事業承継セミナー

セレンディップHD、自動車金属部品製造のイワヰを買収

更新日:

セレンディップ・ホールディングス株式会社(7318、以下:セレンディップHD)は、株式会社大垣共立銀行(8361)のグループ会社である株式会社OKBキャピタル(岐阜県大垣市)が運営する大垣共立事業承継2号投資事業有限責任組合と共同で新設するSPCを通じて、株式会社イワヰ(三重県津市)の株式を取得し、子会社化することについて決定した。

セレンディップHDは、ものづくり企業を中心に中堅・中小企業の経営の近代化と再成長を支援する事業投資会社で、プロ経営者を派遣しハンズオン型の経営支援を行っている。

イワヰは、自動車のボディ・シート部品の金属加工メーカー。自動車金属部品製造(プレス・溶接加工)を行っている。

背景・目的

イワヰとセレンディップHD子会社の佐藤工業株式会社(愛知県あま市)は、自動車用部品のプレス加工が事業の中心である点において類似性・親和性が非常に高い一方で、プレス機の対応領域、得意とする部品のカテゴリー、顧客の重複が少なく補完関係にあることから、両社の強みを活かしたシナジーを発揮することができると考える。

特筆すべき事項として、イワヰは2020年8月に新型コロナウイルスの感染拡大に伴う自動車業界の急激な需要減を受け、民事再生の開始手続きを受けている。その後再生計画を提出し、株式会社地域経済活性化支援機構のファンド運営子会社であるREVICキャピタル株式会社および株式会社AGSコンサルティングが共同で運営する近畿中部広域復興支援投資事業有限責任組合が完全子会社化し、資金的支援および業務改善を行ってきた。その活動に一定の目途がついたとの判断から、同組合が保有するイワヰ株式全部の譲渡を企図した。

自動車のサプライチェーンは、様々な種類の部品がタイムリーに供給されることで成立している。また、種類・数量が揃うだけでなく、高い品質基準を満たしていることが絶対条件である。ユニークな大型プレス機を豊富に有するイワヰを存続させることは、社会的意義がある。

本件M&Aにより、自動車のサプライチェーンを維持するとともに、セレンディップグループと大垣共立銀行グループの経営支援のノウハウとネットワークを活用することにより発展を目指す。

具体的には、以下のようなシナジー効果を見込んでいる。

  1. 経営の生産性の向上(経営の近代化)
  2. 売上増加
  3. 設備の効率的活用および設備投資の抑制
  4. 生産付随業務の共通化による費用の外部流出の削減
  5. バックオフィスの共通化による経費の削減

株式の状況

異動前の所有株式数 0株(議決権の数:0個)(議決権所有割合:0.0%)
取得株式数 300株(議決権の数:300個)
取得価額 イワヰの普通株式        860百万円
アドバイザリー費用等(概算額) 51百万円
合計(概算額)         911百万円
異動後の所有株式数 300株(議決権の数:300個)(議決権所有割合:100.0%)

設立するSPCの概要

名称       :快進オートモーティブ株式会社

所在地      :愛知県名古屋市

代表者の役職・氏名:代表取締役 園田 季一、代表取締役 外角 淳

事業内容     :経営に関するコンサルティング、株式の保有及び売買並びにその他の投資事業等

資本金      :500千円

日程

取締役会決議日:2024年9月4日

契約締結日  :2024年9月4日

株式譲渡実行日:2024年10月11日(予定)

経営コンサルティングサービス業界のM&A・事業承継の動向はこちら

セレンディップ・ホールディングス・大垣共立銀行に関連するM&Aニュース

アペックス、ゲーム・アプリ・電子玩具などのIT業務受託開発のトライシスを買収

セレンディップ・ホールディングス株式会社(7318)のグループ会社である株式会社アペックス(東京都八王子市)は、株式会社トライシス(北海道札幌市)の発行済全株式を取得し、子会社化した。アペックスは、多岐に渡る開発環境に対し試作開発・デザインサービスを提供している。トライシスは、ゲーム・アプリ・電子玩具を中心としたIT業務の受託開発を行っている。目的セレンディップグループは、自動車部品製造をはじめと

セレンディップHD、エクセル・グループを子会社化へ

セレンディップ・ホールディングス株式会社(7318、セレンディップHD)は、エクセル・グループ(東京都中央区)の株式を取得し、子会社化することを決定した。新設するセレンディップSPC1号株式会社を通じて行われる予定。セレンディップHDは、企業の事業再生や事業継承、資金調達などのコンサルティング業務を行っている。エクセル・グループは、国内5社及び海外4社の計9社で構成されている。性質の異なる樹脂材料

セレンディップHD、高島ロボットマーケティングを買収

セレンディップ・ホールディングス株式会社(7318)は、2024年3月14日開催の取締役会において、高島株式会社(東京都千代田区)より、高島ロボットマーケティング株式会社(東京都千代田区)の発行済全株式を取得し、子会社化することを決定した。セレンディップ・ホールディングスは、経営受託及び事業再生、投資事業、経営コンサルティングを行う。高島ロボットマーケティングは、協働ロボットの販売及びレンタルを行

セレンディップ・HD、試作品製作を行うアペックスの株式取得、子会社化へ

セレンディップ・ホールディングス株式会社(7318)は、株式会社アペックス(東京都八王子市)の全株式を取得し、連結子会社化することを決定した。セレンディップ・ホールディングスは、日本の中堅・中小製造業に特化して事業承継・経営の近代化を支援している事業投資会社。アペックスは、試作品製造に特化した企業。開発段階における試作受託、デザインモックアップ製作、概念実証モデルの制作などを行っている。本件M&A

セレンディップHD及び連結子会社、新生銀行及び新生企業投資と事業承継支援に関する業務提携契約に合意

セレンディップ・ホールディングス株式会社(7318)および連結子会社であるセレンディップ・フィナンシャルサービス株式会社(愛知県名古屋市)は、株式会社新生銀行(8303)および新生企業投資株式会社(東京都中央区)との間で、事業承継支援に関する業務提携契約を行うことについて合意した。セレンディップHDは、事業承継支援事業、経営コンサルティング事業、M&Aアドバイザリー事業、企業再生支援事業、コーポレ

この記事に関連するタグ

「買収」に関連するコラム

バイアウトとは?目的や手法、メリット・デメリットをわかりやすく解説

M&A全般
バイアウトとは?目的や手法、メリット・デメリットをわかりやすく解説

企業が経営再建、事業継続を検討する手段のひとつにバイアウト(BuyOut)があります。本記事では、バイアウトの概要やそれぞれの手法の特徴、成功に導くためのポイントをご紹介します。バイアウトとは?バイアウト(BuyOut)とは、経営再建による事業継続や収益向上を目的に、経営者や従業員が自社の株式の過半数を取得し、経営権を握る買収手法を指します。一般的には、企業の経営陣や従業員が自身の資金や外部の投資

TOB(株式公開買付け)とは?目的など概要をおさらい

M&A全般
TOB(株式公開買付け)とは?目的など概要をおさらい

TOB(株式公開買付け)とは?TOBとは、株式公開買付け(TakeoverBid)の略で、対象企業の経営権取得を目的に、株式の買付価格や期間、株式数などを公告し、取引所外で多くの株主から大量に買付ける手法を指します。一般的にTOBを仕掛ける買収側を「公開買付者」、実施される側を「対象者」と呼びます。東京証券取引所の市場再編やPBR(株価純資産倍率)改善要請を背景に、成長を意識した買収、上場企業への

同意なき買収(敵対的買収)とは?対応方針や事例を解説

M&A全般
同意なき買収(敵対的買収)とは?対応方針や事例を解説

同意なき買収(敵対的買収)とは同意なき買収とは、経営権の獲得を目的に、対象会社の経営陣や株主などの合意を事前に得ることなく行う買収を指します。英語のhostiletakeoverに相当する買収が含まれます。同意なき買収が行われる背景には、企業の成長戦略や競争力強化の動機、株主の期待、経営陣と株主との対立、市場状況などが挙げられます。この記事のポイント同意なき買収(敵対的買収)は、企業の経営権を獲得

コングロマリットとは?メリットや企業事例を紹介

M&A全般
コングロマリットとは?メリットや企業事例を紹介

不透明な時代を生き抜くための戦略として、コングロマリット型経営は注目されており、国内ではその動きが活発化しています。本記事では、コングロマリットの特徴やメリットなどについて解説していきます。コングロマリットとはコングロマリット(conglomerate)とは、異なる業種や産業に属する複数の企業が経営統合を行い、1つの大きな企業グループを形成することを指します。コングロマリットは、さまざまな事業分野

新NISAがM&Aのきっかけ?ドコモのマネックス証券子会社化を解説

M&A全般
新NISAがM&Aのきっかけ?ドコモのマネックス証券子会社化を解説

業界経験豊富なM&Aのスペシャリストが、世の中の企業のM&Aの動きについて、プレスリリースを紐解き解説する「M&Aニュースサテライト」。今回はNTTドコモとマネックスグループ・マネックス証券のニュースを解説します。※本記事はYouTube動画の内容を抜粋・編集してご紹介します。日本M&Aセンターは上場企業、中堅・中小企業のM&A・企業戦略を経験・実績豊富なチームがご支援します。ご相談は無料、秘密厳

「後継者のいない会社」を買うメリットとは?

M&A全般
「後継者のいない会社」を買うメリットとは?

近年、後継者不在の会社を第三者が譲受けるケースが増加傾向にあります。本記事では、後継者のいない会社を買う場合のメリット、認識しておきたい注意点、会社の探し方や相談先についてご紹介します。この記事のポイント後継者不在の企業を買収するケースが増加している背景には、経営者の高齢化や価値観の多様化がある。会社売却のメリットには、事業参入の短縮、規模拡大、文化の継承があり、社員の雇用や待遇改善の可能性もある

「買収」に関連する学ぶコンテンツ

買収先の本格検討・分析

買収先の本格検討・分析

買収先の探し方でご紹介したように、買い手はノンネームシート、企業概要書で買収先についてM&Aを進めるかどうか検討します。本記事では、買い手が企業を検討する際流れと、陥りがちな注意点についてご紹介します。買い手が買収先を検討する流れ企業概要書をふまえ、さらに具体的に検討を進めるに一般的には「M&A仲介会社との提携仲介契約の締結」「個別詳細情報についての質疑応答」のステップがあります。買い手候補企業の

買収先の探し方

買収先の探し方

買い手の相談先でご紹介したように、M&A仲介会社などパートナーを選定したら、いよいよ買収先の候補企業を探すステップに移ります。本記事ではM&A仲介会社を通じてお相手探しを行う主な方法について、日本M&Aセンターの例をもとにご紹介します。買収先の探し方①譲渡案件型お相手探しは大きく「譲渡案件型」と「仕掛け型」の2つにわかれます。譲渡案件型は、M&A仲介会社が保有する売り手企業(譲渡を希望する企業)の

買い手がM&Aを行う目的

買い手がM&Aを行う目的

買い手の買収戦略には様々な目的があります。M&Aの成功に向けて、押さえておきたいポイントを確認していきましょう。【登録無料】買収をご検討の方は、希望条件(地域、業種など)を登録することで、条件に合致した譲渡案件のご提案や新着案件情報を受け取ることができます。まずは登録から始めてみませんか?買収希望条件の登録はこちらM&Aの目的①市場シェアの拡大企業は競合他社を買収することで、自社の市場シェアを拡大

M&Aニュース検索

注目のM&Aニュース

最新のM&Aニュース

日付別M&Aニュース

2024年9月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930

月別M&Aニュース

注目ニュースワード