当社支援実績&経営者インタビュー
「次代を創る」というミッションを掲げ、
総合人材サービスを通じて、社会の“困った”を解決。
TOKYO PRO Market上場で信用力を高め、
/>ビジネスの多様化や海外事業強化を視野に入れている。
株式会社エージェントのTOKYO PRO Market上場
- 上場日
- 2020年4月28日
- 証券コード
- 7098
- 代表者
- 四宮浩二
- 所在地
- 東京都渋谷区
- 設立
- 2004年4月
- 売上高
- 2,658百万円(2021年1月期)
- 従業員
- 257名(2021年1月時点)
- URL
- https://agent-network.com/
東京都渋谷区に本社を置く株式会社エージェントが、2020年4月28日、東京証券取引所が運営するTOKYO PRO Market(TPM)に上場しました。“人づくり”の企業として事業展開を積極的に目指している同社の四宮社長から、TPM上場を決断した背景や上場により得られた社内外での効果、ならびに今後の展望について伺いました。
株式会社エージェントの
Tokyo Pro
Market
上場インタビュー
上場について、これまではどのようにお考えでしたでしょうか。
(株式会社エージェント 四宮社長)
社員数が増えてくると、当然、会社の信頼性や信用性というものも問われてきますし、社員としてもちゃんとした会社に勤めたいという気持ちもあると思うので、社会に認めていただけるような会社になるための選択肢として、上場を考えてはいました。
しかしながら、通常、上場というと、外部株主に入っていただくなかでパブリックになっていくので、そのような体制になっても本当に自分たちがやりたいことを追求できるのだろうか、という疑問がずっとありました。というのも、株式を購入する方々に「何で購入されたのですか?」と質問したら、10人中8、9人は「お金を儲けたいから、株価が上がることを期待しているから」と回答されると思うのです。そうなると、やはり近視眼的というか、今期の利益がどうなのか、もうちょっと利益を出さないといけないのではないか、というようなバイアスがかかってしまう。そこに目がいってしまうと、本当に追求したいところからどうしても目が逸れてしまうのではないか、という不安がありました。そのため、上場という選択肢は当社にはちょっと向かないのかな、という思いもありました。
そのような中で、TPMへの上場を決断された背景を教えてください。
(株式会社エージェント 四宮社長)
ある時、TOKYO PRO
Marketの存在をご縁あって知ることになりまして。そこで伺ったのは、流動性規制やあまり厳しいガバナンスがなく、会社が実現したい方向で会社を経営しつつ、パブリックな会社としても認めていただける、そのような株式市場があるという話だったのです。
それであれば、経営としても理念追求型の経営もできますし、社員も上場企業に勤務という形になりますので、非常によいのではないかと思い、TOKYO
PRO Marketへの上場に向けて舵をきっていこうと決断しました。
上場準備で苦労されたことを教えてください。
(株式会社エージェント 四宮社長)
規程などで定めていることが現実と即していないという部分を、思っていたよりも指摘されました。自分たちではやっているつもりになっていたけれど、実際にはできていない部分もありましたし、外部の取締役や監査役などに参画していただくようになって、外部の目からみるとまだ至らない部分も多かったのです。そういう部分を一つ一つ修正していくことが、この約2年で一番苦労したことです。
しかし、ただ「上場できればいいや」という気持ちで上場を目指していたのではなく、きちんとガバナンスが効いている会社を作っていきたいという思いを持っていましたので、J-Adviserからアドバイスをいただきながら、会議体の運営や稟議、ルールなどひとつひとつをとっても、誰の目から見ても正しい・確からしい経営ができるようになったことは、とてもよかったなと感じています。
上場後、社内外での変化はありましたか?
(株式会社エージェント 四宮社長)
弊社は人材総合サービス事業を行っており、今後は海外展開も考えていますが、上場申請のお知らせを出してからというもの、採用の応募率も変わりましたし、お声がけいただく方々もガラッと変わってきました。
また、JPX(日本取引所グループ)に上場しますという話をすると、海外からも「本当か?」という話をたくさんいただきましたので、上場することの効果・効能といったものは非常に大きいなと実感しています。
今後の目標はいかがでしょうか。
(株式会社エージェント 四宮社長)
前中期経営計画ではパブリックカンパニーになることを目標としていましたので、今回の上場をもって、それを達成することができました。
次の中期経営計画では3つの目標を掲げています。
まず一つは、エージェントというプロダクションに所属する社員をブランディングしていく仕組みをもっと作っていくこと。人材サービスというと、誰が派遣されてきても同じということになりがちなのですが、当社に所属する一人ひとりがタレントというか、いろいろな技能や技術を持った方々なので、そういった方々をブランディングしていく仕組みを作りたいと思っています。
また、依頼されたことをただ実行するのではなく、我々から「社会の困った」を解決していくビジネスを作っていくということも掲げていますので、そのような問題解決事業を10種程度増やしていきたいとも思っています。
そして、
“人づくり”をやっていると自信をもって言えるようにするために、厚生労働省が主催しているグッドキャリア企業アワードで、所属する人たちが主体的にキャリアを歩める会社であるという評価を得る。
このような3つの目標に向けて歩みを進めていけたらな、と思っています。
上場を目指す経営者の皆様へ、是非一言お願いいたします!
(株式会社エージェント 四宮社長)
TOKYO PRO
Marketは、企業によって使い方が変わってくると思います。
我々のようなオーナー型の会社にとっては、オーナーシップを堅持したままパブリックカンパニーになっていける、そして、働く社員の方々にもそういった信頼・信用をつけていけるということは、非常に大きなメリットです。
また、一般市場と比べてコスト面もかなりリーズナブルですので、大きな会社でなくても、十二分に目指すことができるという点も挙げられます。
そして、オーナー会社の切実な悩みである金融機関からの借入に対する連帯保証が外れるということも、肩の荷が軽くなりますので、一経営者としては大きなメリットかと思います。
もう一つのタイプの会社、一般市場に向かう会社、いわゆるベンチャー企業などにとっては、一般市場を目指すと7年とか8年といった長期の期間がかかってしまうと思うのですが、TOKYO
PRO
Marketであれば2年、3年でがんばれば上場できます。そこで小休止というか、インベスターの入れ替わりや、一緒にやってきたスタートアップメンバーの部分的なEXITの場を作れるのではないかと思います。また、働いているメンバーにもちょっとした達成感が生まれるので、士気の向上にもつながります。
TOKYO PRO
Marketを経由して一般市場に上場するという形は、非常に有効な使い方なのではないかというのが、私個人としての実感です。
是非、TOKYO PRO Marketをうまく活用されてみてはと思います。