年間5,000社が休廃業する九州で新会社「九州M&Aアドバイザーズ」設立

広報室だより
更新日:

⽬次

[非表示]

肥後銀行と日本M&Aセンターホールディングス(HD)、台湾の玉山ベンチャーキャピタル(VC)は、合弁会社「九州M&Aアドバイザーズ株式会社」を2024年4月1日に設立しました。九州エリアでの肥後銀行の知名度・信用力と、M&A成約実績8,500件超の日本M&AセンターHDのマッチング力と業務ノウハウに加えて、玉山VCの台湾企業情報や海外ネットワークという強みを合わせた新会社です。九州最高品質の事業承継・M&Aアドバイザーとなることを目指して、事業承継問題の解決や成長戦略のためのM&Aで地域経済の活性化を支援していきます。新会社の出資金は4億円(うち資本金2億円)で、肥後銀行が60%、日本M&AセンターHDが35%、玉山VCが5%を出資し、代表取締役社長には肥後銀行から事業承継・M&A室長の米本明弘氏が就任しました。

TSMCの熊本進出で注目される九州エリア

台湾積体電路製造(TSMC)の熊本進出により注目が高まる一方で、帝国データバンクの九州企業「休廃業・解散」動向調査(2023年)によると、 九州全域では年間5,000件を超える休廃業・解散があり、そのうち黒字廃業率は54.8%にのぼります。 肥後銀行の笠原慶久頭取は設立記者会見で「事業承継問題は地域経済の未来に影響を及ぼす深刻かつ喫緊の最重要課題であるため、九州全域を視野に3社で協力しながら解決していきたい」と語りました。

玉山VCの黄文涼社長は「日本はアジアの中でも最重要市場であり、TSMCの進出で日台関係も深まってきている。単なる投資ではなく、全力で台湾と日本の経済交流を深めていきたい」と宣言しました。

日本M&AセンターHDの三宅卓社長も「肥後銀行の圧倒的な知名度と信用、日本M&AセンターHDの全国でのマッチング力、玉山VCの台湾国内・アジア圏内の情報力を活かして、九州エリア内での事業承継問題の唯一無二の相談窓口を目指します」と今後の連携強化について語りました。

業務提携を超えた資本提携によるM&A支援強化を目指す

肥後銀行と玉山VC親会社の玉山銀行は2022年7月、日台企業の進出支援や金融・非金融サービス等の連携のため業務提携を開始し、2023年7月には国際金融機能誘致「TEAM FUKUOKA」の誘致企業として日本で第2の拠点・福岡支店を開設しました。さらに合弁会社設立によって台湾から日本へ、日本から台湾へというクロスボーダーM&Aの増加も期待されます。


肥後銀行と日本M&Aセンターは2009年に業務提携を開始し、M&A支援の協業や人的交流を通じて信頼関係を深めてきました。九州エリアの企業は譲渡企業・譲受企業ともにニーズも多く、今回の合弁会社設立によって、さらなる連携強化や潜在ニーズの発掘にもつながります。これまでにJR九州と熊本地場の菓子メーカー「フジバンビ」などのM&A支援も手掛けてきました。

JR九州、「黒糖ドーナツ棒」製造のフジバンビを子会社化

九州M&Aアドバイザーズの存在意義(パーパス)

【存在意義(パーパス)】
私達は「地域に価値をもたらす事業と雇用を、最適な形で最高の後継者に引継ぐ」ために存在しています。

【目指す姿】
九州最高品質の事業承継・M&Aアドバイザー

【行動の指針】
1.お客様の幸せを最優先に考え、誠意をもって行動する(クライアント・ファースト)
2.持続可能な地域社会の実現に最適な解を追求する(ソーシャル・インパクト)
3.社員が信頼し合い、やりがいに溢れた企業文化をつくる(ワーク・エンゲージメント)

プロフィール

M&A マガジン編集部

M&A マガジン編集部

日本M&Aセンター

M&Aマガジンは「M&A・事業承継に関する情報を、正しく・わかりやすく発信するメディア」です。中堅・中小企業経営者の課題に寄り添い、価値あるコンテンツをお届けしていきます。

この記事に関連するタグ

「M&A」に関連するコラム

会社売却とは?メリットや注意点、流れを解説

M&A全般
会社売却とは?メリットや注意点、流れを解説

会社売却とは?会社売却とは、会社の事業や資産を第三者に売却し、対価を受け取るプロセスを指します。近年は、企業規模に関わらず、中小企業の会社売却の件数も増加傾向にあります。中小企業において、会社売却が検討される具体的な場面としては「後継者が身近にいないため、外部に引き継ぎ手を求めるケース」「自社単独での成長に限界を感じ他社と手を組むケース」が考えられます。この記事のポイント中小企業における会社売却で

【広報誌「MAVITA」Vol.4より】 私たちにおまかせ!拠点紹介 ――日本M&Aセンター 九州支店

広報室だより
【広報誌「MAVITA」Vol.4より】 私たちにおまかせ!拠点紹介 ――日本M&Aセンター 九州支店

博多駅の真向かいという好立地ビルを拠点に、約30人のメンバーが九州各地に繰り出す活気あふれる九州支店。九州出身者や、当地に移住を決めたメンバーも多く、地域に根ざした営業活動を展開しています。2023年度の成約件数が前年度の2倍になるなど、勢いに乗る九州支店を取材しました。(日本M&Aセンターが発刊する広報誌「MAVITA」Vol.4より転載)九州支店の情報はこちら[mokuji]支店長が語る九州地

【広報誌「MAVITA」Vol.4より】 心に残る成約式 vol.2

広報室だより
【広報誌「MAVITA」Vol.4より】 心に残る成約式 vol.2

<譲渡企業>株式会社きちみ製麺代表取締役吉見光宣さん<譲受け企業>八戸東和薬品株式会社代表取締役髙橋巧さん(役職はM&A実行当時)最終契約書が交わされるその日、日本M&Aセンターでは「M&A成約式」というセレモニーを執り行います。譲渡企業にとっては経営者人生の締めくくりです。譲受け企業にとってはM&Aを成功させる覚悟ができます。一つとして同じものがない「心に残る成約式」をご紹介します。(日本M&A

中小企業がM&Aを行う背景や目的とは?手法や成功のポイントをわかりやすく解説

M&A全般
中小企業がM&Aを行う背景や目的とは?手法や成功のポイントをわかりやすく解説

急速に高齢化が進み、2025年問題が目前に迫る中、中小企業によるM&Aの件数は増加傾向にあります。本記事では、中小企業のM&Aの現状とその目的、用いられる手法、中小企業のM&Aを成功に導くポイントについて紹介します。[mokuji]M&A・事業承継のお問合せはこちら日本M&Aセンターは1991年の創業以来、数多くのM&A・事業承継をご支援しています。中小企業のM&Aに精通した専任チ

【広報誌「MAVITA」Vol.4より】 スポーツビジネスとM&A  Bリーグ初制覇を果たした広島ドラゴンフライズ

広報室だより
【広報誌「MAVITA」Vol.4より】 スポーツビジネスとM&A  Bリーグ初制覇を果たした広島ドラゴンフライズ

日本プロバスケ界の歴史に残るシンデレラストーリーに——。クラブ創設10年目で、バスケットボールBリーグで初優勝を飾った広島ドラゴンフライズは、シーズン王者を決めるチャンピオンシップ(CS)で順位が上回るクラブを次々と撃破し、見事〝下剋上″を成し遂げました。2018年に日本M&Aセンターによる仲介でM&Aを実行、NOVAホールディングスを親会社に迎え、安定したクラブ経営の実現とチームの急成長の先に手

【広報誌「MAVITA」Vol.4より】 地方発 世界に誇るブランド企業 Vol.2 小田陶器株式会社

広報室だより
【広報誌「MAVITA」Vol.4より】 地方発 世界に誇るブランド企業 Vol.2 小田陶器株式会社

陶磁器の生産で日本一を誇る「美濃焼」。美濃焼の窯元として100年以上の歴史をもつ小田陶器(岐阜県瑞浪市)が2024年、世界を見据えての新たな一歩を踏み出しました。(日本M&Aセンターが発刊する広報誌「MAVITA」Vol.4より転載)伝統と革新が織りなす美濃焼の至宝古来より生産が行われ、現在、国内食器生産におけるシェアが5~6割とも言われる美濃焼。生産地である岐阜県・東濃エリアには、数百もの窯元が

「M&A」に関連する学ぶコンテンツ

「M&A」に関連するM&Aニュース

ウエルシアホールディングス、子会社の現物配当により孫会社が異動へ

ウエルシアホールディングス株式会社(3141)の完全子会社であるウエルシア薬局株式会社(東京都千代田区)は、保有するウエルシア介護サービス株式会社(茨城県つくば市)の発行済全株式を、ウエルシアホールディングスへ現物配当することを決定した。これにより、ウエルシア介護サービスの発行済全株式を取得することとなり、同社はウエルシアホールディングスの完全子会社となる。ウエルシアホールディングスは、調剤併設型

日本エコシステム、テッククリエイトの全株式取得へ

日本エコシステム株式会社(9249)は、株式会社テッククリエイト(石川県金沢市)の全株式を取得し、グループ化することに関し、株主との間で株式譲渡契約を締結することを決定した。日本エコシステムは、環境、公共サービス、交通インフラに関する事業を行う。テッククリエイトは、北陸三県の鉄道線路・施設の保守点検、石川県内の工場・商業施設・公共施設などの給排水衛生設備、空調設備工事等を行う。テッククリエイトのグ

ニッスイのグループ会社、ニュージーランドの漁業会社IFL社を買収へ

株式会社ニッスイ(1332)のグループ企業であるSealordGroupLtd.(ニュージーランドネルソン市、以下シーロード社)は、インディペンデント・フィッシャリーズ(ニュージーランドクライストチャーチ市、以下IFL社)との間で、同社の買収契約を締結した。今後、同国の通商委員会および海外投資局の許可・承認を得ることなどを条件として、買収が成立する見通し。シーロード社は、ニッスイのグループ企業で、

コラム内検索

人気コラム

注目のタグ

最新のM&Aニュース