相馬双葉漁協、福島県信漁連に信用事業を譲渡
相馬双葉漁業協同組合(以下、相馬双葉漁協)は、福島県信用漁業協同組合連合会(以下、福島県信漁連)へ、2024年7月1日を以って信用事業を譲渡することとした。
信用業務とは、組合員の事業または生活に必要な資金の貸付け、組合員の貯金の受入れなどの金融業務のこと。漁業協同組合、信用漁業協同組合連合会および水産加工業協同組合の信用事業は、農林中央金庫とともにJFマリンバンクを構成している。
相馬双葉漁協は、福島県浜通り地方の新地町から富岡町までの7つの漁協が合併して出来た漁協。
漁協(JF)は、地域の漁業・水産業者により構成される協同組合。水産業協同組合法に基づき設立され、漁場の利用調整、組合員の漁獲物等の加工・販売、営漁指導等の事業を行う。漁業協同組合の略称。
福島県信漁連は、会員および組合員などの地域利用者を中心に貯金、融資などの金融業務を行っている。
信漁連は、漁業者向けの金融機関で、漁業者の多い漁港を中心に、漁協に併設して設置されている。信用漁業協同組合連合会の略称。
事業譲渡の目的
年々高度化していく金融環境の変化に伴う規制・制度等に対応するため、都府県信漁連に信用事業を譲渡する。
全国的な組織再編
漁協、信漁連ともに全国的な組織再編が進んでいる。
信漁連においては、2017年に全国で初めて県域を越え合併した「なぎさ信漁連」が発足して以降、「九州信漁連」、「東日本信漁連」、「西日本信漁連」など、複数の県を跨ぐ組織の統合が増えている。これらの合併により、事務や総務など間接部門の効率化によるコスト削減、財務基盤の強化による金融機能を拡充することで、金融機関としての安定化を目指す意図がある。
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