業界再編と企業戦略
調剤薬局業界のみならず、伝統的な業界から比較的新興の業界に至るまで、さまざまな業界で再編が行われている。業界再編が起きた代表的な業界における2000年頃から上位集中度の変化を下記図1にまとめた。業界再編は、プレイヤー数の減少と上位企業へのシェアの集中が特徴として見られる。本稿では、業界再編に関し、次の点を考察してみた。【A】業界再編はなぜ起きるのか(業界再編の背景・理由)【B】業界再編はどこで、ど
調剤薬局業界のみならず、伝統的な業界から比較的新興の業界に至るまで、さまざまな業界で再編が行われている。業界再編が起きた代表的な業界における2000年頃から上位集中度の変化を下記図1にまとめた。業界再編は、プレイヤー数の減少と上位企業へのシェアの集中が特徴として見られる。本稿では、業界再編に関し、次の点を考察してみた。【A】業界再編はなぜ起きるのか(業界再編の背景・理由)【B】業界再編はどこで、ど
上場企業オーナー経営者の企業承継のためには、非上場企業とは異なる金融商品取引法(以下、「金商法」という)に基づき、株式公開買付け(TOB)によることが殆ど不可欠である。発行済み株式の3分の1超の株式の売買を伴うケースでは、オーナー経営者が予め特定の買受人(以下、「承継予定者」という)と相対で株式を売却する場合でも、TOBによることが金商法上必要になる。そこで、検討すべき実務上のポイントを、以下に説
成長市場から成熟市場へ日本薬剤師会によると2012年度(2012年3月-2013年2月)の調剤点数は630,576,653千点、金額ベースで6兆3,057億6,653万円となった。前年比1.7%という伸び率は過去5年間で最低の数値であり、また、調剤件数、処方箋枚数、処方箋単価の伸び率も鈍化しており、ここへきて市場の成熟化が急速に進んだと言える。2014年度の調剤報酬改定も楽観できる状況になく、薬価
現在、在宅の推進や点数誘導をはじめ、調剤薬局を取り巻く環境が大きく変わりつつある。本対談では、メディカルシステムネットワーク(以下「メディシス社」という)とトータル・メディカルサービス(以下「トータルメディ社」という)の先のM&Aについて、田尻稲雄社長と大野繁樹社長の両当事者に、実情と経緯、そしてM&Aの有効性について語ってもらった。(インタビュー:日本M&Aセンター企業戦略部西川大介)新事業展開
メディカルシステムネットワークとトータル・メディカルサービス両社の概要とM&Aの背景株式会社メディカルシステムネットワーク(以下、「メディシス社」という)は、札幌を本社とする調剤薬局事業を中核とする企業である。1999年創業と比較的若い企業であるが、282店舗を有する業界の準大手で東証一部に上場している。拠点である北海道では109店舗を有し圧倒的なドミナントエリアを形成しているとともに、関東や関西
イエローハットは、ドライバースタンドの取得により、2,027百万円の負ののれん発生益を認識している(2014年3期及び2015年3期の有価証券報告書より)。当該負ののれんの一括収益認識は、2008年12月26日「企業結合会計基準」の一部改正によるものであり、20年以内の一定の年数で規則的に償却する処理から、一時の利益に計上する処理に改正された。負ののれんの一括収益認識は、国際財務報告基準(IFRS
2012年、大手証券会杜から一部の投資家へインサイダー情報が漏えいしている問題が発覚し、世間の耳目を集めた。これまでの事例を踏まえ、2013年6月、金融商品取引法(金商法)が改正された。これまでは規制対象とされなかったインサイダー情報を他人へ伝達する行為(情報伝達行為)や、インサイダー情報があることを仄めかして取引を推奨する行為(「詳しいことは言えませんが、今のうちに当社の株を買ったら儲かりますよ
(聞き手:日本M&Aセンター渡邊大晃)日本M&Aセンターで仲介させて頂いた株式会社ドライバースタンド(以下「ドライバースタンド社」)の買収後、約1年半が経過しました。その後の状況についてお聞かせ頂きたいと思います。堀江:お陰様で、ドライバースタンド社は、当社グループ入り以降も順調に業容を拡大しております。M&Aのシナジー効果を早くも大きく発揮しはじめたぞ、という感じです。シナジー効果はどのようなも
イエローハットは、クルマ離れの背景などにより、縮小が続く市場環境下において、出店によるオーガニック戦略とM&Aによるレバレッジ戦略の両輪で成長を実現している。ここでは、本件をベースに、(I)イエローハットの戦略の考察(II)日米での自動車アフターマーケット需要の比較(III)日本における成熟・2強業界の戦略、の3点を考察したい。(I)イエローハットの戦略の考察イエローハットが推進してきた戦略は、下
世代を超えたクルマ離れ2012年の我が国自動車アフターマーケットの市場規模は12兆112億円、うちカー用品市場は1兆7348億円、純正品を除く市販カー用品市場は1兆1499億円と推計される。新車販売台数は1990年の778万台をピークに傾向的に減少、2012年は震災の反動や新エコカー補助などにより前年比大幅増となったものの537万台とピークの69%という水準である。この背景には少子・高齢化、人口の
株式会社イエローハットは、自社成長とM&Aをバランス良く組み合わせながら継続的に企業価値を高めている企業である。2012年、同社が立て続けに実施したM&A、株式会社モンテカルロ(当時業界第6位)買収、株式会社ドライバースタンド(当時業界第4位)買収、および出光興産との資本業務提携は、カー用品業界リーディングカンパニーとして躍進が著しい同社を大きく印象づけるものであった。ドライバースタンド買収案件の
プラザ合意後30年1985年の「プラザ合意」によってドル安誘導が容認され、以降一貫して対ドル円レートは上昇。それに伴い日本企業の対外直接投資は増加した(下グラフ参照)。プラザ合意は日本企業の本格的海外展開への起点であった。この30年間の対外直接投資を概観すると、次の2つの型に大別されよう。すなわち、主に財・サービスを携えてマーケットシェアを取りに行く、「MarketShareOriented型(M
はじめに日本企業がアジア諸国に進出するにあたっては、進出(会社設立・M&Aを含む)のみならず、その後の事業展開や撤退を含む、事業のあらゆる場面に関する現地法制の検討が必要となる。多岐にわたり事案によって異なるが、検討点の概要のみを述べる。進出の方法と考慮すべき規制企業が海外に進出する方法は、事業内容、進出目的、進出先での会社法規による規制\1や外国投資規制\2等を勘案し、100%子会社(独資)や合
はじめに自動車や家電など資本財メーカーに加え、消費財メーカーやサービス業の日本企業によるアジア、特にASEAN5(インドネシア、タイ、フィリピン、ベトナム、マレーシア)へのM&Aによる進出が盛んだ。近年ではさらに、メコン経済圏(ミャンマー・カンボジア・ラオス)も注目を集めている。数はまだ少ないが、メコン経済圏への日本企業の直接投資も始まっている。ユニチャームは、2013年3月、ミャンマーの紙おむつ
成長市場としてのミャンマー親日かつ東南アジアで最後の巨大市場・フロンティアなどと言われているミャンマー。携帯電話もクレジットカードも使えなかった2~3年前に比べ、ミャンマー市場は急速に発展・成長している。ミンガラドン始め、ヤンゴン市内の工業団地は完売状態。街では袈裟姿の敬虔な仏教徒を多く目にし、日本から輸入した中古の路線バスが道の右側を走る。ドアの位置が反対なので、バスの乗降は道の真ん中だ。日本の
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