マレーシアM&Aのポイント
日本企業にとって、親日国家であるマレーシアは様々な観点から投資先として非常に魅力的な国の一つです!
積極的な投資誘致施策、良好なビジネス/住環境、安定した経済成長、「ハラル」をキーワードにイスラム市場のゲートウェイとしての活用など、投資先としてのメリットが多数存在します。
加えて、中小企業含め全ての企業が監査を義務付けられていることから、会計・財務の透明性も高く、M&Aの難度は他のASEAN諸国に比べ低いと言われています。
そんな東南アジアのエネルギッシュな面を享受しながら、避けるべきリスクが少ない"優秀な国マレーシア"で、
M&Aを検討する上で知っておくべき・留意するべきポイントを、日本M&Aセンターグループが実際に支援した事例のノウハウも交えながらまとめています。
株主関係
最低資本金/最低投資額
なし(特定業種を除く)
株主
1名以上
株主の要件
なし
機関関係
会社組織
無限責任会社と株式有限責任会社があるが、株式有限責任会社が一般的。
非公開会社については、定款において、下記の条件が定められる。
- 株式譲渡制限
- 株主数を50名以下に限定
- 株式、社債の公募を禁止
- 金銭出資を公衆から募ることの禁止
設置機関
- 株主総会
- 取締役会
- 監査役
- セクレタリー(会議体の運営、株主名簿の管理などを行う。居住要件あり)
総会
定款に定めのない限り挙手。挙手に異議がある場合は、投票となる。
決議
- 普通決議:50%超
- 特別決議:75%以上
取締役
マレーシア居住者(雇用パス取得者を含む)が最低1名以上必要。
外資規制とM&A手法
外資規制
過去にはブミプトラ政策に基づく外資規制が広く存在していた。現在も一部は残っているが、多くの分野で外資規制が緩和されている。
ただし、外資規制の撤廃前の出資比率の変更については各当局により判断される。また、許認可取得時に事実上課される条件等がある。
水、エネルギー、電力供給、放送、防衛、保安等、国家権益に関わる事業においては、外資参入が制限されている。
上記以外でも、卸売業・運送業等一部の事業において、外資企業が親会社となる場合注意すべき条件がある。
外資誘致政策
マレーシア投資開発庁(MIDA)への申請により、奨励業種である製造業、農業、観光業(ホテル業を含む)と、 特定サービス産業およびR&D(研究開発活動)、職業訓練事業、環境保護事業を対象として、優遇税制措置が受けられる。
代表的なM&A手法
- 株式取得(公開買付・株式譲渡)
- 事業譲渡(全部譲渡・一部譲渡)
- SOA(スキーム・オブ・アレンジメント)
- 新株発行(第三者割当)
その他留意点
言語の規制
当局提出書類については現地語(マレー語)が必要。
労働関係
解雇には正当な理由が必要。
土地
ブミプトラ、政府の保有分が希薄化される場合で、対象不動産が2000万リンギ以上の場合、経済企画庁の承認が必要。
RPGT(不動産売却益税)
不動産の売却、または不動産が資産の多くを占める企業の売却時に、売却益に課税する制度が2010年より導入されている。 (原則、売主負担だが、条件交渉に影響するケースが多い)
印紙税
支払金額のうち、0.3%の税金がかかる。(原則、買主負担だが、条件交渉に影響するケースあり)
- 本記載事項は、特段の注記が無い限り、非公開会社に限定させて頂いております。
- 本記載事項は、2024年5月時点の情報に基づくものです。
- 本記載事項は、一般的な理解を深めるため取りまとめた抜粋であり、全ての規制・法令を言及したものではありません。
- 本記載事項の正確性・網羅性・妥当性について当社は保証しません、またその使用から生じた如何なる事項に関しても当社は一切の責任を負いません。