100年続く一流企業を目指す経営者必見!「令和最強の福利厚生制度」とは
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老後のお金への不安から、近年急速に人気が高まっているのが「確定拠出年金」です。
iDeCo(個人型確定拠出年金)が有名ですが、実は企業型があり、それまで大企業にしか普及していませんでした。
ところが、企業間で人材不足が加速している中、優秀な人材の維持・確保のために、福利厚生の一環としてこの制度を戦略的に導入する中小企業が増えてきています。そこで今回は、企業型確定拠出年金制度の魅力を、導入事例も交えながら解説します。
社長が知らないと絶対損をする「最強の資産形成制度」
「老後2,000万円不足問題」が話題になってから、年金を含めて老後のお金に対する不安感は高まっています。そんな時代に、老後のお金を自分で準備しておかなければいけない、という思いは以前にも増して強まっています。
そこで近年、急速に人気が高まっているのが「確定拠出年金」です。
一般的によく知られているのは「iDeCo(イデコ)」です。これは個人型確定拠出年金と呼ばれるものですが、その加入者は近年急増しています。このことからも、人々の老後のお金に関する関心の高まりが見て取れます。
さて、この確定拠出年金、実は“個人型”のほかに“企業型”があるのをご存じですか?それが今回ご紹介したい「企業型確定拠出年金」です。
企業型確定拠出年金の最大の特徴は、一度拠出を始めると60歳まで出せない、ということ。一見、使い勝手が悪そうな制度に思えるかもしれません。それにもかかわらず、なぜ私がこんなに一生懸命、お勧めしているかというと、そのデメリットを打ち消して余りあるメリットが付与されている制度だからです。
ちなみに、60歳まで出せない、というのはつまり、60歳以降のお金を貯めていくための制度です。すなわち、老後の資産形成のための制度。私はよく「一度入れたら60歳まで取り出せない、割れない貯金箱ですよ」とお伝えしています。
そして、誤解を恐れずに言えば、老後の資産形成のための制度や金融商品の中で、これ以上にお得なものはありません。企業型確定拠出年金のおおもとのアメリカでは、企業型確定拠出年金を多くの国民が活用し、資産形成をしているのです。アメリカの企業型確定拠出年金は「401k」と呼ばれていますが、アメリカ版ヤフーファイナンスの記事によると、このコロナ禍にもかかわらず、「401kミリオネア(資産を1億円以上保有している人)」といわれる人たちが増加しているといいます。
企業型確定拠出年金は、いったいどのぐらいメリットがある?
給料明細を見ると、給料の額面から所得税、住民税、社会保険料などが引かれています。
企業型確定拠出年金は、この給料の額面から天引きされる税金や社会保険料を抑える効果があります。さらに、その掛金を運用していくことができるのですが、運用して増えた利益に関しては非課税です。今流行りのNISAのような機能も兼ね備えているのです。
税金や社会保険料は、年々増加傾向にあります。特にコロナによって、今後増加していく可能性が高いでしょう。
そんな時代において、税金や社会保険料の観点でメリットがあって、老後に向けて資産形成を行える、とてもありがたい制度なのです。
では、実際、どれくらいメリットが出るのか?私は「最低でも、掛金の15%はメリットが出る」とお話ししています。
企業型確定拠出年金の掛金は上限を5万5000円とし、各個人で自由に決めることができるのですが、その拠出した金額の15%分の税金メリットがあります。
たとえば、1万円拠出した場合は、1500円キャッシュバックされるイメージです。
「最低でも15%メリットがある」というのは、所得税の最低が5%、住民税は全国ほぼ一律10%だからです。高所得の方は、その分、所得税もどんどん上がっていくので、さらにメリットは拡大していきます。それに加えて、社会保険の等級が下がれば、社会保険料の支払いを抑える効果も上がります。
以上をまとめると、最低でも掛金の15%メリットがあることに加えて、次のメリットがプラスアルファされていくイメージです。
○社会保険料の支払いが減る可能性がある
○掛金を運用した場合、その運用益は非課税
老後の資産形成において最強の制度である企業型確定拠出年金を有効活用して、効率的に老後に備えていきましょう。
導入できるのは大企業だけではない、中小企業は?
それでは実際の導入事例をご紹介します。
今回ご紹介するのは、従業員数15名で、地域に根差して着実な仕事をしていくことをモットーに、少しずつ成長してきた建設会社です。
こちらの会社は創業者から息子さんに代替わりされて、現在の良い部分を残しながらも会社存続のために新たなことにチャレンジされている中で、弊社とのご縁をいただきました。
社長とお会いしてお話を伺ってみると「うちのような地域の中小企業が良い人材を確保するためには、他社との差別化を図っていかなければいけない。当社は社員の福利厚生の充実につながることであれば、積極的に取り入れていきたい」とのこと。
中小企業退職金共済制度との折り合いは?
企業型確定拠出年金のことは知っていたものの「中小企業では導入ができないもの」だと思い込んでいた社長に対し、少人数からでもできることをご説明すると、もともと福利厚生意識の高い社長でしたので、大変意欲的なご返事をいただきました。
ただ、もともと中小企業退職金共済制度(中退共)を活用していたため、そことの折り合いをどうしていくかがポイントでした。
企業型確定拠出年金を始めるにしても、中退共を急にやめてしまうと従業員が反発する可能性もあるため、慎重に進める必要がありました。
また、企業型確定拠出年金は、運用を従業員自身が行わなければなりません。お話をうかがう中で、従業員の皆さんに全ての運用を委ねるのは、大きな負担になると感じました。
これらの事情から、私は、中退共はそのまま活用しながら、企業型確定拠出年金への加入を従業員が選択できる形での導入を提案しました。すると社長は、こうおっしゃいました。
「現実的に考えて、一気に中退共から企業型確定拠出年金に切り替えるのはハードルが高い。ただ、岩崎さんの提案だと、企業型確定拠出年金をやらないという選択をした人は、結局資産運用に触れることがなくなってしまう。
そのため、会社から全員に一部上乗せで出してあげて、その部分の運用に関しては社員にきちんと考えてもらうようにしたい。そのことで、全員にきちんと資産運用に向き合って、慣れていってもらいたいのです。そして、ゆくゆくは全てを企業型確定拠出年金に切り替えていきたい。そんなことはできますか?」
私は、「もちろんできますよ!」と即答。結果的に、全従業員に3000円を一律で会社から拠出して、5万2000円を従業員の給料の中からやるかやらないかを選択できるような仕組みで導入することになりました。
導入後、さっそく採用ページやハローワークの福利厚生欄に、企業型確定拠出年金と記入することができ、「これでまた福利厚生が充実して、他社とより差別化ができた。いい人材が集まってくるといいな!」と社長は満足そうでした。
優秀な人材の維持・確保のために
企業型確定拠出年金を導入したことにより、採用数が増えたり、採用しやすくなったり、と、目に見えた効果を発揮するかどうか確実に約束できるものではありません。ただ、この社長のように、“従業員の福利厚生をもっとよくしていきたい!”“他社よりも一歩先んじたい!”という意欲的な姿勢は、非常に大切です。
経営者にこのような意欲があれば、良い人材も集まってくると思いますし、事業も良い方向に向かっていく、そんなことを思ってしまう事例でした。
これからは少子高齢化に伴って、人材不足がますます加速していくことが想定されます。また、コロナ後のV字回復期においても、人材の奪い合いは激しさを増していくことでしょう。そんな時代においては、従業員にいかに報いるか、福利厚生をいかに充実させることができるかが、経営者にとって大きな経営課題の一つになってきます。
そこで、優秀な人材の維持・確保のためには、福利厚生の一環としてこの制度をいち早く取り入れるべきでしょう。今まで以上に従業員を大切にし、よりイキイキと働ける環境を整えるためにも、企業型確定拠出年金は有効です。