会社売却先シミュレーション

クラレの米国子会社カルゴン・カーボン社、米社から産業用再生炭事業を買収

更新日:

株式会社クラレ(3405)は、米国子会社Calgon Carbon Corporation (米国ペンシルベニア州、以下「カルゴン・カーボン社」)において、Sprint environmental Service, LLC (米国テキサス州、以下「SeS社」)から産業用再生炭事業を買収することを決定した。
本買収により、活性炭ビジネスを広げ、米国産業用再生炭市場でのシェアを維持・拡大させる。

クラレは、日本の合成繊維工業の先駆けとなったビニロンをはじめ、新規合成繊維(クラロンK-II)、PVA樹脂(クラレポバール)、気体遮断性に優れたEVOH樹脂(エバール)、人工皮革(クラリーノ)などを製造・販売している。

カルゴン・カーボン社は、活性炭および水処理機器の製造・販売を行う、世界最大の活性炭メーカー。2018 年よりクラレの完全子会社

SeS社は、産業用再生炭の製造販売および産業用機器レンタル事業を行う。

産業用再生炭事業買収の背景

クラレは、2018年に世界最大の活性炭メーカーであるカルゴン・カーボン社を買収し、現在では、瀝青炭系、木質系、ヤシ殻系の幅広い活性炭や活性炭再生サービスを提供し、水・大気の浄化におけるトータルソリューションプロバイダーとして、自然環境、生活環境の向上に貢献する活性炭ビジネスの拡大を図っている。

クラレは、活性炭ビジネスにおいて今後大きな伸長を見込む米国産業用再生炭市場でのシェア維持・拡大に向け、生産能力増強が必要な状況であった。
カルゴン・カーボン社の産業用再生炭生産拠点は米国東部に集中していることから、中西部地域をカバーできるメキシコ湾岸地域は重要な戦略拠点となる。同拠点では、本買収後に、産業用だけでなく飲料水用再生炭の生産設備増強も視野に入れている。米国でのPFAS規制※の強化により、需要の大幅な増加が見込まれており、カルゴン・カーボン社は、大幅な能力増強を検討するとともに、重要顧客との契約締結協議を進めている。

※PFAS:人工的に合成された有機フッ素化合物群の総称。耐水性、防汚性などに優れた特性を持つ一方、難分解性及び生物蓄積が問題視され、欧米などでは規制強化の動きが進む。

日程

事業譲渡期日:2024年6月末(予定)

繊維・衣服・装飾品製造業界のM&A・事業承継の動向はこちら

繊維・衣服・装飾品製造業界のM&A売却・事業承継案件

日本M&Aセンターでは、繊維・衣服・装飾品製造業界をはじめ、譲渡案件情報を常時ご紹介しております。ご興味のある案件がありましたら、ぜひお問い合わせください。

クラレに関連するM&Aニュース

クラレ、珪藻土・パーライト事業をフランスのイメリス社に譲渡

株式会社クラレ(3405)は、米国子会社CalgonCarbonCorporation(米国ペンシルベニア州、以下カルゴン・カーボン社)が欧州子会社で手掛ける珪藻土およびパーライト事業の譲渡を決定し、フランスのImerysS.A.(フランスパリ、以下イメリス社)と独占交渉に関する基本契約を締結した。クラレは2018年に世界最大の活性炭メーカーであるカルゴン・カーボン社を買収し、現在では瀝青炭系、木

クラレ(3405)、活性炭世界最大手のCalgon Carbon社を完全子会社化

クラレ(3405)は、CalgonCarbonCorporation(米国ペンシルバニア州、CalgonCarbon社)の全株式を取得し、完全子会社化することで、CalgonCarbon社と合意した。取得価額は約1,218億円。本件は、CalgonCarbon社を存続会社として、クラレが設立する買収目的会社(SPC)とCalgonCarbon社とを合併させる現金交付型の逆三角合併方式で行う。クラレ

クラレ(3405)、オーストラリアのバリアフィルム事業者Plantic社を買収

株式会社クラレ(3405)は、オーストラリアのGordonMerchantNo.2PtyLtdより、同社が保有するバイオマス由来のバリアフィルム事業を展開する、オーストラリアのPlanticTechnologiesLimited(Plantic社)の発行済株式の全部を取得する株式売買契約を締結し、買収を完了した。クラレは、プラスティックの中で最高レベルのガスバリア性を有する(エバール)(エチレン-

この記事に関連するタグ

「事業譲渡・買収」に関連するコラム

M&Aが失敗する要因とは?対処法や事例も紹介

M&A全般
M&Aが失敗する要因とは?対処法や事例も紹介

M&Aは譲渡企業(売り手)、譲受け企業(買い手)の双方が目的実現のために、M&Aを実行します。しかし、残念ながら中にはM&Aが失敗、交渉途中に破談に終わるケースもあります。本記事では、M&Aが失敗に至ってしまう原因や、対応策についてご紹介します。この記事のポイントM&Aが失敗する主な原因には、想定したシナジー効果が得られないこと、のれんの減損損失、想定外のリスクの発覚、従業員の離職がある。M&A交

西日本におけるIT企業のM&A事情とは?IT業界の事業譲渡にも迫る

M&A全般
西日本におけるIT企業のM&A事情とは?IT業界の事業譲渡にも迫る

小森:買収の参観日チャンネル、今回は大阪支社からゲストに登場してもらいます。岡部:西日本事業法人部の岡部と申します。主にIT関連のお客様のM&Aをお手伝いしております。小森:岡部さんと一緒に、西日本のIT業界のM&A事情を色々掘り下げていきたいと思います。IT業界と建設業は似ている?小森:岡部さん自身がITに興味を持ったのは、どういうきっかけでしょうか。岡部:IT企業というと、勢いのあるベンチャー

買収とは?目的やメリット、手法、流れをわかりやすく解説

M&A全般
買収とは?目的やメリット、手法、流れをわかりやすく解説

事業構造、産業構造が大きく変化する今、「買収」を検討している企業が年々増加しています。本記事では買収の概要、メリット、進める流れについてご紹介してまいります。この記事のポイント買収は他企業の株式を取得し経営権を獲得する手法であり、迅速な事業展開が可能である。合併や子会社化と異なり、買収は株式の過半数以上を取得することで行われ、敵対的買収と友好的買収の2種類が存在する。買収の目的は売上拡大や事業多角

企業買収とは?買収スキームやメリット・デメリットを解説

M&A全般
企業買収とは?買収スキームやメリット・デメリットを解説

事業承継や業界再編への対応策として、企業買収の動きは今後ますます加速することが考えられます。本記事では、企業買収の基礎を整理した上で、その種類やメリット・デメリット、具体的な流れなどについて解説します。この記事のポイントM&Aによる企業買収は、経営陣が他社の株式を取得し、経営権を獲得する手法で、目的には競争力強化や事業多角化がある。企業買収には友好的買収と敵対的買収があり、前者は経営陣との合意を経

M&Aのプロが振り返る2024年のM&Aニュース&2025年予測

M&A全般
M&Aのプロが振り返る2024年のM&Aニュース&2025年予測

日本M&Aセンターの中でも業界経験が豊富な2人が、世の中の企業のM&Aニュースを紐解き解説する「M&Aニュースサテライト」。今回は「2024年のM&Aニュースの振り返りと2025年のM&A動向の予測」をテーマに解説します。※本記事はYouTube動画の内容を編集してご紹介します。解説動画のポイント2024年のM&A市場は大きく変化し、特にTOBやMBO案件が目立つ年であった。特に「同意なき買収提案

会社を売りたい。会社売却で知っておくべきポイントとは

事業承継
会社を売りたい。会社売却で知っておくべきポイントとは

事業を継いでくれる後継者が見つからない場合、残される選択肢は廃業、そして会社の売却です。本記事では、会社売却の動向、会社売却のメリットなどを整理したうえで、売却時の注意点や全体の流れについて解説します。この記事のポイント2025年には70歳以上の経営者が245万社に達し、約127万社が後継者不在。M&Aによる会社売却が成長加速の選択肢として注目されている。会社売却の主なメリットは存続、経営者の負担

「事業譲渡・買収」に関連する学ぶコンテンツ

買収先の本格検討・分析

買収先の本格検討・分析

買収先の探し方でご紹介したように、買い手はノンネームシート、企業概要書で買収先についてM&Aを進めるかどうか検討します。本記事では、買い手が企業を検討する際流れと、陥りがちな注意点についてご紹介します。この記事のポイント買い手がM&Aを進める際、最初にノンネームシートや企業概要書を通じて対象企業を検討し、提携仲介契約を結んだ後に質疑応答を行う。M&Aの目的を明確にし、買収先にすべての問題解決を求め

買収先の探し方

買収先の探し方

買い手の相談先でご紹介したように、M&A仲介会社などパートナーを選定したら、いよいよ買収先の候補企業を探すステップに移ります。本記事ではM&A仲介会社を通じてお相手探しを行う主な方法について、日本M&Aセンターの例をもとにご紹介します。この記事のポイント買収先の探し方には「譲渡案件型」と「仕掛け型」の2つがあり、譲渡案件型ではノンネームシートや企業概要書を通じて情報を開示し、秘密保持契約を締結する

買い手がM&Aを行う目的

買い手がM&Aを行う目的

買い手の買収戦略には様々な目的があります。M&Aの成功に向けて、押さえておきたいポイントを確認していきましょう。この記事のポイント買い手がM&Aを行う目的には、市場シェアの拡大、事業領域の拡大、事業の多角化、人材獲得・技術力向上、効率性の向上がある。買収により、企業は迅速に成長を加速し、顧客ベースや販売チャネルを拡大することができる。M&Aにはコストや中長期的な取り組みが必要で、成約後の経営統合計

M&Aニュース検索

注目のM&Aニュース

最新のM&Aニュース

日付別M&Aニュース

2024年5月
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031

月別M&Aニュース

注目ニュースワード