鈴与商事、完全有機の吸水性ポリマー開発のEF Polymerと資本業務提携
鈴与商事株式会社（静岡県静岡市）は、EF Polymer株式会社（沖縄県国頭郡、以下：EFP）と、同社が製造する100％オーガニック由来の吸水性ポリマー「EFポリマー」※の用途及び需要開発、並びに同社製品の販路開拓を目的に業務提携基本契約を締結し、あわせて同社が発行する第1回無担保転換社債型新株予約権付社債を引き受けたことを発表した。
鈴与商事は、石油・ガス・電気などのエネルギー供給、太陽光発電・蓄電池・CO2可視化サービスなど、顧客の脱炭素化に資する商材やサービスなどの提供、建設資材や化学品、製造現場の省人化・自動化および事務所内の業務デジタル化を支援するソリューション提案など、総合商社として様々な商材やサービスを展開している。
EFPは、オレンジやバナナの皮など、従来捨てられていた残渣をアップサイクルし、100％オーガニックの超吸水性ポリマーの「EFポリマー」を農業資材として製造・販売している。
背景・目的
EFPは、沖縄科学技術大学院大学（OIST）発のベンチャー企業として、オレンジやバナナの皮といった作物残渣を原料とした超吸水性ポリマー「EFポリマー」を製造している。
同商品は100％オーガニック由来の原料を使用しているため、約12か月で完全に生分解されるため、従来の石油由来の吸水性ポリマーでは実現できなかった農業用地での活用や、生分解特性を活かした原料用途への開発が期待されている。
鈴与商事は、静岡県菊川市で市内の学校給食他の食品残渣等によるメタン発酵バイオマスプラントを運営し、プラントから排出される発酵残渣を肥料として地域の農業に還流する取り組みを始めている他、関連会社に農業法人「ベルファーム株式会社（静岡県菊川市）」を持ち、トマトやアスパラガスの大規模農場生産に取り組んでいる。
今回の資本業務提携を通じ、気候変動により干ばつに見舞われている全国の圃場や、メタン発酵残渣由来の肥料との混合施用による農業をはじめ、鈴与商事の様々な事業分野において「EFポリマー」の用途開発に協力するとともに、販路開拓を支援・推進していく。
本提携の概要
- 「EFポリマー」の肥料用途の共同開発
- 「EFポリマー」の農業向け用途開発
- 「EFポリマー」を原料とした製品開発
- ココピート（ヤシ殻培地）の用途共同開発
※「EFポリマー」の特徴
エコ・フレンドリー・ポリマーの略で、オレンジの皮など従来捨てられていた原料を活用して独自技術で開発された、完全有機の超吸水性ポリマー。完全生分解性を有し、農業資材として農地に適用した場合、6ヶ月間効果が持続し、およそ1年間で完全に土に還る。製造工程においても合成化学薬品を一切使っていないことから土壌や水質に悪影響を与えず、環境にやさしいことが特徴である。
