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レッドオーシャンとは?ブルーオーシャンとの違い、勝ち抜くための戦略を解説

経営・ビジネス
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レッドオーシャンとは

レッドオーシャンとは、競争が激しい市場や業界を指す言葉です。この概念は、企業が既存の市場で競争し、顧客を奪い合う状況を表しています。多くのライバル企業が激しい戦いを市場(海)の中で繰り広げていることから、レッドオーシャン(赤い海)と呼ばれています。

レッドオーシャンでは、同じような製品やサービスを提供する企業が多いため、価格競争が激化し、利益率が低下することが一般的です。

このような市場では、企業は差別化を図るために広告やプロモーションに多くのコストをかけたり、価格を下げたりする必要があり、競争が厳しいために新規参入が難しくなることもあります。レッドオーシャンにおいて成功するためには、独自の価値を提供することや、効率的な運営が求められます。


この記事のポイント

  • レッドオーシャンとは、競争が激しい市場や業界を指す
  • ブルーオーシャンは競合がほとんどいない市場で、新たな価値を提供することで競争を超える戦略。競合が増えることでレッドオーシャン化する可能性もある。
  • 成長戦略として、ライバル調査、差別化戦略、ブランド戦略、価格競争力強化が重要であり、特に差別化やブランド力の向上が競争優位性を確立する鍵となる。


⽬次

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ブルーオーシャンとの違い

レッドオーシャンとは反対に、ブルーオーシャンとは、競争が少ない新しい市場や業界を指す概念です。この言葉は、企業がまだ開拓されていないニーズや顧客層をターゲットにすることで、競争を避けながら新たな価値を創造することを意味します。ライバル企業が存在せず、晴天の海のように見えることからブルーオーシャン(青い海)と呼ばれています。

ブルーオーシャンでは、他社との直接的な競争が少ないため、価格競争に巻き込まれることが少なく、より高い利益率を維持しやすい傾向があります。

このアプローチでは、革新的な製品やサービスを提供したり、顧客の未充足のニーズに応えることで市場を切り開くことが重要です。ブルーオーシャン戦略を採用することで、企業は独自のポジションを築き、持続可能な成長を実現することができます。

レッドオーシャンは競争が激しい既存市場を指し、企業が価格や顧客を奪い合う状況であるのに対し、ブルーオーシャンは競争が少ない新しい市場を指し、企業が独自の価値を創造して未開拓のニーズに応える状況を表します。

レッドオーシャンの業界・市場の例

競争が激しい業界・市場の一例をご紹介します。

飲食業界

特にファストフードやカジュアルダイニングの市場では、多くの競合店舗が存在し、価格やメニューの差別化が求められます。

小売業界

スーパーマーケットやコンビニエンスストアなど、日常的な商品を扱う店舗は、競争が激しく、価格競争が常態化しています。

航空業界

格安航空会社と伝統的な航空会社が競争し、運賃やサービス内容で顧客を奪い合っています。近年は合併など統合が進んでいます。

自動車業界

同じカテゴリの車両を提供する多くのメーカーが存在し、価格や性能、デザインで競争が繰り広げられています。

これらの市場では、企業が競争に打ち勝つために、価格やサービスの差別化が重要な課題となります。

ブルーオーシャンの業界・市場の例

現在はレッドオーシャン化しているものの、かつてはブルーオーシャンで市場を開拓し成功に結び付いた一例を紹介します。

サブスクリプション型サービス市場

音楽や動画のストリーミングサービス(例:Spotify、Netflix)は、従来の購入モデルから移行し、定額料金で多様なコンテンツを楽しむ新しい市場を開拓しました。

健康食品市場: 特定の栄養素や機能性を持つ食品(例:プロバイオティクス、スーパーフードなど)は、健康志向の高まりに応じて新たな需要を生み出しています。

バーチャルリアリティ(VR)市場

エンターテインメントや教育、医療など多様な分野で活用されるVR技術は、従来の体験とは異なる新しい市場を形成しています。

オンライン教育プラットフォーム市場

CourseraやUdemyなど、従来の教育機関とは異なる形で学びの場を提供するプラットフォームが新たな市場を開拓しています。

これらの例では、企業が競争が少ないニッチな市場をターゲットにし、独自の価値を提供することで成功を収めています。

レッドオーシャン市場に参入するメリット・デメリット

レッドオーシャン市場

レッドオーシャン市場に参入するメリットとしては、市場が成熟しているため顧客のニーズや動向が明確で、ビジネスモデルの確立が容易である点が挙げられます。また、競争が激しい中でブランド認知度を高めやすく、既存の顧客基盤が形成されているため、新規参入者にとって参考になります。

しかし、デメリットも存在します。レッドオーシャン市場で生き残るためには、他社との差別化をするために、大規模な広告戦略を実行したり、外部の専門家からコンサルティングを受ける必要があります。このように生き残り戦略を実行するためには、多額のコストが発生するケースがあります。また価格競争となり、利益率が圧迫される傾向があります。

これらのメリットとデメリットを理解し、戦略を練ることが重要です。

ブルーオーシャン市場に参入するメリット・デメリット

一方、ブルーオーシャン市場に参入するメリット・デメリットは以下の通りです。

メリットとして、競合が少ないため価格競争に巻き込まれにくく、高い利益率を維持しやすい点が挙げられます。また、未充足のニーズに応えることで顧客の関心を引きつけやすく、ブランドの独自性を強化できます。さらに、新しい市場の開拓は成長の機会を提供し、長期的なビジネスの持続性を期待できます。

一方で、デメリットには不確実性が伴い、顧客の反応や需要が不明確なためリスクが高いことがあります。初期投資が必要で、市場教育も求められるため、時間と労力がかかります。また、成功後には他社の参入による競争激化のリスクも存在します。これらを考慮し、戦略的なアプローチが重要です。

レッドオーシャン市場で勝ち抜くための成長戦略

競合企業が多数存在しているレッドオーシャン市場において勝ち抜く成長戦略について、わかりやすく解説します。

ライバル企業の調査

レッドオーシャン市場で成功しているライバル企業の分析を定点的に行うことは、基本でありながら、重要な成長戦略のひとつです。
激しい競争市場において、どのような戦略を実行してライバル企業が成功しているのかを調査・分析することは、自社の成長戦略の策定に役立つでしょう。

また失敗しているライバル企業の原因を調査・分析することで、自社の優位性の打ち出しにもつながります。

差別化戦略

レッドオーシャン市場における成長戦略で重要な要素は、競合他社との差別戦略です。
他の企業との差別化は顧客の興味を引き付ける重要な戦略です。

差別化戦略は、自社の製品・サービスの優位性を顧客にアピールすることでもあります。自社の製品やサービスを利用することで、他社の製品・サービスでは得られないメリットがあることをしっかりと顧客に伝える必要があります。

また、既存の市場を分析・細分化することで新たな顧客のニーズや自社の優位性が活きる市場を開拓し、土俵を変えて戦うことも差別化につながります。

ブランド戦略

レッドオーシャン市場の成長戦略としては、ブランド戦略も非常に有効です。
ブランド力は、中長期で形成される無形資産のひとつです。ブランド力を高めれば、他社との違いや存在価値を顧客に示すことが可能になり、顧客離れも起きにくくなると考えられます。

ただし、ブランドの形成、そして認知や浸透には時間を要することが難点です。そのためM&Aを通じて、既に高いブランド力を持つ企業や事業を自社に取り込む方法も考えられます。また、ブランド力向上のマーケティングに長けたコンサルタントなど外部の専門家に、自社ブランド力強化のコンサルティングを依頼することも、選択肢として考えられます。

価格競争力の強化

自社の製品・サービスの価格競争力の強化も、成長戦略における大切なポイントのひとつです。
価格競争力の強化とは、単に提供している価格を引き下げれば良い、というものではありません。もちろん価格を下げれば競争力は向上するかもしれませんが、激烈な値引き競争を引き起こしてしまうおそれがあります。

重要な点は、同じ価格であっても、製品やサービスのクオリティを向上させることだと考えられます。質が向上して顧客の満足度がアップすれば、その製品やサービスを長期間にわたって利用することが期待できます。

レッドオーシャン市場で成功するために

レッドオーシャンとは多くのライバル企業が参加している市場であり、ブルーオーシャンとは競争がほとんどない市場を言います。レッドオーシャン市場にもブルーオーシャン市場にも、それぞれメリット・デメリットがあります。

レッドオーシャン市場でも、差別化戦略やM&Aの活用によるブランド戦略などの成長戦略を実行して生き残っていくことが可能です。レッドオーシャンの波を乗り越えるためには、自社が属している市場を調査・分析して適切な戦略を選択することが非常に重要です。



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M&A マガジン編集部

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