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東北(青森・岩手・秋田・宮城・山形・福島)地方のM&A案件の特徴
後継者不在は多いがM&Aは活発とはいえない
東北地方のM&Aに目を向けますと、他の地域と比べて件数は多くはありません。
東北の中でよりフォーカスしてみると、仙台を有する宮城県でのM&A件数は多いのですが、都道府県単位では全国トップ10に入る規模には至りません。一方で、他の地域と同様、高齢化が確実に進んでいます。
譲渡理由としても事業承継や資本提携での成長戦略を理由にご相談をされる企業様が多く見られます。一方で、M&Aは”身売り”や”ハゲタカ”というイメージが未だ強い企業様も多くあります。
財務省のデータによれば、2015年の就業人口を100とした場合、東北地方は70との予想になっています(全国平均は80)。潜在的にはもっとM&Aが行われていてもおかしくない地域です。
近隣でのM&Aが多い
東北地方はとても広いです。青森~福島までの6県の面積は、本州の約3割を占めています。東北新幹線沿いは比較的移動しやすい反面、その他の地域は移動に時間がかかります。東北の会社で行われたM&Aの事例を見ると、やはり近隣エリア同士の事例が多く存在します。青森県の会社でしたら、山形や岩手、北海道の会社が視野に入ってきます。福島県であれば、宮城県はもちろん、関東の会社も検討されます。震災復興から次の一手
2011年の東日本大震災が東北地方に大きな変化を与えたのは間違いありません。
M&Aという視点で見ると、土木工事の会社を中心に復興作業が長らく進められてきていましたが、10年を経過した今、復興需要もピークアウトしてきており、土木建築の会社は次の一手を探す動きが見られます。
例えば、福島県に売上高約110億円の佐藤工業というゼネコン(土木・建築)の会社があります。規模が規模だけに、地元では「超」名門企業でした。復興関連に伴う工事増など復興需要もあり、売り上げも順調だったようですが、2019年12月、戸田建設のグループ入りが決まります。県内を中心とした受注ではやがては規模が縮小していき、成長するためには更なる技術の獲得や他県での受注を狙っていく必要があり、戸田グループ入りをご決断されたようです。
こうした事例のように大手企業の傘下に入り経営の安定を目指す方。他社を買収する側として、他地域での事業展開を目的に検討されている方。
現在の事業とはまったく異業種に参入、もしくは提携によって新しい可能性を模索される方、様々な次の一手を検討する経営者の方が東北地方にもたくさんいらっしゃいます。