[M&A事例]M&Aには明確な目的が必要
譲受企業情報
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- 社名:
- ポバール興業株式会社(愛知県)
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- 事業内容:
- 工業用ベルト、研磨部材などの接着・樹脂加工品のメーカー
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- 従業員数:
- 197名
※M&A実行当時の情報
ポバール興業株式会社は、2016年、大阪の産業用機械製造業である日新製作所をM&Aで譲り受けられました。代表取締役会長の神田隆生様に、M&Aを実行された経緯や得られた効果についてお伺いしました。
ソリューションビジネスを展開したい、からM&Aへ
神田様: 当社の得意は接着樹脂加工ですので、金属加工の依頼があると、他の業者に依頼したり、他社を紹介したりしていました。当社はソリューションビジネスを戦略に掲げており、よりお客様の満足度を上げるために自社で機械加工・金属加工・機械設計も提供できる会社になりたいという想いがありました。それを自社で最初から作りあげるのは大変だろう、M&Aであれば時間も短縮できると思いました。
日本M&Aセンター(以下MA)長谷川: M&Aを検討する時に、目的はとても大切です。明確なビジョンをお持ちだったからこそ、それに沿う提案をすることができました。
当社に相談される前はどのように検討されていたんですか。
神田様: 金融機関や仲介業者に情報をもらっていました。仲介・FAには、売り手からスタートし買い手を探すタイプや、買い手から売りませんかと仕掛けていくタイプなど様々な形式があることを知りました。候補先リストをもとに、相手社長に直接会って、話をして感触を聞いてきたりしていました。
MA長谷川: 直接話をされていたんですね。結果はいかがでしたか。
神田様: 具体的に意向表明や監査までいったところはなかったですね。
ほどなくして日本M&Aセンターの長谷川さんから具体的な情報をもらい、その中に今回譲り受けした日新製作所の情報が入っておりましたが、受け取った企業概要書は、わかりやすくまとめてあり、すぐに会ってみたいと思いました。
2件成約仲介 会社の価値は情報量と実行力
MA長谷川: 売りたいとお考えの企業の魅力をきちんとお伝えできるのは当社の強みです。M&Aはタイミングが大切ですので、譲渡希望企業の強みを正確に把握していただき、決定していただきたいと考えています。
成約してみて、商談の流れはいかがでしたでしょうか。
神田様: すんなり決まったという印象です。当社からは希望をたくさん伝えましたので、長谷川さんには苦労をかけたかもしれませんが、当社としては手間暇を大きくかけずに成約まで実現できました。
坂倉様: 思いのほかトントン拍子に進んだと思います。担当の長谷川さんの根回しがよかったこともあり、引かれたレールの上を走っている安心感がありました。やはり、双方の意向をしっかり汲むことができるプロの仕事だなと感じました。
MA長谷川: 仲介が入ると意思決定に集中することができますし、商談が進めば譲り受けた後のイメージもいろいろ想像できるようにお手伝いしたいと思っています。
神田様: 手数料はかかるけどね(笑)
MA長谷川: いただく手数料以上に、多くのお相手を紹介したり、M&Aプロセスを円滑に運べるようにして、手間とお時間をどれだけ減らせるかを追求しています。
神田様: 本当にそうですね。実際にやってみて、それは実感しました。直接交渉では話が進まなかったわけだから、感謝しています。
MA長谷川: ありがとうございます。
譲渡された社長様もとても喜ばれ、同じく大阪の製造業をご紹介いただき、先日、2件目も成約されましたね。
神田様: 日新社との成約式のちょうど半年後にお話をいただきました。お相手は日新社の重要部品を取り扱っている会社で、先方の社長とお会いし、工場見学をして、すぐに意向表明を出しました。
今後はPMIに注力。しかし、情報収集は常に
MA長谷川: さらに人材を投入することもお考えですよね。
神田様: 人材を投入するために、今、新社屋を作っています。来春を目途に、大阪の営業所を日新社付近にもってくる計画もたてており、営業の統合を徐々に進めていく方針です。
昨年、今年と続けて技術力のある企業にグループ入りしてもらうことが出来ましたので、しばらくはグループ内の融合に力を入れたいと思います。
MA長谷川: 上場企業がM&Aを検討する場合、内部統制や適時開示などに対応できる体制かどうかも重要なポイントです。
神田様: 内部統制は譲受企業が作っていかなければなりません。書類の精度、スピード感に差がある場合、整備するコストをかける必要がでてきます。
M&Aの情報については引き続き仕入れていくことで機会を逃さないようにしたいと思います。
神田様からのアドバイス
目的と優先順位は明確に
明確な目的やビジョンを描くことが重要。今、何を買うべきか、について社内で意思統一を。
大切なのは人柄
経営者同士なら会って話をすれば企業家精神は分かちあえるもの。直感も大切。
疑問を感じるなら、やめる勇気も
M&Aを実行するのは自分の会社。判断の核となる部分での疑問が解消されないなら、やめる勇気も必要。
M&A成功インタビューは、 日本M&Aセンター広報誌「next vol.8」にも掲載されています。
- M&A実行年月
- 2016年9月30日
日本M&Aセンターでは、M&Aの仲介に当たり譲渡企業担当者・譲受企業担当者・サポートする専門家(会計・法律・税務面)などで構成される3~5名のプロジェクト体制で、お客様のサポートを行っています。ご相談からお相手探し、スキーム構築、最終契約まで、すべての方のメリットをかんがみ、効果創出のための最大公約数を見つけ出す作業を行います。