2022年東京プロマーケット上場数が過去最多 上場メリットの実例を紹介
⽬次
- 1. 上場を支援するJ-Adviserは2社増えて15社に
- 2. 上場企業には売上高160億円以上の企業も
- 3. 上場効果は売上や採用面にもプラス影響
- 3-1. 著者
TOKYO PRO Marketが活性化しています。2022年に東証のTOKYO PRO Market(東京プロマーケット)に上場した企業数は21社(前年比9社増)に上り、単年の新規上場企業数が過去最多を更新しました。2018年から右肩上がりで増加しており、2022年12月28日現在の上場企業数は計64社となりました。増加の要因として、市場の認知度の高まりや上場支援体制の充実などが挙げられます。増加の背景や東京プロマーケットの魅力を紹介します。
上場を支援するJ-Adviserは2社増えて15社に
東京プロマーケットは、限られたプロ投資家しか投資できない制度設計のため、一般市場に比べて柔軟な上場基準が設けられています。株式取得のオーナーシップを維持したまま上場が可能で、上場企業として社会的信用も獲得できます。全国の中小企業やスタートアップ企業の成長戦略として注目を集めています。
東京プロマーケットで特徴的な制度は、J-Adviserによる上場支援体制が上げられます。
J-Adviserは「企業に対する経営支援の経験が豊富で、IPO(株式上場)に関わる深い知見を有している」企業が、東証や証券会社に代わって上場審査や上場準備をサポートし、上場後のモニタリングも担当する資格です。2022年は新たにJ-Adviserの企業が2社増え、計15社となり支援体制が拡充されています。これまで証券会社がJ-Adviserを取得する傾向がありましたが、2022年は経営コンサルティング企業とM&A仲介業者が新規参入を果たしました。東京プロマーケットの上場支援を担う企業数の増加も市場活性化の要因となっています。
上場企業には売上高160億円以上の企業も
東京プロマーケット上場において、形式基準(数値基準)がない点も一般市場上場との大きな違いの一つです。東京プロマーケットに上場した企業は、従業員が10人未満から1000人以上と規模に差があり、売上高も1億円未満から500億円以上と幅があります。売上高100億円以上の企業は東京プロマーケット上場企業64社のうち7社で、そのうち5社は2022年に上場。企業の大型化が目立ちました。
上場効果は売上や採用面にもプラス影響
東京プロマーケットへの上場は多くの上場メリットが期待できます。金融機関や取引先からの信用度は増加し、融資や採用面でも上場効果を享受できることが大きな魅力です。日本M&AセンターTOKYO PRO Market事業部長の雨森良治上席執行役員は、自社で上場支援を担当した総合人材サービス企業(2020年に上場)を事例に挙げて、下記の5項目から効果を語ります。
【人材獲得】新卒採用では、内定承諾者が上場前は9名だったが上場後30名に増加
【取引先】新規では受託が難しい行政からの依頼を獲得
【M&A】ゼロだった問い合わせが年間10件以上に増加し、業務提携も可能に
【事業成長】業績は前期比188%増、過去最高益を更新
【経営者】公私の境目が厳格化し、個人保証も解除
「東京プロマーケットは企業成長の可能性が広がっている」と雨森上席執行役員は語ります。一般市場へ鞍替えした企業やM&Aで譲渡してEXITした企業を説明し、東京プロマーケットを活用した成長戦略を語りました。日本M&Aセンターは2022年に7社の新規上場を輩出し、これまでにJ-Adviserとして13社の上場を申請しました。現在、100社以上とアドバイザー契約を結んでおり全国から上場企業の輩出を目指しています。
日本M&Aセンターは東京プロマーケットへの上場を検討している企業を対象とした上場可能性をスコアリングするレビューサービス「GO↗PUBLIC」を展開しています。会社の状況を精査し、上場までに改善が必要な項目や想定スケジュールをフィードバックするサービスは好評です。上場のご相談もお待ちしております。