会社売却先シミュレーション

三菱電機、北弘電社を株式交換で完全子会社化へ

更新日:

三菱電機株式会社(6503)及び三菱電機の持分法適用会社である株式会社北弘電社(1734)は、三菱電機を株式交換完全親会社とし、北弘電社を株式交換完全子会社とする株式交換を行うことを決議し、両社間で株式交換契約を締結した。

本株式交換は、三菱電機においては会社法第796条第2項の規定に基づく簡易株式交換の手続きにより株主総会の承認を受けずに、北弘電社においては2024年3月4日開催予定の臨時株主総会における特別決議による本株式交換契約の承認を受けた上で、2024年4月15日を効力発生日として行われる予定。

また、本株式交換の効力発生日(2024年4月15日(予定))に先立ち、北弘電社株式は、証券会員制法人札幌証券取引所(以下「札幌証券取引所」)において2024年4月11日付で上場廃止(最終売買日は2024年4月10日)となる予定。

なお、本株式交換の効力が発生した場合には、北弘電社の株主は三菱電機の1社のみとなり、以後、北弘電社の定時株主総会の基準日制度の必要性が失われるため、北弘電社は、1月9日に開催した取締役会において、2024年3月4日開催予定の臨時株主総会に、本株式交換契約が効力を失っていないことを条件として議決権行使の基準日に関する規定を削除すること等を内容とする定款変更に係る議案を付議することを決議している。

三菱電機は、大手総合電機メーカー。重電システム、産業メカトロニクス、情報通信システム、電子デバイス、家庭電器などの開発・製造・販売を行う。

北弘電社は、明治43年の創業以来、電気設備工事及びFA住宅環境設備機器、産業設備機器の仕入・販売を主な事業として事業活動を展開する。

三菱電機と北弘電社の関係は、昭和30年に三菱電機が北弘電社へ資本参加したことに始まり、昭和47年に北弘電社は、商事事業部の家庭電化機器販売部門を札幌三菱電機商品販売株式会社へ営業譲渡している。

現在、北弘電社は、三菱電機が注力する重電関連事業において、水処理施設等の電気設備工事の一部や、発変電所の電気設備工事の一部を受注するほか、三菱電機が製造するFA住宅環境設備機器、産業設備機器を仕入し、販売している。

北弘電社が事業領域としている北海道における近年の経営環境は、ロシア・ウクライナ情勢及び急激な円安によるエネルギー価格の高騰、慢性的な労働者不足や建設資材価格の高騰による建設コストの上昇等、北弘電社を取り巻く事業環境は、この数年間において大きく変化し、内外ともに従来にも増して厳しく不確実な状況にある。

本株式交換により三菱電機が北弘電社を完全子会社化した上で、三菱電機による財務的支援を実施しつつ、北弘電社及び三菱電機双方の企業価値の維持向上に資するあらゆる選択肢を検討することが、北弘電社の今後の事業継続を可能とするとともに、三菱電機・北弘電社双方の企業価値維持向上に資する最善の策であるとの結論に至り、本株式交換を行うことを決定した。

また、北弘電社としても、仮に本株式交換が行われない場合には上場廃止及び経営破綻に至ることが現実的に想定される状況にあることから単独での上場維持及び事業の存続が困難であり、マーケット・チェックの結果としても少数株主にとってより有利な条件を提示することが可能な候補先がないことから、三菱電機の提案する本株式交換は、上場廃止及び経営破綻による株主の不利益を回避しつつ、ステークホルダーからの信用力を維持することができる唯一の方策であって、北弘電社の事業継続及び企業価値の維持向上の観点からも最善であるとの判断に至った。

・今後の予定 臨時株主総会基準日(北弘電社) 2024年1月24日(水) 本株式交換契約承認臨時株主総会開催日(北弘電社) 2024年3月4日(月) 最終売買日(北弘電社) 2024年4月10日(水) 上場廃止日(北弘電社) 2024年4月11日(木) 本株式交換の予定日(効力発生日)(三菱電機・北弘電社) 2024年4月15日(月)

電子部品・電気機械器具製造業界のM&A・事業承継の動向はこちら

電気通信工事業界のM&A売却・事業承継案件

日本M&Aセンターでは、電気通信工事業界をはじめ、譲渡案件情報を常時ご紹介しております。ご興味のある案件がありましたら、ぜひお問い合わせください。

三菱電機・北弘電社に関連するM&Aニュース

三菱電機、アイルランドの空調工事・保守会社のCrystal Airを買収

三菱電機株式会社(6503)は、100%子会社であるMitsubishiElectricEuropeB.V.(オランダ・アムステルダム市)を通じ、CrystalAir(アイルランド・キルデア市)の全株式を取得した。三菱電機は、発電機などの重電システムや、産業機器・FA機器の開発、製造、販売を行う総合電機メーカー。CrystalAirは、空調冷熱設備工事、運用・保守サービスを行っている。目的本件M&

三菱電機、スウェーデンの子会社を通じてノルウェーALT Heis社を買収

三菱電機株式会社(6503)は、100%子会社であるMotumAB(スウェーデン・ストックホルム市、以下:Motum社)を通じ、ALTHeisAS(ノルウェー・ベルゲン市、以下:ALTHeis社)の全株式を11月29日に取得したことを発表した。三菱電機は、ホームエレクトロニクスから情報システム・通信機器、産業機械、プラント、宇宙開発関連機器に至るまで、幅広い分野をカバーする総合電機メーカー。Mot

三菱電機によるヴィスコ・テクノロジーズへのTOBが成立で連結子会社へ

三菱電機株式会社(6503)による、ヴィスコ・テクノロジーズ株式会社(6698)の公開買付け(TOB)が2024年10月3日をもって終了した。応募株券等の総数(5,525,002株)が買付予定数の下限(3,974,480株)以上となったため成立している。ヴィスコ・テクノロジーズは、2024年10月10日(本公開買付けの決済の開始日)付で、三菱電機の連結子会社となる予定。また、ヴィスコ・テクノロジー

三菱電機、ヴィスコ・テクノロジーズに対しTOBを実施へ

三菱電機株式会社(6503)は、ヴィスコ・テクノロジーズ株式会社(6698)の株券等を公開買付け(TOB)により取得することを決定した。ヴィスコ・テクノロジーズは、TOBに対して賛同を表明している。三菱電機は、ホームエレクトロニクスから情報システム・通信機器、産業機械、プラント、宇宙開発関連機器に至るまで、幅広い分野をカバーする総合電機メーカー。ヴィスコ・テクノロジーズは、画像処理システムの開発・

セイノーHDが三菱電機ロジスティクスを買収、572億円で66.6%取得へ

セイノーホールディングス株式会社(9076、以下「セイノーHD」)は、三菱電機株式会社(6503)が保有する三菱電機ロジスティクス株式会社(東京都中野区)の株式取得を発表した。所有割合にしてセイノーHDは66.6%、三菱電機は33.4%の株式を保有する予定。取得価額は572億7600万円。本取引により、三菱電機ロジスティクスはセイノーHDの連結子会社となり、三菱電機の持分法適用会社となる予定。セイ

この記事に関連するタグ

「買収・株式交換」に関連するコラム

株式交付とは?株式交換との違いやM&Aで活用するメリット・注意点を詳しく解説

M&A全般
株式交付とは?株式交換との違いやM&Aで活用するメリット・注意点を詳しく解説

株式交付とは?株式交付は、M&Aなどにおいて買い手(譲受け企業)が他社を子会社化するために支払う対価として、自社の株式の交付を認める制度です。株式交付制度は、令和3年3月1日に施行された「会社法の一部を改正する法律案」で、企業買収の手続きを合理化することを目的として新たに創設されました。会社法では以下のように定義されています。株式交付(会社法第2条32号の2)株式会社が他の株式会社をその子会社(法

買収とは?目的やメリット、手法、流れをわかりやすく解説

M&A全般
買収とは?目的やメリット、手法、流れをわかりやすく解説

事業構造、産業構造が大きく変化する今、「買収」を検討している企業が年々増加しています。本記事では買収の概要、メリット、進める流れについてご紹介してまいります。この記事のポイント買収は他企業の株式を取得し経営権を獲得する手法であり、迅速な事業展開が可能である。合併や子会社化と異なり、買収は株式の過半数以上を取得することで行われ、敵対的買収と友好的買収の2種類が存在する。買収の目的は売上拡大や事業多角

企業買収とは?買収スキームやメリット・デメリットを解説

M&A全般
企業買収とは?買収スキームやメリット・デメリットを解説

事業承継や業界再編への対応策として、企業買収の動きは今後ますます加速することが考えられます。本記事では、企業買収の基礎を整理した上で、その種類やメリット・デメリット、具体的な流れなどについて解説します。この記事のポイントM&Aによる企業買収は、経営陣が他社の株式を取得し、経営権を獲得する手法で、目的には競争力強化や事業多角化がある。企業買収には友好的買収と敵対的買収があり、前者は経営陣との合意を経

M&Aのプロが振り返る2024年のM&Aニュース&2025年予測

M&A全般
M&Aのプロが振り返る2024年のM&Aニュース&2025年予測

M&A業界の経験豊富な2人が、世の中の企業のM&Aニュースを紐解き解説する「M&Aニュースサテライト」。今回は「2024年のM&Aニュースの振り返りと2025年のM&A動向の予測」をテーマに解説します。※本記事はYouTube動画の内容を編集してご紹介します。解説のポイント2024年のM&A市場は大きく変化し、特にTOBやMBO案件が目立つ年であった。特に「同意なき買収提案」が多く見られた。第一生

TOB(株式公開買付け)とは?目的やメリット、手続きをわかりやすく解説

M&A全般
TOB(株式公開買付け)とは?目的やメリット、手続きをわかりやすく解説

企業買収、組織再編、MBOのニュースで株式公開買付け(TOB)を目にする機会が急増しています。本記事ではTOBの概要、メリット・デメリット、事例についてご紹介します。この記事のポイントTOBは、対象企業の経営権取得を目的に、株主から株式を大量に買い付ける手法で、買付者が価格や期間を公告する。TOBのメリットは、買付者が計画的に買付けを行いやすく、株主は市場価格より高い価格で売却できる点がある。TO

バイアウトとは?目的や手法、メリット・デメリットをわかりやすく解説

M&A全般
バイアウトとは?目的や手法、メリット・デメリットをわかりやすく解説

企業が経営再建、事業継続を検討する手段のひとつにバイアウト(BuyOut)があります。本記事では、バイアウトの概要やそれぞれの手法の特徴、成功に導くためのポイントをご紹介します。バイアウトとは?バイアウト(BuyOut)とは、経営再建による事業継続や収益向上を目的に、経営者や従業員が自社の株式の過半数を取得し、経営権を握る買収手法を指します。一般的には、企業の経営陣や従業員が自身の資金や外部の投資

「買収・株式交換」に関連する学ぶコンテンツ

買収先の本格検討・分析

買収先の本格検討・分析

買収先の探し方でご紹介したように、買い手はノンネームシート、企業概要書で買収先についてM&Aを進めるかどうか検討します。本記事では、買い手が企業を検討する際流れと、陥りがちな注意点についてご紹介します。この記事のポイント買い手がM&Aを進める際、最初にノンネームシートや企業概要書を通じて対象企業を検討し、提携仲介契約を結んだ後に質疑応答を行う。M&Aの目的を明確にし、買収先にすべての問題解決を求め

買収先の探し方

買収先の探し方

買い手の相談先でご紹介したように、M&A仲介会社などパートナーを選定したら、いよいよ買収先の候補企業を探すステップに移ります。本記事ではM&A仲介会社を通じてお相手探しを行う主な方法について、日本M&Aセンターの例をもとにご紹介します。この記事のポイント買収先の探し方には「譲渡案件型」と「仕掛け型」の2つがあり、譲渡案件型ではノンネームシートや企業概要書を通じて情報を開示し、秘密保持契約を締結する

買い手にとってのM&A。目的や留意点とは?

買い手にとってのM&A。目的や留意点とは?

買い手の買収戦略には様々な目的があります。M&Aの成功に向けて、押さえておきたいポイントを確認していきましょう。この記事のポイント買い手がM&Aを行う目的には、市場シェアの拡大、事業領域の拡大、事業の多角化、人材獲得・技術力向上、効率性の向上がある。買収により、企業は迅速に成長を加速し、顧客ベースや販売チャネルを拡大することができる。M&Aにはコストや中長期的な取り組みが必要で、成約後の経営統合計

M&Aニュース検索

注目のM&Aニュース

最新のM&Aニュース

日付別M&Aニュース

2024年1月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031

月別M&Aニュース

注目ニュースワード