会社売却先シミュレーション

TOPPANホールディングス、IoTソリューション会社のベルギーのSelinkoを買収

更新日:

TOPPANホールディングス株式会社(7911)は、Selinko SA(ベルギー)の株式を100%取得し、2024年10月に子会社化の手続きを完了した。

TOPPANグループは、「印刷テクノロジー」をベースに「情報コミュニケーション事業分野」「生活・産業事業分野」「エレクトロニクス事業分野」の3分野にわたり幅広い事業活動を展開している。

Selinkoは、IoTプラットフォーム事業、NFCタグインテグレーション事業、導入コンサルティング事業を行っている。

背景・目的

現在、欧州ラグジュアリー市場は、デジタル化の進展やコロナ禍による消費行動の変化を受けてECやDirect to Consumer(D2C)への対応が進んでいる。その一方で偽造品や模倣品、不正流通品の増加、環境規制への対応など多くの課題がある。

製品へのNFCの搭載は技術的な課題などから普及が遅れていたが、昨今NFC対応のスマートフォンが普及し、消費者が様々な場面でNFCタグを読み取ることが可能になったことから、欧米のラグジュアリーブランドを中心にNFCタグの活用が拡大している。

Selinkoは、NFCタグを活用したIoTソリューションの先駆者として、真贋判定、グレーマーケット検知、所有者管理、消費者エンゲージメントなどの機能を備えたID認証プラットフォームを提供し、これまでに30以上のラグジュアリーブランドが同社のソリューションを利用している。

一方、TOPPANグループは、120年以上にわたり、セキュリティ印刷分野でソリューションを提供してきた。RFIDタグの領域では、対象物に応じたNFCタグの設計・開発に関する豊富なノウハウを持ち、様々な容器やパッケージへのNFCタグのインテグレーション技術を培っている。

本件M&Aにより、TOPPANグループのNFCタグにおける技術やノウハウと、SelinkoのID認証プラットフォームを融合させて、包括的なセキュアDXソリューションを構築する。

これによって、欧州におけるIoT・スマートパッケージ分野のサービスを強化し、日本や中国、ASEAN における事業拡大も進め、2028 年までに関連受注を含め50 億円の売上を目指す。

なお、「欧州を中心としたラグジュアリー市場への共同アプローチ」や「ID認証プラットフォームの機能拡張」などのシナジー効果が期待できるとしている。

日程

株式取得日:2024年10月16日

印刷業界のM&A・事業承継の動向はこちら

印刷業界のM&A売却・事業承継案件

日本M&Aセンターでは、印刷業界をはじめ、譲渡案件情報を常時ご紹介しております。ご興味のある案件がありましたら、ぜひお問い合わせください。

凸版印刷に関連するM&Aニュース

TOPPAN、台湾子会社Giantplusを売却

TOPPANホールディングス株式会社(7911)は、連結子会社かつ特定子会社である凌巨科技股份有限公司(台湾、GiantplusTechnologyCo.,Ltd.、以下:Giantplus)に係る全保有株式を、聚弈投資有限公司(台湾、JuYiInvestmentLtd)に譲渡することを決定した。本件株式譲渡に伴い、Giantplusは、TOPPANホールディングスの連結子会社ではなくなる。なお、

TOPPANホールディングス、米パッケージSONOCO社の軟包装・熱成形容器事業を買収

TOPPANホールディングス株式会社(7911)は、SONOCOPRODUCTSCOMPANY(米国サウス・カロライナ州、以下:SONOCO社)との間で、SONOCO社の有する軟包装事業及び熱成形容器事業(ThermoformedandFlexiblePackaging、以下:TFP事業)を取得することを目的に、株式取得及び事業の譲受けを決定した。TOPPANグループは、「情報コミュニケーション事

TOPPANホールディングス、バイオエコノミーの構築に向けてちとせグループと資本業務提携

TOPPANホールディングス株式会社(7911)は、ちとせグループの統括会社CHITOSEBIOEVOLUTIONPTE.LTD.(シンガポール、以下グループを総称して:ちとせグループ)と、化石資源に代わると期待される藻類などの生物資源やバイオテクノロジーを活用し、循環型の経済活動を行うバイオエコノミーの実現向けて、2024年10月に資本業務提携を締結した。TOPPANグループは、「印刷テクノロジ

TOPPANグループ、スウェーデンのAssaAbloy社から政府系IDソリューション企業の市民ID事業部門を買収

TOPPANホールディングス株式会社(7911)とグループ会社であるTOPPANNextPte.Ltd.(シンガポール)は、AssaAbloy社(スウェーデン)と、同社の政府系IDソリューション事業を推進するHIDCID(CitizenID:市民ID)部門(以下:HIDCID)の売買契約を締結した。TOPPANグループは、「印刷テクノロジー」をベースに「情報コミュニケーション事業分野」「生活・産業

TOPPAN、SNS広告・EC支援を行うココラブルを買収

TOPPANホールディングス株式会社(7911)のグループ会社であるTOPPAN株式会社(東京都台東区)は、株式会社ココラブル(東京都渋谷区)の株式を取得し、2024年3月29日に完全子会社化した。TOPPANは、情報系・生活系・エレクトロニクス系事業を行う。ココラブルは、SNS広告事業・EC支援事業等を行う。SNSマーケティングのノウハウを駆使した成果を上げるためのSNS広告の運用と、自社EC事

この記事に関連するタグ

「買収・クロスボーダーM&A」に関連するコラム

インドネシアの2025年はどうなる? ~経済、外交、国家長期開発計画~

海外M&A
インドネシアの2025年はどうなる? ~経済、外交、国家長期開発計画~

こんにちは、ジャカルタの安丸です。2025年におけるインドネシアのマクロ的な展望につき、私見を交えて解説させていただきます。(今回のこのコラムは、2025年1月8日に作成しています。)2024年の振り返り最初に2024年にインドネシアで起こった重要なイベントを、簡単に振り返ってみたいと思います。2024年はインドネシアにとって、重要なイベントが目白押しの1年でした。新大統領の就任10年振りの大統領

企業買収とは?買収スキームやメリット・デメリットを解説

M&A全般
企業買収とは?買収スキームやメリット・デメリットを解説

事業承継や業界再編への対応策として、企業買収の動きは今後ますます加速することが考えられます。本記事では、企業買収の基礎を整理した上で、その種類やメリット・デメリット、具体的な流れなどについて解説します。この記事のポイントM&Aによる企業買収は、経営陣が他社の株式を取得し、経営権を獲得する手法で、目的には競争力強化や事業多角化がある。企業買収には友好的買収と敵対的買収があり、前者は経営陣との合意を経

M&Aのプロが振り返る2024年のM&Aニュース&2025年予測

M&A全般
M&Aのプロが振り返る2024年のM&Aニュース&2025年予測

M&A業界の経験豊富な2人が、世の中の企業のM&Aニュースを紐解き解説する「M&Aニュースサテライト」。今回は「2024年のM&Aニュースの振り返りと2025年のM&A動向の予測」をテーマに解説します。※本記事はYouTube動画の内容を編集してご紹介します。解説のポイント2024年のM&A市場は大きく変化し、特にTOBやMBO案件が目立つ年であった。特に「同意なき買収提案」が多く見られた。第一生

TOB(株式公開買付け)とは?目的やメリット、手続きをわかりやすく解説

M&A全般
TOB(株式公開買付け)とは?目的やメリット、手続きをわかりやすく解説

企業買収、組織再編、MBOのニュースで株式公開買付け(TOB)を目にする機会が急増しています。本記事ではTOBの概要、メリット・デメリット、事例についてご紹介します。この記事のポイントTOBは、対象企業の経営権取得を目的に、株主から株式を大量に買い付ける手法で、買付者が価格や期間を公告する。TOBのメリットは、買付者が計画的に買付けを行いやすく、株主は市場価格より高い価格で売却できる点がある。TO

大槻代表に聞く!新たなファンドコンセプトを持つAtoG Capital本格始動

広報室だより
大槻代表に聞く!新たなファンドコンセプトを持つAtoG Capital本格始動

2024年9月、日本M&Aセンターグループの一員として新たな一歩を踏み出した「株式会社AtoGCapital」。新たなファンドコンセプトを持つ会社ですが、どのようなコンセプトなのか、その取り組みや設立への想いをAtoGCapital代表取締役の大槻昌彦さんに聞きました。※会社設立は2023年12月、ファンドの1号ファンド設立は9月20日、出資実行完了は2024年10月23日AtoGCapital代

「買収・クロスボーダーM&A」に関連する学ぶコンテンツ

買収先の本格検討・分析

買収先の本格検討・分析

買収先の探し方でご紹介したように、買い手はノンネームシート、企業概要書で買収先についてM&Aを進めるかどうか検討します。本記事では、買い手が企業を検討する際流れと、陥りがちな注意点についてご紹介します。この記事のポイント買い手がM&Aを進める際、最初にノンネームシートや企業概要書を通じて対象企業を検討し、提携仲介契約を結んだ後に質疑応答を行う。M&Aの目的を明確にし、買収先にすべての問題解決を求め

買収先の探し方

買収先の探し方

買い手の相談先でご紹介したように、M&A仲介会社などパートナーを選定したら、いよいよ買収先の候補企業を探すステップに移ります。本記事ではM&A仲介会社を通じてお相手探しを行う主な方法について、日本M&Aセンターの例をもとにご紹介します。この記事のポイント買収先の探し方には「譲渡案件型」と「仕掛け型」の2つがあり、譲渡案件型ではノンネームシートや企業概要書を通じて情報を開示し、秘密保持契約を締結する

買い手にとってのM&A。目的や留意点とは?

買い手にとってのM&A。目的や留意点とは?

買い手の買収戦略には様々な目的があります。M&Aの成功に向けて、押さえておきたいポイントを確認していきましょう。この記事のポイント買い手がM&Aを行う目的には、市場シェアの拡大、事業領域の拡大、事業の多角化、人材獲得・技術力向上、効率性の向上がある。買収により、企業は迅速に成長を加速し、顧客ベースや販売チャネルを拡大することができる。M&Aにはコストや中長期的な取り組みが必要で、成約後の経営統合計

M&Aニュース検索

注目のM&Aニュース

最新のM&Aニュース

日付別M&Aニュース

2024年10月
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031

月別M&Aニュース

注目ニュースワード