日本M&Aセンター

1.どうする?会社の跡継ぎ問題

経営者として引退する時期を迎えるにあたり、親族や役員・社員に託すことが難しい場合、事業を「第三者に託す」という方法をとるケースが増加しています。清算によるコスト面のみならず「従業員の雇用」や「取引先との関係」の継続を考慮すれば、M&Aのメリットはかなり大きいといえます。

気になる Q&A

Q.中小企業の社長はなぜ息子を後継者にしたがるのか?

自ら答えを見出す事もできず、適切な相談相手もいませんので、この場を借りて質問させていただきます。

私の父は年間売上げ30億、社員100名弱の機械メーカーを経営しています。株式は過半数を社長である父が、その他を親類で所有しています。

私自身は大学を卒業し、某大手機械メーカーにてエンジニアの道を歩みはじめたばかりの若造です。

父は私に、「10年後に跡を継いで欲しい」と言います。
私個人で物を考えるのならば、これは稀な、すばらしいチャンスかもしれません。

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しかし、なぜ中小企業の経営者は子に跡を継がせようとするのでしょうか?
父の答えは
「中小企業の社長はリスキーだ。リスクを好んで取る他人は少ない。それに身内が跡を継げば社内が納得し、幹部の争いも起きない。」「社長なんて本来は誰でもいいんだ」と。

私にはそれが全てとは思えません。
少なくとも資産や株式の問題、そしてエゴがあると思っています。

なぜ経験も実績もない息子に100人の社員とその家族をいずれ任せるという判断が、リスクがとれるのでしょうか?
なぜその判断が世間でも一般的なのでしょうか?
私にはその理由がわかりません。

どなたか、率直なご回答を頂ければと思います。

A.一般回答

私は、親戚の会社を経営しています。創業者が叔父で、その息子が一度は後を継いだのですが、結局やめたために私が引き受けました。

まず対外的に、子が継ぐのは会社にとってメリットが多いです。
(1)お客様、銀行、出資者(株主含む)にとって安心感があります。
だれだれの息子(娘)というのは絶対の信頼感があります。甥というだけで、取引が無くなった経験が私にはあります。
(2)従業員にとっても、安心感があります。
これはつまり、誰でも納得がいく人事だということです。他人をトップにすえると、(1)に対して納得いく説明が必要ですし、納得いかない場合には銀行、株主が実力行使をする可能性もでてきます。
また(2)に対して、他人がトップになればやはり、何でこの人が?という余計な詮索が起こり、やめる人もでるでしょう。

・資産の保全についてメリットがあります。
昔の田んぼと同じですね。先代(創業者?)が鬼籍に入れば、その子供に会社の権利(株など)が相続されます。でしたら、ほかの人に任せずに一族で運営したほうが最初からデメリットが少ないです。

・経営者は簡単には育ちません。
サラリーマンの方には失礼な話ですが、経営側に立ってみると、ものすごく物の見え方が違います。会社の従業員で、経営者になれる資質を持っている人を探すのはとても難しいのです。
もちろん、そのような素質を持った人を、従業員として使いにくいからという理由で、会社が潰していることもあります。

・親のエゴ
無いとはいいません。しかし、同業の集まりに参加しても、後継者で悩んでいる社長は多く、息子さんがいる場合の多くはその人がついでいます。

このような関係性が複雑に絡んでいます。貴方が引き受けるにせよ、やめるにせよ今の会社の状態をつかんでおく必要があります。10年後というなら、引き受けるかどうか1年ぐらいの猶予をもらって、自分なりに経営するということを勉強したほうがよいと思います。
 また、社長をだれがやっても同じというのは、右肩上がりに成長できた過去の話です。
いまは、社長こそ猛烈に勉強しなければ10年20年単位で会社を維持することは出来ません。

日本M&Aセンターからのコメント

中小企業の会社の経営者様の多くは、将来はご子息に会社の経営を引き継いでほしいと考えていらっしゃると思います。これは一般的なことで、特にご質問者様のケースが特別だとは感じません。

逆に、ご子息以外の方に経営をバトンタッチすることは非常に難しいといえます。なぜなら、会社の経営者は、同時にオーナー(所有者)でもあるためです。

経営だけを親族以外の人に任せて、オーナーとしての権利を継続するということができればよいのですが、上場会社でもなければ難しいでしょう。いずれ、経営サイドと、オーナーサイドで利益分配などに関してトラブルに成ることもあります。

それでは、経営と所有を同時に親族以外の人に任せればよいということになりますが、所有を移転するのも困難です。なぜなら、会社の価値は何億円にもなりますから、それを用意することができないのです。さらに、資産的背景がない親族以外の人だと、会社へ貸付をしている銀行も担保のつけかえに応じてくれないことがあります。結局、将来、株式を相続するであろうご子息に、経営を移転する以外に方法がないということです。

しかし、ご子息様ご自身が「この会社を経営したい」と考えられない場合には、M&Aによって会社を第三者に譲渡することも検討すべきと考えます。

Q.後継者不在の事業引継ぎについて

事業承継について質問です。70歳の親父が小さな会社を経営しているのですが、親父の会社を継ぎたくありません。ただ、従業員も雇っているし、借金もあります。後継者不在の場合、事業承継にどんな方法がありますか?
A.一般回答

取引先や仕入れ先を含む、同業者間などが適していますね。
従業員さんからは候補者が選出されないのでしょうか?

税理士や公認会計士、一部銀行の行っているM&Aは、財務視点の企業評価に留まり、大した結果は得られないのが現状です。
彼らは何よりも手数料商売ですから、それを多く稼げるかという傾向にありますので、事業経験がないことも手伝い、その様な結果になりやすいのです。

中小企業産業振興系の第三セクターも期待値は低いですね。

現社長や従業員さんの意向は如何なものなのでしょう。

日本M&Aセンターからのコメント

事業承継の方法は、「株式を上場させる。」・「後継者を探して、バトンタッチする。」・「M&Aによって企業を譲渡する。」の三つがあると考えます。それらが実行不可能な場合には、事業を廃業する他、方法は無いといえます。

ご質問者様は事業を引き継がれたくないとのことですね。
また、会社には従業員もいらっしゃるとのことですので、簡単に廃業するわけにはいきませんよね。
従業員に継がせることも、株式の買い取りができなかったり、担保や個人保証ができなかったりと、ハードルが高いのです。
そういった場合は、M&Aによって企業を譲渡するという手段があります。
M&Aを実行する場合には、ベストマッチングといえるお相手を探すことが重要です。適切なお相手とM&Aを実行できた場合には、お父様の会社も引き継がれ、事業として発展することが期待できます。また、会社を売却すると、一般的には廃業するよりも大きな対価を得ることができます。

まずは、早めに専門家にご相談してみるのがよいのではないでしょうか?

Q.家業を継ぐか迷っています。

私の父親は小さな製造会社を経営しております。
しかし、私はもとから家業の業種にはまったく興味はなく(わがまま?)、継ぐ遺志はまったくありませんでした。

数年前、とある事情があり、父親の会社に入社することになり、5年間ほど在籍しておりました。その際、改めて家業の状況が厳しい(業種的にも)と思いました。

そして去年、本来自分の目指したい業種に転職をいたしました。
このときに初めて、私は知らないうちに会社の取締役にされており、跡取りとして考えていた、ということをしりました。
ですが、交渉の結果、転職を許してもらえました。

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そしてこのたび6年以上交際している女性と結婚をしようと思いまして、家なども借り替えないといけなく思い、家を借りる際の保証人になってくださいとお願いしにいきました。
しかし、父親はここへきて遠まわしに家業に戻ってほしいと言い出したのです。

家業に在籍していたころ、自分の仕事に対する未熟さ、世間の狭さ、を痛感し、どのみちこの会社をつぐにしても私には力不足だなぁ、と痛感していた面もあり、家業を継ぐにしても、外で働くにしても、このままだとまずいな、生きてく自信ないな・・・と思っていました。

さらに、家業は父親の技術力のみで成り立っていて、営業活動等しなくても「つて」をあたることで、ぎりぎり経営しているという状況です。
むしろ、経営が厳しいのに、事業の方向の見直しすら考えてないようです。

なので、それが自分にとって有利な道とはどうもおもえないですし、おそらく私が事業継承したところですぐに倒産は免れないと確信しております。

それに、ようやく私も自分自身と向き合って生きるようになって、先々の展望を考え、意欲的に物事を考えていたところです。だから、家業を継ぐということを断りたいと思うのですが、

反面、
今まで自分が何不自由なく飯を食ってこれたのも、学校に行けたのも父親と家業のおかげですし、家業をつがないと父親が悲しむのでは?
家業をつがないと、私と婚約者が身内から村八分にされるのでは?
こんな状況の会社を自分が変えるべき?

という、
感情感謝同情世間親族といった自分以外に対して義務的に気をつかうような考えが湧いてきて、どうにも頭の中が鍋みたいに沸騰しています。

みなさんだったら、この場合どうお考えになりますか?
やはり、家業を継がないのは甘えでしょうか?
それとも、自分の道を歩くのは正しいことなのでしょうか?

どうかアドバイスをよろしくお願いいたします。

A.一般回答

あなたが本当にやりたいことをすべきではないでしょうか。
彼女を親戚から守るのはあなたです。自分の意志をはっきり宣言しその選択に彼女は従ってくれるのだとするのなら。

お父様との話し合いをよくすべきです。会社を立派にやってこられたことや技術力、育ててくれた事に感謝と敬意をはらいつつ、在籍した折に見聞したことや自信の未熟さや力不足を痛感したことをありのままに話し、自分がここではやっていけないしまして潰すわけにはいかない、自分の道を見つけていつか親父のようになりたいんだと敢えて厳しい状況に向かうべきだと思います。

「有利」と言われてますが、人生をそんな基準で物事を判断すべきではないと思います。
厳しいことを書きましたが、これからをともにする彼女ともよく相談して決めてください。

日本M&Aセンターからのコメント

会社の経営が業種的にも厳しいとのことですが、近年、特に製造業では「海外へのシフト」や「IT化」によって単独での生き残りが難しい中小企業が増えています。

我々、M&Aの専門会社がお勧めするのは、M&Aを実行できるかどうか一度お相手探しをしてみるというものです。そもそも、M&Aで良いお相手が見つかるのは簡単なことではありません。

お父様も納得するよいお相手が見つかって、M&Aで事業が存続すればそれはすべての関係者にとって良い結果だと思います。ご質問者様も、ご自身の好きな仕事ができます。

もし、M&Aを進めるなかで、やはり自分で引継ぎたいと考えれば、その時は引き継がれるかどうかを再度考えればよいと思います。今現在、ご質問者様は家業に魅力を感じておられないようですが、M&Aを実行する工程において会社のよいところが見えてくるはずです。「嫌だ。嫌だ。」と思いながら経営されても、これからの発展は難しいと思いますが、「やっぱり、やってみたい。」と思えるようになれればそれは、一つの成果だと思います。

ご自身の方向性が定まらず、思い悩んで日々を過ごされるのは本当に大変かと思います。是非、我々にお手伝いできることがあれば幸いです。

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