日本M&Aセンターホールディングス

M&A

日本M&Aセンターホールディングス

温室効果ガスの増加によって気候変動の影響が世界的に顕在化しています。2020年以降の温室効果ガス排出量削減などの国際的枠組みが定められた「パリ協定」が2015年に採択され、先進国・開発途上国を問わず温室効果ガスの排出について対策が求められるようになりました。2℃目標(世界の平均気温上昇を工業化以前から2℃以内に抑える)の達成に向け、民間企業を含む様々なアクターのコミットメントが重要と言われています。

環境方針

日本M&Aセンターグループでも、役職員一人ひとりが企業市民として、環境問題への取り組みが社会的責務のひとつであると認識し、事業活動のあらゆる分野において、環境汚染の予防、温室効果ガスの排出削減、気候変動の緩和・適応、生物多様性および生態系の保全など環境問題に配慮し行動します。
また、廃棄物の削減、省エネルギーおよび省資源の推進など、環境負荷の低減に努めるとともに、気候変動が事業環境に及ぼすリスクや機会を踏まえ企業活動を行っています。

気候変動への対応

気候変動によるリスクの特定と対応策

日本M&Aセンターグループでは、下記の通り気候関連問題のリスクを特定し、対応策を策定しています。

リスクの種類 リスクの生じる期間 想定しているリスクの内容と対応策
低炭素経済への移行に伴うリスク 政策・法規制リスク 中期
(4~10年)

《温室効果ガス排出に係る価格の上昇》

炭素税や排出権取引といったカーボンプライシング制度が導入された場合、エネルギー使用にかかるコストが増加するリスクがあります。仮に上記のような新制度導入があった場合の収益面への影響度を計るため、2019年度よりCO2排出量の算定及び管理を始めました。今後算定の対象範囲を拡大し、影響度の評価及び事業計画への考慮を行います。

政策・法規制リスク 中期
(4~10年)

《排出権報告義務の強化》

日本M&Aセンターは、現在国や自治体で定められている気候変動関連の報告義務制度においては、報告義務の対象外であり、影響を受けておりません。今後、報告義務の対象範囲の拡大や、新たな省エネ義務制度の新設等があった場合には、義務の程度によっては、運用改善や設備導入等において新たにコストが発生する可能性があります。CO2排出量の算定対象範囲を拡大しております。

市場リスク 中期
(4~10年)

《顧客行動の変化》

気候変動によって引き起こされるリスクに対する関心が高まるとともに、ESG投資やSDGsの価値観が広まることで、顧客や取引先、投資家等の利害関係者の行動変容が起こり、より持続可能と思われる対象会社を選好するリスクがあります。当社では現在IR室を主担当部門として、ESGへの対応を推進しております。

評判リスク 短期
(~3年)

《利害関係者からの懸念増加、否定的なフィードバック》

気候変動に対する顧客や投資家、社会からの要請が急速に進展し、その対応が遅れた場合や関連する情報開示が不足していた場合、当社の社会的評判が低下するリスクがあります。当社では現在IR室を主担当部門として、ESGへの対応を推進しております。ESGの取り組みにおいて指標とする企業を数社設定するとともに、数社のESG評価会社の評価フレームワークにそって、当社と指標企業の取り組み状況を比較・評価した上で、対応が劣後する場合あるいは更なる向上が必要と思われる場合は、今後の対応策についてマネジメントに報告・相談し、逐次対策を講じております。

気候変動による物理的変化に伴うリスク 急性リスク 短期
(~3年)

《サイクロン、洪水のような異常気象の深刻化・増加》

当社は国内7拠点、海外5拠点で事業を展開しており、このうち人員の約9割が日本で業務を遂行しております。
国内においてサイクロンや洪水、また温暖化の影響による豪雨災害、落雷時の被害等極端な気象現象の発生により、営業拠点や顧客、提携先を繋ぐ交通インフラ、情報インフラの機能停止・寸断の影響を受けた場合、業務が中断するリスクがあります。
また、当社グループの事業は労働集約型であり、上記の影響を受け、稼働日数が減少することは、グループの売上高人件費率を増加させるリスクになり得ます。
これらのリスクに対し、日本M&Aセンターでは、システムインフラの基盤強化を推進しており、営業拠点が被災した場合にも、実質的な機能停止には陥らない対策を講じております。また、緊急時には全社員がテレワークを行える体制やリモートで顧客との面談、デューデリジェンス等を行える体制を整えており、被災時のリスクの低減に務めております。
その他全拠点において、備蓄品の配備や、災害発生時における避難訓練を定期的に実施しています。
自然災害の激甚化は、地域経済に打撃を与える可能性があります。当社は、緊急時に全国にサテライトオフィスを機動的に設置した実績があります。これにより、さらに地域に密着した営業活動を展開し、M&Aを望む潜在顧客のニーズをスピーディーに把握することができます。

慢性リスク 長期
(11年~)

《平均気温の上昇や海面上昇》

平均気温の上昇により、熱中症の頻発による生産性低下や冷房使用の増加によるコスト増大のリスクがあります。海面上昇により、施設浸水のリスクがあります。
ASEAN地域での地球温暖化に伴う猛暑化、雨季の長期化による慢性的な洪水被害のリスクがあります。

気候変動の緩和の取り組み

日本M&Aセンターグループでは、温室効果ガス排出量削減の取組みの一環として、電力使用量の削減に努めています。
クールビズ/ウォームビズを推奨し、空調設備の設定温度を夏季は高めに、冬季は低めに設定するなど、執務スペースの空調温度の調節、不要不急の機器の停止、社員の環境意識醸成等の施策を通じた節電に取り組んでいます。

気候変動への適応に関する取り組み

日本M&Aセンターグループでは、一般的な水害への備えだけではなく、サーバーのバックアップ対策および重要なデータのクラウドでの保管等を進め、業務への影響を極小化する取組みを続けていきます。気候変動が私たちの事業活動に引き起こしうる物理的リスクの極小化を目指します。

GHG(温室効果ガス)排出量削減目標

2019年の排出量を基準に、2025年までに東京本社の正社員一人当たりの電力使用にかかるGHG排出量を1%削減することを目指します。実現のため、空調の設定温度や照明の必要箇所を見直し、継続的な省エネルギー化に努めます。

GHG(温室効果ガス)排出量データ

日本M&Aセンター東京本社のGHG(温室効果ガス)排出量

(単位:t-CO2)

2018年度 2019年度
(基準年度)
2020年度 2021年度 2024年度
(短期目標年度)
総排出量 187.7 205.9 120.9 0  
東京本社社員
1名当たり
排出量
0.81 0.52 0.25 0  
目標達成率 - - - -  

GHG(温室効果ガス)排出量

(単位:t-CO2)

2018年度 2019年度 2020年度 2021年度
スコープ1 0 0 0 0
スコープ2 187.7 205.9 120.9 0
スコープ3 1,496.9 1,589.3 1,019.2 1,417.4
  • スコープ1のエネルギー使用量は0のため、スコープ2をもってGHG排出量を算出。
  • スコープ1、2は東京本社が対象範囲
  • スコープ3は航空機を利用した出張が対象範囲(2016年4月~2017年8月までは国内機のみ)
  • 2021年1月より当社の入居する鉄鋼ビルディングが使用する全ての電力が、大規模複合ビルとしては日本初(同社調べ)となる再生可能エネルギー由来100%(バイオマス発電)のものに切り替わりました。そのため、 2021年1月~3月の期間においてスコープ2のGHG排出量をCO2排出係数0(ゼロ)として計算しています。
  • 2022年4月においてより精緻で詳細な電力消費量データを用いてGHG排出量の再計算を行いましたため、2018年度以降の開示数値を更新いたしました。

エネルギー消費量データ

(単位:kWh)

2017年度 2018年度 2019年度 2020年度
スコープ1 0 0 0 0
スコープ2 153,704 216,287 250,816 266,830
  • 東京本社が対象範囲

地球環境への配慮

環境負荷低減

日本M&Aセンターグループ役職員は、公共交通機関の利用やITの活用、不要な印刷削減等を通じて環境負荷の軽減や省エネルギーに努めます。
当社では印刷時に個人ごとに発行されるIDカードで個人認証をした上で印刷する仕組みを導入し、個人ごとの印刷機利用状況を把握するとともに、紙資源の無駄遣い防止や情報セキュリティに役立てております。

環境負荷軽減のM&A

社会全体の環境負荷軽減につながるようなM&Aも多々存在します。
例えば、物流会社で東京から名古屋に配送するウェイトが高い会社と名古屋から東京に配送するウェイトの高い会社がM&Aによって相互にトラックを融通する場合です。物流の効率は積載量が100%に近い形で稼働させるのが理想的で、環境負荷の軽減につながります。

海外M&A業務の強化

日本M&Aセンターグループは中小企業のクロスボーダーM&Aの増加に努めています。そのような中、日本企業の海外企業買収を通じて日本の優れた環境技術が輸出され、環境負荷の軽減につながることを望んでいます。

サスティナビリティ