[M&A事例]Vol.144 創業2期目のスタートアップ企業が更なる成長実現のため譲渡。ジャフコグループと共に短期間でIPOを実現
創業2期目にして成長を加速させるべく、日本を代表するベンチャーキャピタルへのグループインを選択し、IPOを実現したAVILENの成長戦略を伺いました。
譲渡企業情報
譲受企業情報
※M&A実行当時の情報
2008年12月、当社がお手伝いしてM&Aを実行された2社をお迎えし、M&Aを決意された理由や当時の心境などをお聞きしました。
荒牧様: タスは「食と健康」をテーマに、栄養管理のオリジナルパッケージソフトをはじめとした業務系ソフトウェアの開発・販売を主な事業としております。おかげさまで創業から21年間、安定した実績を残してきました。現在約3,000のユーザーを抱えるまでに至っており、業界では一定の評価を頂いております。会社を立ち上げてからしばらくは私一人で経営しておりましたが、業務範囲が拡大してきたころから夫(前専務)にも経営参画してもらい、これまで二人三脚で経営してきました。 しかし数年前から高齢の両親の世話をするようになって、毎日が忙しくなってきました。同時に「会社もそろそろ若い人達にバトンタッチしていかないと…」と考えるようになりました。息子は医師として病院に勤務しており会社のことはわかりませんし、継ぐ気もなさそうです。社員への継承も考えましたが、顧客ニーズの変化への対応やさらなる技術力の向上、そして社内体制の一層の強化等を考えると、負担が重すぎるのではないかと感じておりました。今後の会社の存続と更なる発展を考えたとき、M&Aによる第三者への承継もあると知り、中小企業M&Aに実績のある日本M&Aセンターに相談することにしました。
勝屋様: ウィズソフトはソフトウェアの企画開発企業です。「システム開発」「ネットワーク技術」「システム エンジニアリング サービス」の3つの領域で、Web系・通信系・制御系・オープン系等の開発を行っています。当社の持つ開発ノウハウとタス社の持つ業務ノウハウをそれぞれ融合させた上で、両社の持つネットワークを共有化すればシナジーが大きいと考えました。新商品開発にもつながるでしょうし、グループ企業として相互補完しながら総合力強化が期待できると考え、資本・技術提携を決めました。
荒牧様: 以前から、経営陣にも若い方の感性と活気を取り入れていきたいと考えていました。ウィズソフトさんの勝屋社長の年齢が40代前半、従業員の方々の平均年齢も30歳前後と若くて勢いを感じられる企業だなということで、第一印象から好感を持ちました。また最近技術的な対応の面で顧客から求められていること、困っていることを中心に相談したのですが、ウィズソフトさんと組むことでほとんど解決できるということもわかり、今回のような形でお願いすることにしました。
荒牧様: 譲渡後、社員のモチベーションが心配でしたが、新たな経営陣を迎えて「会社が新しく生まれ変わるんだ!」と仕事に意欲を燃やしている様子が伺えましたし、勝屋社長自らきっちりと引き継ぎを担当なさっていただきましたので、私も安心して引退を迎えることができました。 経営の引継ぎ期間を終えた今では、私の両親の世話に専念できるようになり、かつゆっくりと時間を過ごせるようになったことを嬉しく思います。夫も「経営に携わっているときは休日も休んだ気がしなかった。けれども引退後は自由になった。何より時間持ちになれたのが嬉しい。」と喜んでおります。 私どもは大山(だいせん)にささやかながら別荘をかまえておりますが、以前は休日が取れれば泊まりに行く程度でした。今は何の気兼ねもなく、気が向いた時に泊まりに行くことができます。また落ち着いて暮らせるようになったためか、ご近所付き合いの中で新しいつながりもできています。 また幸いにも夫ともども健康なまま引退できましたので、自転車を車に乗せて琵琶湖畔サイクリングに出かけるなど、楽しい時間を過ごしております。日本M&Aセンターへの最初の譲渡相談から一年以内にこのようなすばらしい企業との提携に導いていただき、穏やかな生活が送れるようになったことを大変嬉しく思っています。
勝屋様: 当面は、現状のタス社の取引先様である病院、福祉施設や学校などエンドユーザー様との信頼関係を強化するとともに、両社の事業基盤の共有化に専念いたします。新体制を早急に軌道に乗せ新しい取り組みへ着手し、更なる発展ができるよう舵をきっていきたいと思います。これからが本当に楽しみです。
この事例は日本M&Aセンター社長三宅の著書『会社・社員・お客様 みんなを幸せにするM&A』に掲載されています。
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