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三菱鉛筆、ドイツの高級筆記具メーカー Lamy社を買収

更新日:

三菱鉛筆株式会社(7976)は、2024年2月28日開催の取締役会において、C. Josef Lamy GmbH社(ドイツ、以下「Lamy社」)の全持分を取得し、連結子会社化することについて決議した。

三菱鉛筆は、筆記具事業、産業資材事業、化粧品事業を展開する。

Lamy社は、ドイツ ハイデルベルクに本社を置き、筆記具の製造および販売を行う。

Lamy社の株式取得(連結子会社化)の目的

三菱鉛筆は中期経営計画2022-2024において、「筆記具事業のグローバル化」を重点方針の一つとして設定し、海外への販売体制を整備するとともに、各拠点におけるマーケティング機能の強化に努めてきた。これらの活動を通じて、海外市場での販売実績を積み上げることができ、2023年12月期における当社グループ連結での過去最高売上高の更新という結果につながった。

他方、グローバルに事業を俯瞰(ふかん)してみると、同社のシェアは依然として拡大の余地があり、とりわけ欧州市場におけるシェアは重要な事業戦略の一つであることから、さらなる販売体制の強化を目指している。

今回のLamy社の持分取得を通じて、この課題への取り組みを深化していく。なお、本件持分取得による主なシナジー効果は、以下の通りに考えている。

(1)海外における販売体制のさらなる強化
本件持分取得は、三菱鉛筆のさらなるグローバル化において、中でもLamy社が拠点を置く欧州市場におけるシェアの拡大に寄与する。

(2)Lamy社が持つブランド力の獲得
三菱鉛筆は、Lamy社が得意とする中価格帯~高価格帯の製品ラインナップを扱うことによって、幅広い商品展開を実現し、売上の拡大につながる。また、Lamy社が得意とする高価格帯のブランディングやマーケティングといった手法を取込み、新たな展開につなげることができる。

(3)Lamy社が持つデザイン力の獲得
三菱鉛筆が持つ機能性に優れた筆記具と、欧州を中心とする海外市場のユーザーが好むデザインを融合した商品開発が可能となり、新たな商品開発及び市場開拓につながり、売上拡大に寄与できる。

(4)Lamy社が持つ技術力の獲得
本件持分取得により、両社がそれぞれ保有する技術的知見の組み合わせによって、これまでにないユニークな商品開発につなげていく。

(5)両社で持つ商品カテゴリーの重複のなさ
両社がそれぞれ保有する商品ラインアップは、カテゴリーや価格帯において重複が少ないというメリットを最大限生かし、欧州市場のみならず、北米、日本、アジアをはじめとする各市場においても、両社の保有する販路を活用しグローバルでの販売強化を達成する。

持分取得の概要およびスケジュール【取得する持分、取得価格及び取得前後の持分の状況】

(1)異動前の持分 0.0%(議決権所有割合:0.0%)
(2)取得する持分 100.0%(議決権所有割合:100.0%)
(3)異動後の持分 100.0%(議決権所有割合:100.0%)

日程

取締役会決議日 2024年2月28日
契約締結日 2024年2月28日
株式譲渡実行日 2024年3月15日

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