関西ペイント、新世代バイオ素材開発のSpiberに出資
関西ペイント株式会社(4613)は、Spiber株式会社(山形県鶴岡市)と、構造タンパク質を用いた塗料分野の新素材、新技術の開発に向け、投資契約を締結するとともに、Spiberが実施する第三者割当増資の引き受けにより、同社株式を取得したことを発表した。
Spiber は、2007年9月に創業した、構造タンパク質「BrewedProtein™素材」を開発する、山形県鶴岡市に拠点を置くバイオベンチャー。現在、タイ・ラヨン県にて Spiber初となる量産プラントで Brewed Protein™ポリマーの生産を開始し、段階的に生産量を拡大していく予定。
出資の背景と今後の展開
Spiberが開発・生産を行う人工構造タンパク質素材「Brewed Protein™」は、従来の動物由来、化石燃料由来の合成素材に代わるソリューションであり、また、従来の植物由来の素材には無い特性を付加することも可能で、次世代の素材として期待されている。
関西ペイントグループでは、塗料を持続可能な資源へ転換していくことは、事業活動や地域社会にとって不可欠であると認識しており、2050年ターゲットのマテリアリティ(重要課題)のひとつとして「資源と経済循環両立の高度化」を掲げている。
Spiberと関西ペイントは、かねてよりサーキュラーエコノミーの実現に向けた理念を持ち、それぞれ事業活動に取り組んできたが、今回、共通理念の実現のために共同研究を行うことについて合意した。
本契約締結により、関西ペイントがこれまでの塗料開発で培ってきた技術に、Spiber独自の技術プラットフォームおよび開発・生産を行う人工構造タンパク質素材「Brewed Protein™」を融合させることにより、両社は今後、社会課題の解決に向けた新素材、新技術の開発・実現を目指す。
なお、関西ペイントでは、今後もグループ戦略として、「インド・欧州等の注力事業・分野の強化」「BtoBビジネスへのシフト」を進めながら、成長分野への積極的な投資についても遂行していく。