長崎文化放送と連携して地元企業と次の一手を考えるセミナーを開催
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長崎文化放送は2022年6月16日、長崎市の長崎新聞アストピアホールでセミナー「長崎県の経営者のための経営の打ち手カンファレンス」を開催しました。カンファレンスでは、地元企業の経営者にとって関心が高まる「事業承継」、「DX」、「生産性向上」などの経営課題について、各分野のリーディングカンパニーの担当者から最新事例とソリューションを企業経営者の皆様に解説しました。会場参加者とオンライン参加者約100人が集まり、次なる「経営の打ち手」を考えました。登壇した日本M&Aセンター、セールフォース・ジャパン、アマゾンジャパン協賛3社の講演内容をご紹介します。
後継者不在の「2025年問題」 事業承継の早めの検討が重要
日本M&Aセンターは、西日本ダイレクトマーケティング部の岡本 昌大部長が「事業承継を成功させるために知っておくべきM&A」とテーマに、地元企業のM&Aによる事業承継や期待できる成長戦略について講演しました。
2021年の後継者不在率は全国平均で61.5%(帝国データバンク全国企業動向調査)と、およそ3社に2社の企業が後継者未定という事業承継問題に触れ、2025年までに後継者不在の127万社のうち推計60万社が黒字ながら廃業の危機にある「2025年問題」を紹介しました。60万社の黒字廃業を回避する手段の一つとして、「M&A(第三者承継)」のメリットとデメリットを解説しました。岡本昌大部長は近年、経営者にとって前向きなイメージとなりつつある「M&A(第三者承継)」について、「後継者不在問題の解決と共に、第三者との提携によって、事業の多角化や人材採用の強化が実現できる。全国の企業が抱える課題解決の一助となる」と説明しました。
「M&Aを失敗しないためには相手選びが非常に重要で、早めに事業承継の検討を始めることでしっかり時間をかけて相手を探すことできる。長年大切に育ててきた会社をベストな相手(企業)とマッチングすることが大事である」と語ります。従業員や取引先など地域経済を維持するために、経営者は事業承継の可能性について検討し、会社の存続と発展を果たすために熟考が重要であると強調しました。
47歳でM&Aによる事業承継を決断 住宅メーカー「子育ての家」の小川社長
特別講師として実際にM&Aで事業譲渡した長崎市の住宅メーカー「株式会社子育ての家(旧:小川の家)」の小川勇人社長が登壇し、決断した背景や苦労した内容など実体験として経験したM&Aについて含めて語りました。小川社長は、堅調に経営を進める中で経営者として働き盛りの40代後半で、M&Aを決断しました。決断の背景には、M&Aによって自社株式の活用することで、経営と所有を分けることで家族を巻き込むことなく、自身が経営者を引退しても従業員が安心して働き続ける環境を整備できる点がありました。他社のリソースを活用することで事業体制の充実にもつながりました。
聴講した経営者に向けて「M&Aは非常に気力と体力を使うため、経営者自身が元気なうちに事業承継を一度考えてみることも必要です。もし10年、15年後に事業譲渡を決断していたら大変だったと思う。M&Aはご縁なので、もし相手が見つからなくても、検討を早めに始めることで事業継続、しいては発展のための次の一手を打つことができます」と伝えました。
中小企業こそDXの推進による成長が可能 世界No.1の CRM「Salesforce」
セールフォース・ジャパンは、西日本DX推進営業本部本部長の鬼丸康祐執行役員が「地域事業者がいまから始める営業DX~売上拡大・人材育成につながる、営業活動の新しいカタチ~」と題して、中小企業のDX推進のポイントを講演しました。
このままDXが進まず、従来の会社システムが続けば12兆円の経済損失となる「2025年の崖」に触れ、鬼丸康祐執行役員は中小企業におけるDXの重要性を訴え、「会社の未来を創るためにはDXが必要で、経営者は推進していく責務がある」と指摘しました。加えて「中小企業においてはデジタル化がまだまだ進んでおらず、DXを推進することで、さらに輝く中小企業がたくさんあります」と語りました。DX推進の課題として「ITを使いこなせる人材が不足しています」と話し、その課題解決のためには、ITスキルを持つ若い世代を迎え入れ、時代に即した最新のITツールを社内に導入することが不可欠と強調します。
コロナ禍によって、デジタル化が加速する中、セールフォース・ジャパンではIT人材が不足する会社でも担当者がサポートしながら、一歩ずつDXの施策を進めて、ITを活用した仕組みづくりに貢献しています。最後に「DXを難しいと捉えがちな中小企業こそ、Salesforceのサービスを活用した顧客志向の事業活動に生まれ変われる成長のポテンシャルがあります」とまとめました。
BtoBビジネスとEC販売の効率化で実現する生産性向上「Amazonビジネス」
カンファレンスの最後には、アメリカの巨大IT5社「GAFAM」に数えられるAmazonの日本法人であるアマゾンジャパンのAmazonビジネス事業本部の福本大河マネージャーが「生産性向上を実現するビジネスマーケットプレイス Amazonビジネスのご紹介」をテーマに講演しました。アマゾンが提供する法人向け企業購買ソリューション「Amazonビジネス」を活用した購買活動、販売活動両面での効率化をご紹介しました。
企業の購買活動について、福本大河マネージャーは「ビジネス現場の購買活動において、事務処理の煩雑さや高コストなど、様々な無駄が生じています。特に企業の売り上げに直接的に関係ない「間接材」を管理できていないケースが多く散見されます」と、企業における購買活動の問題点を指摘します。「購買活動において、購買コストや処理・管理の業務コストなどコンプライアンスリスクが課題にもなっています。Amazonビジネスは、この課題に対応することで企業の購買活動の業務負荷の低減とコスト削減が実現できます」と語りました。
注目度が高まるEC販売について、デジタル技術の進展で顧客の購買行動が変化していると紹介し、EC販売におけるノウハウ・コスト・リソース不足等の陥りやすい課題点にも触れました。「Amazonビジネスを導入することで、EC販売の一気通貫が可能となり、課題解決にもつながります。利用くださる企業も拡大しており、海外を含めた販路拡大も期待できます」とメリットを強調しました。「新サービスによって、企業の購買と販売に関わる無駄を取り除き、お客様がよりビジネスに集中できる環境となり、企業の生産性向上も実現できます」とPRしました。