2024年7月の物流トラック運送業界M&Aを読み解く

荒瀬 貴文

日本M&Aセンター業種特化1部

業界別M&A
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物流業界の2024年7月の公表M&A件数は17件

7月における公表ベースでのM&A(合併・買収)は17件でした。
前年同月の8件から9件の増加となります。

2023年1~7月のM&A件数は48件であったのに対し、24年の1月~7月のM&A件数は74件と急激に増加しており、先月に続き大手、中小を問わず運送事業を対象としたM&Aがハイペースで進んでいます。

まさに「2024年問題」を背景に買収が加速しているのが明らかです。

2024年問題で物流・運送業の買収が加速

実際に、半年余りで昨年のM&A件数に並ぶ勢いになっています。
今年の物流業界のM&Aは同業とのM&Aだけでなく異業種への進出、物流事業の内製化、物流子会社の切り離し、海外進出など多くの特徴的なM&Aが行われています。

業界全体が課題の解決策や更なる成長戦略を模索していることがうかがえます。

SBSホールディングスは、日本精工(NSK)との間で、NSKが保有するNSKロジスティクス(東京都品川区)株式の66.1%を譲受することに合意し、7月1日に株式譲渡契約を締結した。
これは21年に実施した古河物流以来の物流子会社の買収でした。

今年に入り、このような上場企業の大規模な同業への買収が続いています。

一方、異業種のM&Aでは運送事業の磐栄ホールディングス(福島県いわき市)が美容室運営のモリビューティコーポレーション(同)を6月24日付で買収した。

いわき市で美容室4店舗を展開しており、磐栄HDはエステなどの総合的な美容業へ参入を目指す。

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会社規模・業種問わず買収意欲高まる

このような物流の領域を超えた買収もトレンドであり、大手のみならず物流企業各社では公表された件数以上に買収意欲が高まっていると感じています。

このような背景から先を見据えて、戦略的譲渡のご相談をいただくことが増えています。
現在は多くの譲渡検討企業にとって、選択肢と相手先を選ぶチャンスが多くなっているとも感じています。
まさに「業界再編」へ向けた動きは止まらない状況が進行しているのではないでしょうか。

日本M&Aセンターでは、事業売却をはじめ、様々な手法のM&A・経営戦略を経験・実績豊富なチームがご支援します。詳しくはコンサルタントまでお問合せください。

著者

荒瀬 貴文

荒瀬あらせ 貴文たかふみ

日本M&Aセンター業種特化1部

運行管理者資格保有(関東貨物第46628号) 1994年生まれ、島根県出身。新卒で第一生命保険に入社、リテールセールに従事した後営業マネジメントに携わり、日本M&Aセンターに入社。物流業界専門チームにて主に物流企業のM&A支援に携わる。

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