【外食業界最大手企業の大型M&A】ゼンショーホールディングスのロッテリア買収について
⽬次
- 1. ゼンショーホールディングスについて
- 1-1. ゼンショーホールディングスの主なМ&A
- 2. ロッテリアについて
- 3. まとめ
- 3-1. 著者
こんにちは。日本М&Aセンター食品業界専門グループの水上雄斗です。
当コラムは日本М&Aセンターの食品業界専門グループのメンバーが業界の最新情報を執筆しております。
今回は先日リリースされたばかりのゼンショーホールディングスによるロッテリアの買収に関してのレポートをお送りさせていただきます。
ゼンショーホールディングスについて
まず、ゼンショーホールディングスについて解説させていただきます。
2022年3月期のゼンショーホールディングスの売上高は6,585億円で、日本を代表する外食企業であり、外食業界最大手の企業です。
牛丼の「すき家」で有名なゼンショーホールディングスですが、その他展開しているブランドとして「はま寿司」、「なか卯」、「ジョリーパスタ」、「ココス」等複数の人気ブランドを展開しております。
上記で紹介した「すき家」と「はま寿司」以外のブランドに関してはM&Aによって買収し、ここまで規模を拡大してきました。
ゼンショーホールディングスは過去に何度もM&Aを行ってきておりますが、他社の買収は、2019年6月のマレーシアのチキンライス専門店「The Chicken Rice Shop」以来、公表ベースでは約4年ぶりのM&Aとなります。
ゼンショーホールディングスの主なМ&A
- 2000年 ココスジャパンを譲受け
- 2001年 ぎゅあんを譲受け
- 2002年 ココスジャパンがビッグボーイジャパンを譲受け
- 2005年 なか卯を譲受け
- 2006年 米国内におけるココスレストランを展開する企業を譲受け
- 2007年 ジョリーパスタを譲受け
- 2008年 華屋与兵衛を譲受け
現在、グループ傘下にハンバーガーを展開している業態は保有していません。
かつて、2002年にダイエーからハンバーガーチェーン『ウェンディーズ』を買収し、黒字化して運営していたものの、今後の成長は見込めないとしてフランチャイズ契約の満了を機に2009年に撤退しております。
寡占の進んでいる国内のハンバーガーチェーン店に対し、これからゼンショーホールディングスが自社ブランドで対抗することは難しいと考えられます。
国内で約50年の歴史があり、既に相当数の店舗を展開している「ロッテリア」の買収により、国内基盤を強化するとともにブランド力を活かした海外展開の加速も想定されます。
ハンバーガーチェーンの強みは提供までの時間がとても短いことです。また、テイクアウト・デリバリーも対応可能なためこのご時世に適している業態です。
ロッテリアについて
ロッテリアは、ロッテホールディングスの完全子会社です。
ロッテホールディングスは、グループにて菓子、アイスクリーム、健康食品、雑貨の製造・販売等を行っております。
ちなみに、店名の『ロッテリア』の語源は“ロッテ”と“カフェテリア”を組み合わせたことからきているそうです。
ロッテリアは1972年に設立され、日本橋に1号店をオープンしました。
全国にハンバーガーを中心とするファーストフードチェーンを358店舗展開しています。(2023年1月1日時点)
日本国内のハンバーガーチェーン店の店舗数のランキングでは、1位マクドナルド、2位モスバーガー、3位ケンタッキーに続く第4位となっております。
また、ロッテリアは国内だけではなく、アジアでの展開も積極的に進めており、韓国、台湾、ベトナム等に店舗展開しています。
ロッテリアとしてはゼンショーホールディングスのグループなることにより、様々なシナジーが想定されます。
- 食材調達、物流網をゼンショーホールディングスと共有することによりコスト削減に繋がります。
- 店舗運営に関しても多種多様なブランドを展開しているノウハウを取り入れることによって更なる拡大も期待できます。
- 海外展開に関してもゼンショーホールディングスは積極的に行っております。2022年3月期342店舗、2021年3月期294店舗、2020年月期344店舗とコロナ禍でも積極的に出店しておりました。今後の海外展開の加速にも期待できます。
まとめ
日本国内の市場は少子高齢化により、シュリンクしていくことが想定されるため海外戦略を強化していく企業が増えております。世界的には人口は増加しており、日本市場のシュリンクとは対照的に人口が増え、今後拡大していくと予想される地域もあります。
自社単独での成長だけではなく、経営の選択肢を広く持つためにもM&Aについて一度考えてみられてはいかがでしょうか。
いかがでしたでしょうか?
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