ペイロール、MBOにより上場廃止へ
株式会社ペイロール (4489) は、2024年1月24日開催の取締役会において、マネジメント・バイアウト(MBO)の一環として行われる株式会社TAアソシエイツジャパン1号(以下「公開買付者」)によるペイロール社の普通株式及び本新株予約権に対する公開買付け(TOB)に賛同する意見を表明するとともに、同社の株主及び本新株予約権の所有者に対して、本公開買付けへの応募を推奨する旨を決議した。
なお、当該取締役会決議は、本公開買付け及びその後の一連の手続により同社株式が上場廃止となる予定であることを前提として行われたもの。
ペイロールは、給与業務のアウトソーシング事業を行う。
TAアソシエイツジャパン1号は、TA Associates Management, L.P.及びそのグループが投資助言を行う投資ファンドであるTA Prime Aggregator, L.P.により議決権の全てを所有されている株式会社TAアソシエイツジャパン2号の完全子会社。
ペイロール社株式及び本新株予約権を取得及び所有し、同社の事業活動を支配及び管理することを主たる目的として、2024年1月10日付で設立された。
本公開買付けは、ペイロール社の代表取締役社長であり同社の第8位株主(2023年9月30日時点)である湯浅哲哉氏のパートナーとして、公開買付者が実施するものであり、いわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)に該当する。本取引の実行後も、湯浅氏は、引き続き同社の代表取締役社長として、継続して経営にあたることを予定している。
ペイロールグループが事業を展開する給与計算業務のアウトソーシング市場は、政府の提唱する「働き方改革」により各企業が行う長時間労働是正の手段として、アウトソーシングを活用し、コア業務に注力することに対する機運が高まっていることから需要が拡大しており、今後も発展していくことが見込まれる。
一方で、他社とのサービス力、価格を含めた競争激化が起こっている中で、MBOにより中長期的なサービスの機能改善や差異化が成長につながると判断した。
湯浅氏及びTAアソシエイツは、本取引成立後、中長期的な企業価値の向上を目指し、以下の施策を実施することを考えている。
① 給与エンジン及びワークフローテクノロジープラットフォームの洗練
TAによる投資先の会社の経営支援等を目的として組織されているTAのストラテジックリソースグループ(SRG)と連携し、ペイロール社のワークフロー及び給与エンジンの機能強化並びにUI/UXの改善を支援し、今まで以上にテクノロジーを用いたビジネス展開を強化することを想定している。
② 既存のサービスを拡大するための投資
ペイロール社によるP3システムへのクラウドシフト(PX)に伴うメニューの拡大(プロダクト/サービス面)に加えて、同社が検討しているフィールドセールス及びインサイドセールス双方の営業の強化に伴うサービス拡大や、マーケティング強化を検討する。
③ 人工知能や機械学習の要素の給与サービスワークフローへの統合
TAのストラテジックリソースグループ(SRG)と連携し、TAのAIに関する知見を同社に提供することを考えている。具体的には、ペイロール社の自社バックオフィスへのAI導入によるコスト改善を図り、その後、同社の提供するサービスにもAIを導入することによって更なる機能強化及びトップラインの成長を検討することを想定している。
④ 給与計算業務の同領域・近接領域の企業の買収
TAは、給与計算サービス・ソリューションの同業他社、HRソフトウェア企業及びシェアードサービス企業について20社以上の既存コネクションを有しており、適切なタイミングで迅速なM&Aを実行することを支援できると考えている。
同業他社やシェアードサービス企業に対するM&Aにおいては、顧客を取り込み、より効率的なオペレーションに切り替えることで収益性向上/成長性向上が見込まれ、近接HRソフトウェア企業に対するM&Aにおいてはクロスセル効果が見込まれると考える。
⑤ペイロール社の既存顧客基盤への新規ソリューションのクロスセル
M&Aを通じて獲得する近接HRソフトウェア領域、又は、TAの既存投資先や海外ネットワークを活かした海外ソフトウェア(タレントマネジメントソフトウェア等)の国内展開等を検討している。中長期的には、同業他社、ソフトウェアベンダー及びシェアードサービス企業に対するM&Aを実行し、買収先においてもP3システムの導入を推進していくことで、事業の拡大・成長を更に加速させていくことも可能であると考えている。
【本公開買付けの概要】
・買付け等をする株券等の種類
① 普通株式
② 新株予約権
・買付け等の期間
2024年1月25日(木曜日)から2024年3月11日(月曜日)まで(31営業日)
・買付け等の価格
① 普通株式1株につき金1,380円
② 新株予約権
イ) 第1回新株予約権1個につき金87,000円
ロ) 第2回新株予約権1個につき金87,000円
ハ) 第3回新株予約権1個につき金87,000円
・買付予定の株券等の数
買付予定数 17,409,601株
買付予定数の下限 11,275,800株
買付予定数の上限 ー
・決済の開始日
2024年3月18日(月曜日)
・公開買付代理人
野村證券株式会社