2024年3月の物流トラック運送業界M&Aを読み解く
⽬次
- 1. 物流業界の2024年3月の公表M&A件数は10件
- 2. 物流M&Aトピックを考察
- 2-1. 低温物流市場への期待
- 2-2. 2024年問題も影響か
- 2-3. 著者
物流業界の2024年3月の公表M&A件数は10件
2024年3月において公表ベースでのM&A(合併・買収・資本参加)は10件であった。
2023年3月(7件)と昨年比では3件の増加になった。
物流M&Aトピックを考察
3月で大きく印象に残っているのはAZ-COM丸和ホールディングスが、C&FホールディングスにTOB(株式公開買い付け)を実施し子会社化を目指すと発表した事例ではないだろうか。
アマゾンジャパンの配送を手掛けるAZ-COM丸和HDが低温食品物流に強みを持つC&FHDに対して買収提案を実施。
AZ-COM丸和HDはM&A(合併・買収)などで輸送能力を強化し、「売上」2,400億円まで伸ばす中期経営計画も策定しており和佐見社長は「1,000億規模のM&Aを進める」と公言していた。
AZ-COM丸和の2023年3月期の連結売上高(営業収益)は1,778億円。 C&Fは1,133億円で、M&Aが実現すると単純合算3,000億円弱の規模となり物流主要企業の上位20社に位置することになる。
低温物流市場への期待
この背景には、今後の低温物流市場へのポテンシャルに期待していると考える。
冷凍食品の需要の増加、また、食料品を中心に物価が上昇し続けていることから、低温食品物流業界の市場規模は今後も拡大する見込みがあると分析している。
2024年問題も影響か
更には、物流の2024年問題をはじめとする経営課題への対応や人手及び稼働車両の不足が迫る業界全体の課題に差し迫っている事も買収を加速させた要因と言える。
3月に関しても大手を中心に買収を継続的に行っており4月以降も更なる業界再編が加速していくと見ている。
ただ、これは大手物流企業に限った話ではなく日々、お会いする中小・中堅の物流企業は第三者との提携をポジティブに捉えている印象がある。
自前での成長に加え買収・譲渡(大手へのグループ入り)で得られるメリットを明確にし、選択肢の一つとしてM&Aを考える企業が増えてきている。
まずは、M&Aの事例や動向、また自社の可能性を見つける為にもお気軽にお問い合わせいただきたい。