2024年 製造業におけるクロスボーダーM&A展望
こんにちは。日本M&Aセンター海外事業部の亀井です。本コラムでは、2024年の製造業におけるクロスボーダーM&Aの課題やトレンド、今後狙うべき戦略について紹介します。海外拠点を既にもつ製造業の課題まず、日系企業の海外拠点での販売・調達・生産の課題を考えてみたいと思います。ジェトロの「海外進出日系企業実態調査」によると、多くの海外進出企業が販売先の見直しを検討しており、特に現地市場向けの販売強化を目
こんにちは。日本M&Aセンター海外事業部の亀井です。本コラムでは、2024年の製造業におけるクロスボーダーM&Aの課題やトレンド、今後狙うべき戦略について紹介します。海外拠点を既にもつ製造業の課題まず、日系企業の海外拠点での販売・調達・生産の課題を考えてみたいと思います。ジェトロの「海外進出日系企業実態調査」によると、多くの海外進出企業が販売先の見直しを検討しており、特に現地市場向けの販売強化を目
日本の製造業の根幹を支える自動車(部品)業界において昨年(2022年)は、初頭からウクライナ情勢の変化に端を発し、サプライチェーンの混乱(電装部品の供給不足)、エネルギー・商品価格の変動(高騰)、急激な円安化等による市況の変化への対応で足元の経営安定化に向けた舵取りに奔走する企業が増加しました。コロナ禍の影響も未だ根深く、2022年初頭は、日本の大手自動車部品メーカーであるマレリ(旧カルソニックカ
エマソン・エレクトリック(EmersonElectricCo.)という企業をご存知でしょうか?米国ミズーリ州セントルイスに本拠地を置き、グループ売上は2兆円を誇る、世界有数の事業規模を誇る電機メーカーです。エマソンは、製造業を中心としたコングロマリット企業です。日曜大工に欠かせない電動工具と言った一般消費者用製品から、プラント向けの制御システムまで扱っています。なんと65年もの間、連続増配を達成し
プラスチック製品は、日用品や自動車部品など、我々の身近に多く存在しています。プラスチックは合成樹脂とも呼ばれており、多くの分子を人工的に合成したものを指します。プラスチック製品は様々な成型法(製造法)があり、例えば射出成型、真空成型、圧縮成型などが挙げられます。今回は射出成型を行う企業のM&Aについて事例を踏まえながら考察していきます。@cv_buttonプラスチック製品製造業界とはプラスチックは
あらゆる業種が製造業への参入意欲を占めている自社でM&Aを検討する際、まず初めに頂く質問は「どんな会社が買ってくれるの?」「どんな会社を買えばいいの?」という、マッチングに関するご質問が非常に多いです。例えば、M&Aが活況と言われる調剤薬局では、調剤薬局同士のM&Aがほとんどなので、社風や経営者同士の相性のみがポイントになることが多く、異なるビジネスモデル同士の相性を考えたマッチングを考える必要が
電子部品とは、テレビやパソコン、スマートフォンなどの電子回路に使用される部品を指します。電子部品と言っても様々な種類があり、例えばコンデンサ、抵抗器、スイッチや電子回路基板など、その種類は多岐にわたります。日本国内において、1950年代にテレビ・洗濯機・冷蔵庫の「三種の神器」が普及してから電子部品業界は盛り上がりを見せました。今日においても、IoTの発展や金融サービスとITを組み合わせたフィンテッ
M&Aには様々な論点がつきものです。労務、法務、会計などは、どのような業界・業種でも論点となり得るため、デューデリジェンス(買収監査)においても発覚しやすく、M&A実務における対処法もある程度確立されています。一方で、製造業ならではの、特に注意が必要な論点も存在します。工場設備の安全基準や、外国人の実習生の労働要件、工場内におけるアスベストの使用。そして、土壌汚染に代表されるような環境問題です。特
かつて半導体は航空機やミサイルの制御など、軍事用で使用されることが一般的でした。今ではロボットや通信機器はもちろんですが、自動車や家電にも使われており、私たちにとってより身近な存在となりました。社会の中で必要不可欠なものである半導体ですが、業界では、全世界的に熾烈な生産・開発・販売競争が起き、各社生き残りをかけ、様々な施策を行っており、企業同士の統合や協業、合併など、様々な再編が起こりました。しか
明治時代、造船業は日本の製造業の中心産業であり、日本が近代化する上で欠かせない存在でした。かつて船の材料は木材が中心でしたが、次第に鉄や鋼へ変わり、鉄鋼製の船が現れ、石油を動力するものが一般的となりました。そのため、日本では製鉄所や船渠が多くなり、造船業界は日本の基幹産業として成長し、1956年には新造船建造量シェア世界1位を獲得、その後も半世紀にわたってそのシェアを維持してきました。しかし、現在
言わずと知れた世界No.1の総合モーターメーカー日本電産。同社のもう一つの顔は、数々の買収を成功させ、多くの業績不振企業を再生に導いた「M&A巧者」です。近年は、従来のモーター事業に留まらず、2021年8月には、三菱重工工作機械(現日本電産マシンツール)を買収し、2022年2月には老舗工作機械メーカーであるOKKが傘下に加わるなど、工作機械事業への参入を加速しています。同社沿革によると、1973年
「M&A」という経営手法は、ここ20年~30年で企業成長の手段として、広く浸透してきました。こと製造業において、高度経済成長期以前の成長戦略はデット(借入)をベースにした継続的な設備投資でしたが、平成以後の低成長期においては、エクイティ(資本)の力を借りたM&Aで成長を目指す企業が一気に増えました。@cv_button主な理由は、ものづくり企業においても「資本」ではなく「人材」「情報」をいかに獲得
「設計力」がキーとなる、産業機械メーカーのM&A需要近年のものづくり企業のM&Aを語る上で、最も重要でかつ動きの激しい業界が産業機械メーカーです。産業機械メーカーは、切る、曲げる、溶接するといった「加工業」を主な生業としておらずそのような加工を行う企業が扱う機械(マザーマシン)を設計、製作する企業です。産業機械メーカーの中でも、型がある程度決まっており量産を前提とする標準機メーカーと顧客のニーズに
私たちの生活に必要な、ありとあらゆるプロダクトを製造する「製造業」は、世の中で最も多くの人々の生活に不可欠な事業と言っても過言ではない。緻密で行き届いた日本のものづくりは世界的にも高く評価されているが、近年では企業の規模を問わず、「後継者不足」が叫ばれるようになった。そんな中で、M&Aは事業継承に悩む製造業企業の希望の光として定着しつつある。この記事では、M&Aによる事業継承を検討するために、製造