「いまのままでは渡せない」~父のプライドと優しさ~
先月、新幹線とローカル線を乗り継いで、ある社長にお会いしてきました。最寄駅でタクシーに乗り、会社名を伝えると、運転手さんは「あぁ、もちろん知ってますよ」と言い、住所も聞かずに車を走らせてくれました。小売業を営むその会社は、その地域では知らない人がほとんどいない創業約100年の老舗企業です。「うちのビジネスはこれから苦しくなる。いまのうちに、次の展開を考えなければならない。どういう方法が考えられるか
先月、新幹線とローカル線を乗り継いで、ある社長にお会いしてきました。最寄駅でタクシーに乗り、会社名を伝えると、運転手さんは「あぁ、もちろん知ってますよ」と言い、住所も聞かずに車を走らせてくれました。小売業を営むその会社は、その地域では知らない人がほとんどいない創業約100年の老舗企業です。「うちのビジネスはこれから苦しくなる。いまのうちに、次の展開を考えなければならない。どういう方法が考えられるか
今年は事業承継といえば相続税法改定の話題で花盛り。実務でいえば相続税云々より息子であれ、別の方であれ引き継いだ人がどうやって経営するのか、ということの方がはるかに大事です。特に最近は小さな事業を小さな会社や個人で引き継いで継承するケースも増えてきましたから、なるだけ手元の現金を厚くして引き継いだ事業を軌道に乗せたいと思うのは当たり前でしょう。事業承継補助金とはそこで注目なのが「助成金」です。助成金
まずは前回のコラムのおさらいです。納得する事業承継のためには、「どうやって(How)」事業承継をするか?を出発点とするのではなく、「何のために(Why)、何を(What)考えていくことなのか?」を起点にすることが必要であることをまず確認しました。そして、事業承継を狭く考えるか広く考えるかで目的(Why)も変化し、どの選択肢<親族承継/社員承継/外部への第三者承継(M&A)/IPO>が自分にとって有
「事業承継については頭の片隅にずっとあったんだけど、社長業をしていると本気で考える時間がなくて・・・」私たちが開催しているセミナーに参加された、とあるオーナーの言葉です。“自分が永遠に社長をすることはできない”とわかっているからこそ、頭の片隅では考えている事業承継。しかし、それでは事業承継の本質を理解できずに時間だけが過ぎていってしまいます。“事業承継”はわかっているようでわからない、とっても厄介
「“当社はM&Aで売却できる可能性がある”とわかったので、心置きなく経営も事業承継も検討できるようになりました」これは私が開催している座談会でいただいたお客様からの言葉です。このオーナー経営者は、座談会に参加する前までは、経営においても事業承継においても、いつもアクセルとブレーキを同時に踏んでいるような状況にあったそうです。どちらにも振り切ることができず悶々としている状況では、事業承継の判断も遅く
大きな買い物(住宅や車など)をした後、所有できた喜びと同時にどういうわけか不安を抱いてしまうことがあります。「本当に自分があの時にした選択は正しかったのか?」と、その不安を解消するために住宅や車のチラシや雑誌などを購入前よりも熱心に読んで再検討してしまうことがあります。誰もが一度は体験したことがある心理ですよね。こういった心理が生まれる原因としては、十分に検討したと思える“情報と選択肢”が不足して
事業承継の方法は、3つしかありません。経営者の子供や親族に事業を承継する「親族内承継」、経営者と親族関係にない役員や従業員に事業を承継する「親族外承継」、そして、社外の第三者に事業を譲渡する「M&A」です。以前は親族内承継が圧倒的多数だったのはみなさんの想像通りだと思います。中には、「父が創業者だったので自分が会社を継いだ」という2代目の方もいらっしゃるかもしれません。20年以上前には親族内承継が
この1ヶ月で、メーカーの社長さん数人とお会いする機会がありました。工場を案内していただいたり、職人さんの話を聞いたりすると、“日本のものづくり”の奥深さを改めて体感します。「うちの技術は、どこにも負けません」「日本じゃなきゃ、作れない」みなさん、自社の製品に誇りを持っていらっしゃいます。一方で、みなさんが口を揃えておっしゃることがありました。「人が採用できない」「市場規模が小さくなってきている」「
ある一組の親子にお会いしました。見るからに頑固親父らしい創業オーナーと真面目そうな息子です。最近、親子でご相談に見えられるケースが増えてきました。現在、お父様は会長に退き、息子さんが社長をされているそうです。意外だったのは、社長をされているのは、長男ではなく次男だということです。お話を聞いていくと、長男も役員として勤務されているとのこと。私が意外そうな顔をしていると、「長男に社長をやらせてみたけど
「後継者の問題を考え始めたら、会社の成長が止まってしまった」「事業承継のことを考えるとちょっとネガティブな気持ちになってしまう」とあるオーナーとの面談で聞いた言葉です。事業承継問題に悩みはじめたら、人材を採用しようにも無責任に採用を推進することはできないし、設備投資をしようにも将来が見えないので大きな資金投下に踏み切れなくなってしまったそうです。将来への不安が先に立つと、積極的な手を打つことができ
2018年が始まりましたね!今年一発目のコラムなので、2017年の振り返りをしながら2018年M&A業界を予想してみたいと思います。“2017年問題”なる言葉が巷を賑わせた昨年は、M&A業界にとってひとつの節目であるとともに、次の時代への入り口ともいうべき年であったと思います。あなたが2018年歩むべき道は決まりましたか?平成30年税制改革大綱が意味すること2017年問題とは、団塊の世代が一般男性
ここにあるアンケート結果があります。オーナー経営者へ実施した「事業承継の際に想定される問題」アンケート(財産白書2012年版/[著]青山財産ネットワークス、P&EDirections)の結果トップ5は下記の通りでした。第1位事業の将来性が不安第2位後継者が会社を経営するのに十分な力量がない第3位相続税などの税金の負担が重い第4位個人保証の承継負担が重い第5位先代経営者の影響力が強すぎるこの結果を見
父の観阿弥とともに能(能楽)を世に広めた世阿弥は、多くの言葉を残しています。一番有名なのは、「初心忘るべからず」でしょうか。その世阿弥の有名な言葉のひとつに「家、家にあらず。継ぐをもて家とす」があります。世阿弥は、「たとえ自分の子供であっても、その子に才能がなければ、芸の秘伝を教えてはならない」と言ったうえで、この言葉を続けています。この「家、家にあらず。継ぐをもて家とす」とは、「家というものは、
これは、私が出会ったとある親子の話です。当社が開催したセミナーに50歳代と30歳代の男性が連れ立ってご参加されました。会場の真ん中に座っていた二人は、私の講演をとても熱心に聞いていただいていました。「社長を引き継ぐ息子の勉強のためにセミナーに来たのかな」とはじめは思っていました。セミナー後にその親子にお話をお伺いしたところ、思いもしなかった相談を受けました。父(社長):「M&Aで自社の売却を考えて
このほど経済産業省が発表したデータに衝撃を受けた方も多いでしょう。日本の中小企業は約420万社。このうち2025年までに約245万人の経営者が、リタイアの時期を迎えるのだそうですが、127万社が経営者の後継がおらず、しかも60歳以上の事業主の7割は、「自分の代で事業をやめる」意向があるというのです。このままいけば、2025年までに650万人の雇用と22兆円ものGDPを失うと予想され、国としてもこの
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