待ったなしの事業承継問題。2025年問題、M&A増加の背景をわかりやすく解説!
⽬次
- 1. 2021年のM&A件数は過去最多に
- 2. 2025年問題とは
- 3. 社長候補がいても後継者不在?
- 3-1. 著者
日本M&AセンターでM&Aを実行されたお客様の多くは「M&Aっていいものだね!」とおっしゃられます。その思いや実例をより広くお届けするために今春からYouTubeチャンネルではじまった「いいM&Aチャンネル」。本記事では動画の概要をご紹介します。
2021年のM&A件数は過去最多に
岡本: 早速ですけど、M&Aは年間どのくらい行われているかご存じですか?
縄田: いやいや、この業界長いですから間違えるわけにはいかないでしょう…2,000件くらいですかね。
岡本: 実は M&Aって年間4,280件(※) 行われてるらしいんですよ。
(※)出典:MARR Online 2021年のM&A回顧(2021年1-12月のM&A動向)より
縄田: 4,280件…それはすごいですね。公表されてるM&Aだけで、ってことですから非公開の案件を含めると、もっと多くなるってことですものね。
岡本: 私もデータを見てびっくりしましたけど、組数でいくと約2,000組に近いM&Aになります。単純に1日あたり7件ぐらい、今日もどこかでM&Aが行われてる数字になります。
今回はなぜこんなにM&Aが増えているのかということについてお届けしていきましょう。
2025年問題とは
岡本: 縄田さん、2025年問題ってご存じですか?
縄田:2025年、いわゆる「団塊の世代」800万人全員が75歳以上、国民の4人に1人が後期高齢者という超高齢社会を迎えることでさまざまな分野に影響を及ぼす諸問題を2025年問題と言います。それにともない、 中小企業・小規模企業の社長様のうち70歳を超える方の数がピークになると言われています。
岡本: 実際70歳以上の経営者の方が約3年後に245万人にまで増加する、というデータも中小企業庁から出ています。少子高齢化の問題は中小企業の経営者にも当てはまる話で、国内の人口動態の中で一番のボリュームゾーンにいるのが、この団塊の世代、今70歳前後の方々です。団塊の世代の方々って、叩き上げでブワーッと会社を大きく成長させてきた方が多く、お子様たちを大学進学させたり教育への関心が高いケースが多い。なのでそうしたご子息たちは成人されてから別のお仕事に就かれて、実家(家業)に戻ってこないケースが多いんですよね。
縄田: 経営者の方に「息子さん何されてるんですか」と聞いたら「大手企業〇〇の部長、課長をやってるんだよねー」と伺うこと結構ありますよね。
岡本: 地元、家に子供が戻ってこない、従業員の方々がなかなか引き継げない、という後継者不在の問題を抱える会社が、2025年、約その半分、127万社にのぼるといわれています。恐ろしいことですよね。
縄田: 大変ですよね。日本の産業は中小企業が約99%を支えていますから、事業承継ができないと国力を失いかねないという話にもなりますよね。
社長候補がいても後継者不在?
岡本: これ多くの方が勘違いされてらっしゃる部分かと思うんですけど、いわゆる後継者がいないと、社長を任せられる人間がいない、というのとはまた異なる話なんです。
中小企業の社長さんに社員の方でも、なれないわけではないんですけども一番ネックになるのは「株の譲受け」の部分なんです。これが大きなテーマとしてあります。現場でよく聞きますよね。
縄田: そうですね。「うちは後継者問題は大丈夫なんだよね」とおっしゃる経営者の方はいらっしゃるんですけど、「株はどうするんですか、、」とお聞きすると「・・・」と返答に困られるケースも結構ありますよね。そこまでお考えになられていない。
岡本: いや、多いですよね。数十年歴史のある会社さんでしたら、株の譲受け価格もそれなりの金額になるケースが多いですし。やっぱりそれを金融機関さんから借り入れをしてまで譲り受けよう、という気概のある幹部社員の方って、なかなかいらっしゃらないのが実情かなと思います。
そういった背景で会社を先代から譲受けることができない会社が約127万社にのぼるということなんですけど、なんとこのうちの半分が黒字ということらしいんです。要はしっかり会社として収益も出していて、経営も健全なのに継ぐ人がいないという。そういう会社が60万社以上にのぼると推定されてるんですよ。
縄田: もったいないですよね。
岡本: そうした課題が、M&Aで「譲り受けたい!」と手を挙げてくれる外部の会社にお譲りすることができれば会社の存続につながると。2025年問題にともなってM&Aの件数が増えてきているのは、こうした背景なのかなと思います。
縄田: すごいいい手段じゃないですか、M&Aって。会社も残って、従業員さんもそのままで、どれをとっても悪いところがあまりないと思うんですよ。なんでこのM&Aが浸透しないのかなと思うんですけど、なんでなんでしょうかね。
岡本: やっぱり多くの方はM&Aのイメージに対して、「そんないい話ないだろう」と思う部分があると思うんですよね。私はよくお客様にはM&Aのメリットだけでなく、もちろん注意しておくべきところもお伝えしています。
—その続きはまた次回に、ということでお楽しみに!
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