2024年10月の物流トラック運送業界M&Aを読み解く

志賀 俊太

日本M&Aセンター業種特化1部/物流業界専門チーム

業界別M&A
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物流業界の2024年10月の公表M&A件数は11件

10月における公表ベースでのM&A(合併・買収)は11件でした。
前年同月の8件と比較して3件の増加となります。

物流・トラック運送業界のM&A「大再編時代」へ突入

年間の累計で見ても、2023年1~10月の物流業界におけるM&A件数が71件であったのに対して24年1~10月は101件と4割以上の増加となっています。

大手・中小を問わずに、物流事業の切り離し・内製化、新たな事業ポートフォリオの獲得、ファンドによる投資などあらゆる背景からM&Aが実行されており、まさに物流業界における「大再編時代」突入がうかがえます。

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ヤマトHDが資本参加:RH(レッドホースコーポレーション)

中間期の決算で、主力のエクスプレス事業、コントラクトロジスティクス事業ともに苦戦を強いられ、150億円の営業赤字を計上したヤマトホールディングスは、地域産業支援・活性化事業やコンシューマー事業を行うレッドホースコーポレーションの持ち株会社であるRHに資本参加することを発表しました。

レッドホースコーポレーションは自治体向けにふるさと納税の企画・運営代行事業を展開。

ヤマトHD傘下のヤマト運輸と連携することでラストワンマイル配送まで一貫したサービスが提供できることから、自治体への提案力強化をシナジーとして想定しています。

ヤマト運輸としても顧客基盤を活かした返礼品の開発や営業リソースの開発により、運営代行を受託する自治体数、返礼品の取扱件数、配送件数の増加によるトップライン拡大を見込んでいます。

ヤマトHDは27年3月期までの中期経営計画の中で、M&Aにより4千億円の営業収益の積み上げを目標に掲げています。
足元の業績不振を挽回するためにも、今後もコントラクトロジスティクス事業とグローバル事業におけるM&A案件の発表が予想されます。

中堅・中小の物流企業でも、大手を中心とした業界再編の影響はおおきく、今まで通りに事業を運営し、業績を維持できる保証はない。能動的に情報を集め、業界の動向をウォッチしながら自社のポジショ二ングを検討していくことが重要です。

日本M&Aセンターでは、事業売却をはじめ、様々な手法のM&A・経営戦略を経験・実績豊富なチームがご支援します。詳しくはコンサルタントまでお問合せください。

著者

志賀 俊太

志賀しが 俊太しゅんた

日本M&Aセンター業種特化1部/物流業界専門チーム

1988年生まれ、東京都出身。明治大学政治経済学部卒業後、新卒で大手損害保険会社へ入社。大型トラックディーラーを担当し運送会社、バス会社向けの損害保険営業に従事した後、日本M&Aセンターに入社。現在は物流業界専門のM&Aコンサルタントとして年間300社を超える物流企業のM&A支援を行う。運行管理者資格保有(関東貨物第45840号)。

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