札幌証券取引所(札証)は2026年6月30日に、プロ向け市場「Sapporo PRO Frontier Market(SPFM)」を新たに開設します。これに先立ち、2026年6月18日に札幌にてS-Adviser登録記念式典が開催され、日本M&AセンターもS-Adviserとして式典に出席いたしました。本記事では、式典のレポートと、札証 長野理事長および当社から式典に出席した上席執行役員の雨森の発言を踏まえ、SPFMの制度的意義と地域企業へのインパクトについて整理いたします。

札幌証券取引所のS-Adviser登録記念式典にて、記念品が収められた楯を2人で掲げて笑顔で並ぶ、札幌証券取引所理事長(左)と日本M&Aセンター上席執行役員の雨森(右)

(写真左)札幌証券取引所・長野理事長(写真右)日本M&Aセンター 上席執行役員 資本市場統括部長 雨森良治

Sapporo PRO Frontier Marketとは

Sapporo PRO Frontier Marketは、本則市場および新興市場(アンビシャス)に至る前段階の比較的アーリーな段階の企業も上場の対象としたプロ投資家向けの市場です。
今回のSPFMの開設により、国内市場におけるプロ投資家向け市場は東京証券取引所TOKYO PRO Market、福岡証券取引所Fukuoka PRO Market、札幌証券取引所Sapporo PRO Frontier Marketの3つの市場があることになります。
 
札証理事長は、「市場に参入できる投資家を、企業評価やリスク認識において高度な知見を有する投資家に限定することで、柔軟な制度設計を実現する」と説明しました。
この柔軟な制度をもつプロマーケット市場への上場により、企業は以下のような効果を期待できます。

➤ 知名度・信用力の向上
➤ 社内体制の整備・強化
➤ ビジネスモデルの磨き込み

特に、成長過程にある企業にとっては、この上場効果の早期享受が、企業価値向上に直結する重要なポイントとなります。

札幌証券取引所の建物外観。入り口の黒いひさしに「札幌証券取引所」の文字があり、上部には星マークがあしらわれたカラフルなロゴマークが掲げられている


上場支援・上場審査を行うS-Adviser制度

本市場では、札幌証券取引所から認定を受けた“S-Adviser”が、証券取引所に代わり上場に向けた指導および上場審査の機能を担います。
この制度は、東証TOKYO PRO MarketにおけるJ-Adviser制度など他プロ投資家向け市場と同じしくみです。
札証理事長は、「札幌証券取引所が上場審査を外部に委託する初めての取り組み」であると位置付け、選定されたS-Adviserに対する高い信頼を示しました。

この点において、S-Adviserは単なる支援機関にとどまらず、市場の品質を担保する重要な役割を担っていることを意味しています。
すなわち、本制度は「企業の成長支援機能」をS-Adviserに委ねることで、プロマーケット市場全体の信頼性と実効性を高める仕組みであるといえます。

2026年6月23日時点、S-Adviserには日本M&Aセンターをはじめ7社が認定されています。

札幌証券取引所のS-Adviser登録記念式典にて、記念品の楯を手に持ち一列に並ぶ、札幌証券取引所理事長(左から4人目)とS-Adviser登録企業7社の代表者たち

札幌証券取引所の長野理事長(中央左)と、登録されたS-Adviser7社の代表者ら(日本M&Aセンターは中央右)


Sapporo PRO Frontier Market市場開設の意義

Sapporo PRO Frontier Marketの意義は、本則市場・アンビシャス市場の上場制度ではカバーしきれなかった成長段階にある企業に対し、上場効果の早期享受と、資本市場との接点を早期に提供する点にあります。
特に、上場審査のハードルや上場準備のコストにより、一定の成長可能性を有しながらも上場に踏み切れなかった企業にとって、Sapporo PRO Frontier Market市場は現実的な選択肢となります。
また、プロ投資家を対象とすることで、企業の成長過程に対する理解を前提とした資本参加が可能となり、中長期的な企業価値向上に資する市場設計となっている点も特徴です。

北海道にSapporo PRO Frontier Marketがもたらす市場インパクト

北海道においては、スタートアップ企業の育成や地域産業の高度化が重要な課題となっています。理事長は、AIや半導体といった新産業の動きや起業意欲の高まりに言及し、「スタートアップエコシステムの形成」を掲げました。

一方で、北海道地域特有の課題として、

  • 未上場の割合が高い
  • 成長資金へのアクセス機会が限られている

といった構造も存在します。

こうした環境において、プロ市場の開設は

  • 成長企業の可視化
  • 外部資本の導入促進
  • 持続的な企業成長の後押し

といった効果をもたらすことが期待されます。

札幌証券取引所のS-Adviser登録記念式典にて、日本M&Aセンターの上場支援キャラクター「ティッピー」のぬいぐるみを一緒に持ち、笑顔で並ぶ日本M&Aセンターの臼井氏(左)と雨森氏(右)

(写真左)日本M&Aセンター 資本市場統括部 臼井智(写真右)同部 統括部長 雨森良治


S-Adviserとしての、日本M&Aセンターの今後の展望

日本M&Aセンターは、S-AdviserとしてのSapporo PRO Frontier Marketの市場形成に参画し、上場支援を通じて企業の成長を後押ししてまいります。
当社 雨森は式典において、「北海道という地域でプロ市場を活用できることを非常に楽しみにしている」と述べるとともに、S-Adviser各社との連携により市場を育成していく重要性を強調しました。

▼以下、雨森のコメント(スピーチより抜粋)
この度はS-Adviserとして登録いただき、大変光栄に感じております。当社は35年前にM&A専業としてスタートしましたが、その拠点の一つがこの札幌であり、北海道営業所の開設以来、長くこの地にお世話になってきた想いがあります。
近年、M&Aのあり方は大きく変化しています。従来は後継者不在による事業承継型が中心でしたが、現在は企業を成長させるための戦略的M&Aが主流となっています。
そのような中で、企業の成長をさらに後押しする手段として注目しているのがプロマーケットです。当社も2019年から東京プロマーケットの上場支援に取り組んできましたが、今回、北海道の地でこの市場が活用できることを非常に楽しみにしています。
今回選定されたS-Adviser7社が連携しながら、北海道企業の成長を支援し、地域経済の発展に貢献していきたいと考えています。

札幌証券取引所のS-Adviser登録記念式典にて、スタンドマイクの前でスピーチを行う日本M&Aセンターの雨森


Sapporo PRO Frontier Marketの新設は、北海道における地域経済のさらなる発展の基盤となる大きな意味を持つ取り組みです。
今後はS-Adviserの役割が市場の質と成長を左右する中で、企業と伴走する支援体制の重要性がより一層高まると考えられます。

2026年8月5日 札幌でSapporo PRO Frontier Marketセミナーを開催

2026年8月5日(水)15:00~16:30にて、セミナー『道内企業のための上場セミナー ~成長を加速させるSapporo PRO Frontier Market~』を開催いたします。
講師は、札幌証券取引所 新事業推進部長 兼 上場推進部長 大畑周司氏と、札幌証券取引所認定S-Adviserである当社の上席執行役員 資本市場統括部 統括部長 雨森良治が務めます。制度を作った取引所と、上場を支援するアドバイザー、双方の視点から解説いたします。

開催概要

【日程】2026年8月5日(水)15:00~16:30(受付14:30~)
【会場】北洋銀行 大通センター4階 セミナーホール(札幌市中央区大通西3丁目7番地 札幌市営地下鉄「大通駅」下車、地下歩行空間直結)
【費用】無料
【定員】100名

■こんな企業様におすすめです
・信用力、知名度をさらに高めていきたいとお考えの企業様
・これからの成長戦略を検討している企業様
・将来を見据えて、引き継ぎやすい体制を整えたい企業様

■当日のプログラム
・Sapporo PRO Frontier Marketの概要と上場要件
・アンビシャス市場、本則市場との違い
・プロ投資家向け市場への新規上場が急増している背景
・上場により企業成長を遂げた企業の実例紹介
・上場に向けたS-Adviserの支援内容 など

詳細・お申し込みはこちら

https://www.nihon-ma.co.jp/page/seminar/spfm-2608/