成長戦略セミナー

サワイグループHD、米傘下3社を売却

更新日:

サワイグループホールディングス株式会社 (4887) は、保有する米国事業の持株会社であるSawai America Holdings Inc.(以下「SAH」)の全株式、並びにその傘下にあるSawai America LLC(以下「SAL」)の持分とUpsher-Smith Laboratories, LLC(以下「USL」)の持分を、SALへの共同出資者であるSumitomo Corporation of Americas(以下「SCOA」)とともに、Bora Pharmaceutical Holdings, Inc.(以下「Bora」)に譲渡することを決議した。

サワイグループは、ジェネリック医薬品を中心とした医療用医薬品の製造販売を展開する。

Boraは、医薬品およびヘルスケア製品製造販売を行う。

サワイグループは、2017年に世界最大のジェネリック市場である米国への本格進出を目指してUSLを買収して以降、工場の統廃合と生産能力の増強、パイプラインの拡充など様々な施策を通じて事業成長を目指してきたが、卸・薬局等の3大購買グループへの統合やUSLの主要品目へのライバル企業の相次ぐ参入に伴う価格競争の激化等を受け、USLの業績が大幅に悪化したため、2022年3月期にのれん等の多額の減損損失を計上するに至った。

その後、間接部門の人員やコスト削減の徹底、研究開発体制や開発戦略の見直しを行うなど、USLの業績回復に取り組んできたが、卸・薬局等の3大購買グループのバイイングパワーの強化やインド勢を中心としたライバル企業との価格競争の激化等により、USLを取り巻く事業環境は厳しさを増している。

このような状況を踏まえ、サワイグループは共同出資者である住友商事株式会社グループとともに様々な選択肢を協議してきた。

その結果、USLが競争に勝ち抜いていくには、今後、製品戦略での差別化を進めるための思い切った製品戦略投資や新工場を有効活用するための追加投資が避けられない状況にあること、その一方で、サワイグループとしては、日本のおける品質問題の課題解決と需要拡大へ対応するために日本事業への経営資源の優先投資が避けられない状況にあることを踏まえ、米国事業の株式等に関しては、USLの新工場の有効活用を含め、米国でのジェネリック事業への積極投資に意欲のあるBoraへ売却することが最善の選択であると判断し、この度、本株式等譲渡に関する契約を締結した。

・今後の予定
株式譲渡実行日 2024年3月末日

バイオ・医薬品製造業界のM&A・事業承継の動向はこちら

サワイグループホールディングスに関連するM&Aニュース

この記事に関連するタグ

「株式譲渡・選択と集中・カーブアウト・クロスボーダーM&A」に関連するコラム

日本ハムは、なぜマリンフーズを双日に売却したのか?ニュース解説動画

M&A全般
日本ハムは、なぜマリンフーズを双日に売却したのか?ニュース解説動画

M&A業界のキャリアが長いふたりが、世の中の動き、プレスリリースをもとに分析をするニュース解説動画がYouTubeでスタートしました。本記事では動画の内容をご紹介します。動画本編はこちらからご覧いただけます。西川:今年に入っていろいろなニュースがある中で、気になったのは「BIGBOSS」ですね。臼井:あぁ…BIGBOSS銘柄(笑)…、日ハムさんですね。西川:2022年2月9日、日本ハムの子会社の水

事業売却とは?会社売却との違い、メリット・デメリットを解説

M&A全般
事業売却とは?会社売却との違い、メリット・デメリットを解説

企業が不採算部門を整理し、主力事業へ経営資源を集中するなど、事業戦略の見直しを行う場面で活用されるのが、事業売却です。本記事では、事業売却の概要、メリット・デメリットなどをご紹介します。事業売却とは?事業売却は、企業が所有している特定の事業部門や資産を他の企業に売却することです。売却する対象には資産、それにともなう負債だけでなく、商品などのブランドや流通販路、働く従業員なども含まれます。不採算部門

クロスボーダーM&Aにおける株式譲渡契約書の基本

海外M&A
クロスボーダーM&Aにおける株式譲渡契約書の基本

本記事では、クロスボーダーM&Aのスキームとして一般的な株式譲渡の場合に締結される株式譲渡契約書(英語ではSPA、SharePurchaseAgreementやStockPurchaseAgreementと表記されます。)について解説します。株式譲渡契約書(SPA)の一般的な内容一般的な株式譲渡契約書は概ね以下のような項目で構成されていることが多いです。売買の基本事項クロージング及びクロージング条

クロスボーダーM&Aにおける株式譲渡の基本 ~法務~

海外M&A
クロスボーダーM&Aにおける株式譲渡の基本 ~法務~

この記事では、クロスボーダーM&Aの手法として用いられることの多い株式譲渡について、基本的な事項をご紹介させていただきます。クロスボーダーM&Aとは日本企業が外国企業を譲り受けるIn-OutM&Aと外国企業が日本企業を譲り受けるOut-InM&Aを、国境をこえて行われるM&Aということで、クロスボーダーM&Aと呼びます。海外M&Aという呼ばれ方をする場合もあります。@sitelink株式譲渡とは株

カーブアウトとは?メリットや課題、進め方、企業事例を紹介

M&A全般
カーブアウトとは?メリットや課題、進め方、企業事例を紹介

~ある上場企業の経営企画部長の悩み~社長から「事業ポートフォリオ見直しに着手せよ」という指示を受けました。選択と集中は不可欠で、子会社や事業の切離し(カーブアウト)も視野に入れたいと社長は力説します。しかし、当社は買収実績があっても売却はほとんどしたことがない。さて、どうしたものか・・・。近年、事業ポートフォリオの見直しに伴う、グループ会社や事業の切り離し、つまりカーブアウトの動きが加速しています

スピンアウトとは?スピンオフとの違いやメリット・注意点・事例まで詳しく解説

経営・ビジネス
スピンアウトとは?スピンオフとの違いやメリット・注意点・事例まで詳しく解説

スピンアウトは、新たな事業価値を創出する手段として注目されています。そこで本記事では、スピンアウトとスピンオフの違い、スピンアウトのメリットや注意点等について詳しく解説します。スピンアウトとは?スピンアウトとは、企業が特定の子会社や事業を切り離し、新たな会社として独立させる言葉として、ビジネスの場面で用いられます。親会社との資本関係を解消するため、新会社は完全な独立企業になる点が特徴です。親会社の

「株式譲渡・選択と集中・カーブアウト・クロスボーダーM&A」に関連する学ぶコンテンツ

M&Aニュース検索

注目のM&Aニュース

最新のM&Aニュース

日付別M&Aニュース

2024年1月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031

月別M&Aニュース

注目ニュースワード