに納得いく形で条件をすり合わせるM&Aをサポートします。中小企業同士のM&Aは株価交渉以外にも、従業員の雇用確保や社名の存続、取引先との関係維持など調整事項も多く仲介するコンサルタントの役割も大きくなります。
M&A仲介のフローは一般的に譲渡を考えるオーナーの相談から始まります。経営者への聞き取りを行い、決算書などを入手してビジネスモデルや企業のヒト、モノ、カネの流れを把握し、マッチングの提案資料となる企業概要書を作成します。その後、マッチングを実施して譲渡企業と譲受け企業の経営者との交渉をサポートします。
M&Aプレーヤーに求められる人物像
何よりも経営者を尊敬し、経営者の思いに寄り添える人間性が必要とされます。譲渡企業であれば自身が立ち上げた会社を譲る決断は、経営者にとって一世一代の出来事になります。その決断をサポートできる信頼関係を築ける点も求められる要素です。日本M&Aセンターでの新卒の採用面接では、一つの目標に向かってチャレンジした経験とメンタリティーを高く評価しています。企業の存続と発展に貢献したいと思う熱意もポイントになります。
基本的には新卒もキャリア採用も未経験の業界になります。市場の急成長で、ここ10年でプレーヤーの数も10倍ぐらいに増加しています。社内にデータベースによる情報共有やチームで対応できる仕組み、研修制度が整っていれば、未経験者でも十分に活躍できる仕事です。そのため資格や経験よりも人間力的な資質の方が採用において重要視される傾向があります。
キャリア採用に関しては出身業界の縛りはありません。ただ金融機関からの応募者が多いため採用者も一定数を占めます。その他にはメーカー、人材関連、商社出身者など多様な人材が集まってきます。M&Aの仕事は百戦錬磨の経営者を相手とするため、真摯に対応して経営者の心を動かす姿勢も重要です。自ら顧客を開拓できる営業マインドもさらに必要です。営業にアレルギーがある人にはあまり向かない仕事かもしれません。自らセミナーを企画したり、電話営業したりと主体的に経営者のM&Aニーズを収集できることも適性といえます。
『M&A業界で働く!」は、就活生や転職希望者が近年急成長するM&A業界を知る“羅針盤”となる一冊です。購入者は特典で著者が業界を説明する動画コンテンツもご視聴いただけます。一人でも多くの方に業界を知ってもらい、チャレンジしていただけることを願っています。Amazon Kindle(アマゾンキンドル)で購入可能。税込み980円。
著者紹介
渡部 恒郎(わたなべ・つねお)
日本M&Aセンター取締役、バトンズ取締役
京都大学経済学部卒業。学生時代に起業を経験の上、2008年新卒2期生として日本M&Aセンターに入社。100件以上のM&Aをコンサルタントとして成約に導き、中堅・中小企業 M&Aの No.1コンサルタントとして M&A業界を牽引。業界再編 M&Aの第一人者。
中村 健太(なかむら・けんた)
日本M&Aセンター人材戦略部兼営業開発部部長
大阪大学理学部物理学科卒業。2005年新卒1期生として日本M&Aセンターに入社。情報開発、金融法人部、大手金融法人部を経て現在人材戦略部部長。コンサルタントとして15年間で80件以上のM&Aを手掛けた。 20年 4月より、「人材ファースト」をテーマに人材戦略部を立ち上げ、社員の成長と会社の発展に注力している。