[M&A事例]Vol.146 10年後を目標に譲渡先を探し始めるも、わずか1年で同じ志をもつ企業と巡り合う
沖縄県で防水工事業を手がけるヤマト防水工業は、10年後の譲渡を見据え準備を始めたところ、想定より早くにお相手が見つかりました。その経緯やM&A後について伺いました。
譲渡企業情報
※M&A実行当時の情報
当社がお手伝いをして2017年にM&Aを実行された株式会社大嶋商会 代表取締役社長 鎌田 俊樹 様に、M&Aを実行された経緯や得られた効果についてお伺いしました。
鎌田様: 今大型受注があって、平成28年12月期は平時の倍の売上高10億円超まで伸びたのですが、今期はさらにその1.5倍程度まで伸びそうです。
日本M&Aセンター(以下MA)黒岩: M&Aを検討されている段階で売上がどんどん伸びて、県内でトップクラスになられましたね。決算書を拝見するたびに驚いています。実感としてはどうでしたか。
鎌田様: 「トップになると景色が変わるな」と感じますね。取引先も当社を求める機会が増えましたし、受注環境等が格段に良くなりました。
MA黒岩: そのように好調なときにもかかわらず、M&Aでの譲渡に踏み切られたのはどういった方針からですか。
鎌田様: M&Aで期待したのは「人材確保」。うちの売上規模だと技術者が50人いてもおかしくないんですが、それが現在7人でやっている状態です。技術者が採用できればさらに上を目指せるだけの環境はできている。これまで大手を頼った受注をしていたけれど、自社で完結できるようになれば、もっと上を目指せると思いました。
当社は社員の管理をしてきませんでした。管理しようと思えばまた人が必要だから。社員1人1人にまかせっきりだったんです。
MA黒岩: 譲受企業のアウトソーシング社はグループの中で人員を動かせることが大きな強みですね。今は「会社を成長させたい」という理由でM&Aを検討されることが増えています。業績が好調だからこそ、M&Aを起爆剤にしてさらに上を目指すことができます。
鎌田様: 経営者って身についたDNAなんだろうか、と思います。これまで通り一所懸命頑張ろうとしてしまうんです。「売ったんだから遊んでればいいではないか」と周りから言われても、それができない(笑)。
ちょっとでも利益あげようとか、売上を伸ばそうとか、必死に考えています。アウトソーシング社はいろんな商売をやっているから私が協力できる分野も多いし、いい刺激になります。子どもくらいの年齢の社員にも負けられない、プライドがあるからね。
M&Aしたら悠々自適なんて大嘘だよ(笑)。
MA黒岩: 鎌田社長のように期限を決めずに社長を続けられるのは、めずらしいケースです。譲受企業が鎌田社長を知れば知るほど、逸材として離したくなくなったらしいです。
鎌田様: 最初はみんなM&Aという言葉すら知らなかった。大手と組むことで、当社が業績不振でもグループで助けてもらえること、希望すればグループ内の他の業務に転籍できることなど、長い目で見てプラスになることをしっかり伝えました。現状の説明と変わることへの不安を取り除いてあげると、問題なかったです。今ほとんどの社員はM&A前と変わらない仕事をしている。最近になって、大嶋商会のレベルが一段上がって、地方のただの小さな会社じゃなくて東証一部上場グループの一員になったという自覚を持ってくれたと感じています。
事業承継のトラウマを自分で止める
鎌田様: とんでもない。もともと家業を絶対継ぎたくないと思っていて、慶応大学卒業後、外交官試験を受けたこともあったんです。大手企業の海外駐在員の内定をもらい両親に報告をしたら、それまで「自分のやりたいようにやりなさい」と言っていた親父から、海外に行かれては困る、家業を継いでほしいと懇願され、横の母親も泣いている。それを見て、ついつい親孝行してしまったんですね。海外勤務の夢を捨て家業を継ぐ決断をしたものの、どの会合に行っても同じ顔ぶれ、同じ話題・・・。自分が夢見た世界とのギャップに今でも継がなきゃよかったと思うことがあります(笑)。
鎌田様: ずっと考えていました。でも自分のトラウマがあってね、どうしても本人が継ぎたいなら継がせようと。こっちからお願いはしてないけど、大学を卒業して就職に悩んでいるときにも何回も話をしました。でもやりたくないって言われてね。親としては思ってもみなかったけど、小さい頃から鉄道が好きで、今は鉄道の会社で働いています。本人が行きたいと言ったからしょうがないですね。
成長しながら事業承継を果たす
鎌田様: 子が継がないとわかって、60歳になった時、コンサルティング会社や金融機関が開催する事業承継のセミナーに行ってどうしたらいいのか考えて、最終的に日本M&Aセンターに決めたのは「圧倒的な情報量」だったからだね。それで頼んだら、1-2年かかると思っていたのが、あっという間だった。
MA黒岩: 最初の提携仲介契約から最終契約締結まで9ヶ月でした。当社がお手伝いするM&Aは平均11ヶ月です。ご自身ではあっという間に感じられるかもしれません
鎌田様: もともと65歳くらいまでかかると思っていた事業承継が、思ったより早く終わって、そのぶん忙しい毎日。早くゆっくり過ごしたいよ(笑)。
何度も営業をかけてようやく手にした取引先は活かせば貴重な資源です。廃業すれば人材も散りぢりバラバラになってしまいますが、まとまっていれば組織としての力も発揮できます。
あとくされなくM&Aをするには仲介会社は必要です。まずはプロにご相談下さい。
M&A成功インタビューは、 日本M&Aセンター広報誌「next vol.9」にも掲載されています。
沖縄県で防水工事業を手がけるヤマト防水工業は、10年後の譲渡を見据え準備を始めたところ、想定より早くにお相手が見つかりました。その経緯やM&A後について伺いました。
北海道全域で道路の舗装工事を行う道路建設は、当初掲げていた条件とは異なる企業を譲り受けます。M&Aから1年たった今、決断の背景と現在の状況を伺いました。
自前でPMIに取り組む難しさを痛感して日本PMIコンサルティングのPMI支援サービスを利用。ご自身の経験からPMIの難しさと効果について伺いました。
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日本M&Aセンターでは、M&Aの仲介に当たり譲渡企業担当者・譲受企業担当者・サポートする専門家(会計・法律・税務面)などで構成される3~5名のプロジェクト体制で、お客様のサポートを行っています。ご相談からお相手探し、スキーム構築、最終契約まで、すべての方のメリットをかんがみ、効果創出のための最大公約数を見つけ出す作業を行います。